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彼の声

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彼の声 2017.6.4 「空疎な現象」

2017/06/04

 何か物事に核心があるように思われるのは、
それは事件を起こした動機だとか、その中心
となるような何らかの現象があることかもし
れないが、逆にそう言うのが見当たらないと
なると、何かそこで様々な出来事が複雑に入
り組んでいて、全体として何らかの現象を構
成しているとしても、そこに作用している要
因を順々に取り除いて行くと、最終的には何
も残らず、何がそれの中心となって作用して
いたわけでもなく、その現象の主体となるよ
うなものは何もないのに、何やらそこで何ら
かの興味深いことが起こっていて、それがつ
かみどころがないような様相を呈しているよ
うに思われるだろうか。そうなるとそれに関
してはっきりしたことは何も言えなくなって
しまいそうだが、たぶんそこで何もかもが偶
然の巡り合わせのように介在しているとなる
と、それに関して何をどう説明すればいいの
か皆目見当がつかなくなるだろうし、たとえ
それに複数の人物や何らかの集団が介在して
いるとしても、それらのうちの誰が主導的な
役割を果たしているわけでもなく、誰に責任
を転嫁するわけにも行かなくなってしまいそ
うだが、それでも全体としてそのようなこと
が行われていて、それによって社会が少なか
らず変動を被っているように思われ、そこに
暮らす人々に無視できないような影響を及ぼ
しているように感じられると、やはりそれが
思考の対象として何らかの重要性を帯びてい
るように思われるだろうし、多くの人がそれ
に言及せざるを得なくなるのかもしれないが、
実際にメディアを通して行われるそのような
言及や説明がことごとく的外れに思われると
すれば、何かそこに誰も気づいていないよう
な物事の核心があるのかもしれず、それがそ
の現象を解明するための鍵であると思われれ
ば、当然それを探り出したくなるだろうし、
実際にそんなことを語りたがる人が後を絶た
ないような現象があるとすれば、そこに未だ
解明されない謎があるようにも思われるだろ
うし、そんな謎を解き明かすことが、それに
言及しようとする人たちの使命であるかのよ
うに思われてくるだろうか。

 謎が謎である限りはそんなことが言われ続
けるのだろうが、何かのきっかけで謎が解き
明かされて謎でなくなれば、解き明かされた
時点では話題となるだろうが、それ以後は次
第に興味が失われて、事態が一段落すれば誰
もそんなことに情熱を掻き立てられなくなり、
そうなるのが当然のことように思われる現象
でしかなくなってしまうだろうが、まだそれ
が謎だとも思われていない段階の現象もある
のかもしれず、それの何が謎であるとも思わ
れず、誰にも興味を持たれないような現象と
いうのが、実際に社会を揺り動かしていて、
そこに暮らす人々をとらえて離さないような
状況を形成しているのだとすれば、まずはそ
こに人々の注意を向けさせる必要が出てくる
のかもしれず、それに関して具体的に啓蒙や
宣伝活動をするような成り行きとなると、そ
こでメディア的な煽動が介在してきて、それ
に関して何らかのキャンペーン活動が行われ
ることにもなるわけだが、そんな中で世間的
に気づかれているようなこととは別に、ごく
一部の人々によって何らかの隠された意図の
ようなものが想定されてしまうと、そういう
意図を持っているような人や集団が、そこで
何らかの陰謀を巡らせているようにも思われ
てくるだろうし、そんな陰謀によって世の中
が操られて、そんな人や集団の思惑通りの成
り行きが今まさに進行中のようにも感じられ
てしまうのだろうが、そういううがった見方
こそが妄想でしかないと主張したい人々も世
の中にはいるわけで、そんなことを巡って何
かの事情通のような立場を占有したくて、そ
れが陰謀だと主張したい人々との間で抗争を
繰り広げている状況というのもあるのかもし
れず、それらのどこまでが事の真相を語って
いて、どこからが虚構でしかないかは、それ
らの事情通を自認している人々の間でもよく
わかっていないところかもしれないが、その
ほとんどが憶測や推測の域を出ないような話
ならば、どこまでが真実であろうとどこから
が虚構であろうと、とりあえず興味深く思わ
れるなら、たとえ虚構であろうと信じてみる
だろうし、さらに信じることによって何らか
の利益がもたらされるように思われるなら、
たとえ嘘だと思っていても、それが真実であ
るかのように語ろうとするだろうし、そんな
デマを嬉々として世の中に広めようとするだ
ろうか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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