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彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.5.31 「避けられない事態」

2017/05/31

 現状維持ではなく変化を求めることは、現
状で不都合を感じている誰もが思うことかも
しれないが、そうだとしてもたいていの人は
都合のいいような変化を求めているのであり、
都合が悪くなってほしいわけではなく、不具
合が増大してほしいわけでもないのは、当た
り前のことだろうし、変化とは自らにとって
都合のいいような変化であってほしいわけで、
できればそうなるように願うし、場合によっ
てはそうなるように積極的に画策したいわけ
だが、実際にはそれが何をもたらすのだろう
か。周りから様々な作用が及ぼされて、思い
もよらないことが起こるのはいうまでもない
ことかもしれず、その思いもよらない事態に
対応しようとするのだろうが、対応しようと
することがさらに思いもよらない事態を引き
起こすことにもなって、そうやって当初に願
っていた状況からどんどん逸脱していってし
まうのかもしれず、それが実際に体験する状
況の変化であり、変化は誰もが思ってもみな
かった様相を呈するのであり、そんな状況に
適応しようとすることで、人も人が関与する
環境も変わっていくのだろうし、そこで実現
される事態が新たな人と物と情報の関係をも
たらして、望んでいたのとは違う事態に直面
していることを実感させ、今まで経験したこ
とのない未知の領域へと踏み込んでいるとも
思わせて、もうそこから後戻りができないこ
とを悟らざるを得なくなるのかもしれないが、
果たしてそれが不都合な事態なのかといえば、
そうでもないのであり、望んでいたのは違う
事態だとしても、それに適応しようとする限
りで、すでにそうなっていることを受け入れ
ているわけで、そんなふうにして人は環境の
変化に適応しようとして、自らも変わってい
くのであり、現状維持ではなく変化を求めて
いると思われるのは、実際に変化を受け入れ
ているからそう思われるのであり、変化を受
け入れられなければ現状維持を求めているよ
うに思われるだけで、初めからそう思ってい
るわけでもなく、そう思ってしまう時点で、
すでに何らかの変化に直面していて、そんな
変化に対応しながら、ある面では現状を維持
しようとしていて、また別の面では変化を受
け入れようとしているのであり、そこで思う
のはどちらか一方ではなく、その自覚はなく
ても相反する思いに同時的にとらわれている
のではないか。

 人がそこでどう思ってみても、状況の変化
から逃れることはできないだろうし、変化の
ただ中にいる限りは変化に対応せざるを得な
いわけだが、対応していく過程で防御する砦
を築いていくわけで、自分や自分が属してい
る集団を守るための何らかの手段を講じるの
であり、人々は協力して自分たちが安定して
安全に暮らせる環境を整えようとして、自分
たちの都合に合わせた社会を構成しようとす
るのだろう。具体的には生活空間となる土地
を造成して、建物を建てて機械類などの設備
を設置して、道路や上下水道や電気やガスな
どのインフラを整備するわけだが、そのよう
な人工的に造られた環境に依存して、それに
適応できるように人の思考も対応しようとす
るのだろうし、現状で成り立っている環境か
ら、そこで生活している人の思考が形成され
るわけだから、そうである時点でその環境に
適応するような思考形態になっているとも言
えるわけで、現状の社会の中で合理的に思わ
れることは、そこで生活する上で理に適った
思考から導き出されているのだろうし、そこ
で自然に思われるような理屈は、その社会の
中で暮らしている人にとっては、そう考える
のが当然のことのように思われるのだろうが、
別の時代の別の社会ではそうは思われていな
かったのかもしれず、ある時期に起こった何
らかの環境の変化に対応する過程で、そんな
理屈が導き出されて、その後それが広く様々
な社会に普及して、今ではそれが誰もが当然
のことのように思っていることなのかもしれ
ず、そんな歴史的な経緯が今の時代では忘れ
去られていて、それが自明視されているから
こそ、かえって見えているものが見えていな
いような事態が生じている可能性もあるわけ
で、もはやすでにそれほど必要でないことを、
慣習や伝統として頑なに守っている現状もあ
るのかもしれないし、それが普通に生活して
いく上で障害となっているとしたら、自然と
廃れていく傾向にあるのかもしれないが、そ
こでも絶えず現状を維持しようとする思いと、
変化を受け入れようとする思いとが、絶えず
せめぎ合っている状況があるのかもしれず、
そうしたせめぎ合いも現状を構成する出来事
の一つだろうから、せめぎ合いが生じている
時点ですでに身の回りの環境が変化していく
途上にあるのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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