文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

全て表示する >

彼の声 2017.6.12 「自立と理性」

2017/06/12

 メディアを通して世の中に影響力を持って
いるように思われる特定の権威的な思想や、
それを体現しているように思われる人物とい
うのが、今の世の中にはとりたてて存在して
いるようには思われないかもしれないが、そ
うであるなら人々は何ものにも頼らず精神的
に自立しているのかとなると、その精神的な
自立というのがどのような精神状態なのかと
いうことに関して、これといってはっきりし
た定義など思いつきそうもなく、何か特定の
権威に隷属しているような状態もにわかには
想像できないだけに、そういう方面でははっ
きりしたことは何も言えないような気にもな
るのだが、人に自意識というものが宿ってい
るにしても、果たしてその自意識を制御しよ
うとしているのか否かも不確かに思われるよ
うなら、感情を制御しようとする理性も何も
ありはしないということにもなりかねず、そ
ういう状態で何から自立したいのかと言えば、
そもそも何から自立したいのでもないのかも
しれず、ただ社会が醸し出しているように思
われる集団意志に一体化しているだけかもし
れないし、そこから自己を分離して自分固有
の存在となりたいわけでもなく、別に社会と
一体化していても構わないような精神状態で
いる限りは、精神的な自立など何の意味も持
ち得ないだろうか。そんなことを考えるよう
な人などいるはずもない世の中なのかもしれ
ず、そういうところにこだわりなど生じ得な
いような状況なのかもしれないが、でもそう
なると理性とは何なのかと問うならば、それ
も意味のない問いとなるだけで、人が理性的
ではあり得ないなら、それはただ感情にまか
せて行為していることになりそうだが、必ず
しもそうでないとすると、あとに残されてい
るのはそこに損得勘定が働いていることにも
なりそうで、それとも違うとなるといったい
理性が働くとは何を意味するのかと言えば、
何か感情まかせでも損得勘定でもない精神作
用を想定しなければならないだろうか。また
それに関して精神的に自立している人は、理
性的な振る舞いができる人のことを言うのだ
とすれば、なおさらその精神作用を特定しな
ければならないだろうか。

 一般的に考えて精神的に頼るべき権威がな
ければ、そこから自立する必要はなく、すで
に初めから個の精神を持ち合わせていて、自
立しているとも言えるかもしれないが、人が
社会と一体化していれば少なくとも社会から
自立しているわけではないだろうし、自然と
一体化していれば自然から自立しているわけ
でもないだろうし、そもそも社会からも自然
からも自立する必要はないのかもしれないの
だが、それが自立しているように装うとなる
と、何か超越論的な態度を連想してしまうわ
けで、それは事の是非を問う代わりに、是と
非の境界線上に立つような態度とも言えるか
もしれないが、たぶん是非が問われるような
こと自体を疑っているのであり、それが是非
を問うような制度であり、法律でもあり慣習
でもあるようなことなのであり、そんな制度
にとらわれている自らを自覚できるようなら、
そこで理性的な精神作用が働いていることに
もなるのかもしれず、そのような制度にとら
われ従わせられていることを疑い、それを疑
うことからそのような制度に対する批判が生
じるのであり、だからと言って制度そのもの
を疑うことで別の制度を求めるのではなく、
制度に従わなくても自ら判断できるようにな
れば、そこから自立していることにもなるだ
ろうし、そこで働いている理性は、制度とい
う権威からの自立を促していることになるの
ではないか。そうであるにしても人は法的な
権威に頼らざるを得ない面も出てくるだろう
し、その法的な権威を打ち負かすために国家
権力に頼るようなことまで、実際には行われ
ている現状もあるわけで、個人が理性を働か
せてそれらの権威主義的な態度からの自立を
夢見ても、何を実現できるわけでもないのか
もしれないのだが、態度してはそれらの権威
への懐疑を抱くことができるし、それらに対
する批判も可能なのだろうから、そのような
態度に徹している限りで、それらからの自立
を装っていることになるのかもしれず、実際
に自立しているとみなしても構わないのでは
ないか。そしてそういう意味での自立となる
と、場合によっては損得勘定の規準では損な
立場ともなるだろうし、理性を働かせて権威
から自立するような態度は、自らを社会的に
は不利な状況に招くことにもなりかねず、あ
まり他人に勧められるようなことでもないの
かもしれない。 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。