文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.5.12 「平和の意義」

2017/05/13

 強制的に何かに従わせられているわけでは
ないが、たぶん実感としてはそうでなくても
従っていることは確かで、何に従っているの
かといえば、社会に行き渡っている共通の規
範に従っているといえば、それなりに確から
しいことのように思われるのだろうが、それ
では漠然としすぎているだろうか。もっと具
体的にいうなら、法律に従っていることにな
るわけだが、それ以外の何らかの慣習にも従
っているのだろうし、それが共有しているよ
うに思われる生活習慣や風俗に表れているら
しいのだが、普段はそんなことはあまり気に
していないし、それと自覚せずに身について
いるようなものだろうし、気づかないが指摘
されれば、それなりに納得できるようなこと
なのではないか。それについてはあまり気に
しないということは、普段はあまり重視して
いないということであり、結果的には従って
いるとしても大したことではなく、それほど
深刻なことでもなく、それによって致命的な
結果をもたらしているのではもちろんないだ
ろうし、逆にそうすることによって何らかの
利益がもたらされていて、そこで共有されて
いる共通感覚を背景として、人と人との間に
円滑な意思疎通や相互理解が可能となってい
るのかもしれず、そういう意味で社会規範と
いうのは、人が社会を築く上で欠かせないも
のとなっているのかもしれない。

 別に規範の効用を説いたところで、積極的
に従うべきというわけではなく、ただ何とな
く従っているようなものでしかなく、従って
いることを強調して、それを正当化するのは
おかしいし、逆に従うことによって何か障害
や不具合が生じているとすれば、それは改め
た方がいいだろうし、それを改めるに際して
は、誰もが納得できるような理屈が必要とさ
れるわけだが、いくらそれを説いたところで、
納得できない人はいくらでもいるだろうし、
日常の中で自然に身についている習慣や風習
をそう簡単に改められるものではなく、そう
いう時には何らかの法律で規制するような運
びとなるわけで、そこでそのような規制に対
する民衆の反発や抵抗に遭遇するわけだ。別
にそれが守るべき規範であるはずもないが、
慣習となった違法行為で代表的なものといえ
ば、例えば車のスピード違反やNHKの受信
料を払わないことなどがあるが、それがバレ
たら時には強制措置を伴って罰せられること
もあるわけで、取り締まられたり罰金を払わ
されたりする時に、不快感とともに権力の行
使を実感させられるだろうし、なぜそれが不
愉快なのかといえば、罪悪感を伴わない違法
行為であるからだろうが、他にも罪悪感を伴
わない違法行為としては脱税などが挙げられ
るが、なぜ罪悪感を伴わないのかといえば、
それらに関しては法律を守ること自体に納得
がいかないのだろうし、そうすることが守る
べき規範だとは思われないからなのではない
か。

 そんな罪悪感を伴わない違法行為というの
が、人々の感覚とそれを規制する法律との間
に、齟齬をもたらしているのはもちろんのこ
と、そうである限りにおいて、何らかの改善
を行う余地があることは確かなのだろうが、
一方で法律を用いて規制しなければならない
必然性もあるわけだから、規制し取り締まる
側と違反し侵犯する側との間で、利害が衝突
している現実があるわけだ。そういう納得が
いかない民衆とそんな法律を必要とする行政
機構との間に立って、何らかの利害調整を行
うのが政治の役割なのかもしれないが、具体
的にはできるだけ人々の納得がいくような改
善が図られればいいわけだが、徴税などのよ
うに根本的に対立する部分に関しては、強制
せざるを得ない面もあるわけで、そこで権力
が行使されることになるのだろうし、その際
にあからさまな強制だとは感じられないよう
な配慮が施される場合もあるだろうし、中に
はふるさと納税とかいう、地域の社会貢献と
絡めて、名誉欲や自尊心をくすぐるような企
画まであるわけだが、そういう戦術や戦略を
駆使しながら政治が何をやっているのかとい
えば、それは人々が抱く反発や反感を逸らし
てやわらげ、そこに根本的な対立や齟齬が生
じていることを隠蔽して、利害を巡って争い
や戦いが行われていることを、実感させない
ようにしているのかもしれないのだが、そう
いう試みが功を奏して、社会規範を守るよう
にして、民衆の大半が行政機関に何となく従
わせられている状況というのが、平和と呼ば
れる状態なのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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