文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.6.6 「情報の質」

2017/06/06

 試されているのは良識ではなく倫理でもな
い。いかにして制度に逆らうかでもないらし
い。では何が試されているのかといえば、そ
れは積極的には何もいえないようなことだろ
うか。そうであるなら消極的には何かに従っ
ているのだろうか。従うとか逆らうとかでは
ないとすれば、そのような対象などあり得な
いということか。どうも何を試すような世の
中ではなく、何に従うような世の中でもない
らしい。そこで何が試されているわけでもな
く、何に従わせようとしているのでもない。
では何なのかといえばそれは誘惑の対象とな
っているのだろうか。それとは人のことだろ
うか。どうもそれは必ずしも人というわけで
はなく、人の意識でさえないのかもしれない。
ならば果たして人の身体が操作の対象となっ
ているのだろうか。それもあるのかもしれな
いが、厳密には身体でさえなく、人を取り巻
く空気とか環境とかが、技術的に制御の対象
になっているのだろうか。ではそこに人が含
まれているのだろうか。もはやそれは人とは
いえないような何かなのではないか。それは
集団意識のようなもので、人からもその身体
からもはみ出ていて、場合によっては人も身
体も含まないような実体のない何かなのかも
しれない。それはネットなどの情報網を経由
して端末の画面に映し出された画像や映像や
文字の連なりのようなものなのではないか。
もちろんそれらの集合体は瞬間的あるいは恒
常的にテレビの画面にも映し出されているし、
新聞や雑誌などの紙面にも印刷されているの
だが、それが視聴覚映像として人の脳内にも
取り込まれて、記憶として定着する場合もあ
るわけで、そんな何らかの処理を施された情
報が、この世界のあちこちに行き交い、電子
機器やディスクや紙媒体や人の脳内に保存さ
れたり蓄積され、そこでまた離合集散や変形
などの処理を施されて、さらに世界のあちこ
ちへと伝播していくわけだ。それだけのこと
だろうか。そう考えればそれだけのことかも
しれないのだが、それがそれ以上の何かを意
味することもあるだろうし、何の意味も持ち
得ない状況もありそうで、たとえ言葉の連な
りとして何を意味しようと、そんな意味が何
らかの意味として受け取られたり、場合によ
っては無視されていたりするだけか。

 加工された言葉の連なりに意味を担わせよ
うとはしているのだろうが、それがそのまま
の意味として受け取られるわけでもないらし
く、恣意的に解釈されるしかないのかもしれ
ないが、どう解釈されたところで、またそれ
がどのような形で利用されたところで、劣化
したり消去されたところで、所詮は様々な情
報のうちのいくつかでしかないのだから、ま
た新たにいくらでも再生可能なのかもしれず、
情報そのものの価値というのは、その必要性
に応じて高かったり低かったりすることは確
かだろうが、たとえ希少だろうと貴重だろう
とそう思われるだけで、そう思われる一方で
そう思われない場合もありそうで、思われる
か思われないかもその場の状況に依存しつつ
も、恣意的な判断や解釈に委ねられているの
ではないか。そしてどうもそれが世論を構成
するような多数派の意識に同調したところで、
同調できるような変形を被っているだけで、
それだけ内容が劣化するような変質を被って
いるだけなのかもしれず、誰の意志によって
変えられているわけでもなく、それによって
誰の意志を変えようとしているのでもなく、
ひたすら同調するような内容に変質し続けて
いるだけではないのか。そしてそのような作
用を積極的に肯定しようと消極的に受け入れ
ようとしても、何が報われるわけでもないの
かもしれず、たとえそれを否定して批判して
みても、そのような作用を止めることはでき
ないのかもしれないが、だからと言って無理
に同調する必要もないわけで、無視しようと
思えばいくらでも無視できるだろうし、そう
と自覚することなく無関係を装うこともでき
そうで、関係者や当事者でなければ直接の影
響を被るわけでもないのかもしれず、特に意
識が恣意的な解釈にさらされることもないだ
ろうか。他者や何らかの集団が介入してこな
ければ、それ以上の進展はあり得ず、進展が
なければ変形も変質も被らず、他の何に利用
されることもないのだろうが、利用されない
限りは無価値のままなのだろうし、利用価値
がある限りで価値があるということになるの
だろうが、価値がなくても情報を生産できる
ことは確かで、生産された膨大な情報の中か
ら、あるものは利用価値が見出されて利用さ
れ、他の大半は蓄積されるだけ蓄積される一
方で、蓄積する余地がなくなれば廃棄されて
消去されるだけだろうが、別にそれで何の不
都合があるわけでもないらしい。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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