文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.5.4 「理想と現実」

2017/05/05

 たぶん考えているだけではそれが無謀な試
みであることを自覚できず、しかもそれを実
現しようとしない限りは妄想にとどまるしか
なく、実現できないからいつまでも理想を思
い描いていられるのだろうし、現実離れした
理想を思い描くことが、理念と呼ばれる抽象
的な概念に行き着くのかもしれないが、それ
が目指されるべき理想の状態だと思われる限
りで、果たして実際に実現していないし、そ
んな実現できないような理想状態を実現すべ
く努力すべきなのか、という疑念が湧いてく
るのだろうが、たぶんそれを思い描いている
段階に止まっていれば、いつまでもそんな状
態を保っていられるのであり、それを実現し
ようとしない限りは、理念として頭の中でそ
の状態を保持できるから、その限りで理念が
有効に作用しているように思われるのだが、
要するにそんな妄想を抱く上では理念が欠か
せず、それが妄想状態にとどまっている限り
は、妄想を抱く分には頭の中で有効に作用し
ているように思われるわけだ。そんなふうに
して心の平静を保っていると、とりたてて何
をやっているわけでもないとしても、妄想が
心の支えとなって、不安から逃れていられる
だろうか。それを現実逃避というのかもしれ
ず、実際にそんな心境でいられる状況があっ
て、そんな心境の人たちが、自分たちの思い
描いている理想から外れる行いを、批判して
いられる現実があるのかもしれないが、もし
かしたらそんな状態にとどまれるのは、思い
描いている理念とは別の何かが作用している
からで、それがその場の現実をもたらしてい
て、理念からはかけ離れた過酷な現実に向き
合うことを猶予させているのかもしれない。

 しかし現実逃避できる状態を保っていられ
るのは、何によってなのか。そこに何らかの
保護作用が働いていて、それに守られること
によって、そんな状態を保っていられるとし
たら、例えばそれは富の蓄積がそうさせてい
るのかもしれず、それらの人の経済状態が裕
福であるからこそ、貧困から逃れられている
のであり、それによって生活をエンジョイし
ていられるのなら、もはやそれは妄想などで
はなく実現していることになるだろうか。そ
んな環境の中で理想を思い描いていて、世の
中のすべてがそうであってほしいと思う一方
で、メディアなどからもたらされる現状認識
はそうではなく、この世界には貧困状態の中
で苦しんでいる人などいくらでもいて、そん
な人たちを助けなければならない、と使命感
に燃えるような心境になれるとすれば、何や
ら話の辻褄が合っているようにも思われるわ
けで、要するにそこで生じている貧富の格差
が、富める者に理想を抱かせ、理想からかけ
離れた貧しき者たちを助ける、という使命感
をもたらしていることになるわけだが、たぶ
んそれこそが実現不可能なことであり、現に
そんな妄想をもたらしている状況というのが、
そんな妄想にとらわれている人の存在ととも
に、その不可能性を証明していることになり、
実際には誰もが裕福になれるわけではなく、
現実に生じている貧富の格差が、富裕層と貧
困層をもたらしていて、その二つの層がある
からこそ、富める者たちが理想を思い描くこ
とを可能にしていて、そうでなければそもそ
もそんな理想など思い描くこと自体ができな
いのであり、その必要も生じないとすれば、
ではそんな理想を思い描いている現実こそが、
理想とともに否定されるべき現実であり、ま
さに現状から生じている妄想に過ぎないこと
になるだろうか。

 そうだとしても妄想を抱くべきなのかもし
れず、理想を思い描き続け、思い描いている
だけではなく、その実現を目指して何らかの
行動を起こすべきなのだろうし、実際にそん
な行動を起こしている人などいくらでもいる
のかもしれないのだが、たぶんいつも現実は
理想からずれるのであり、それらの人の思い
もよらないような別の方向へと進んでしまう
のだろうし、その方向がどんな方向なのかは
誰にもわかっていないところなのかもしれず、
その方向とはたぶん無方向であり全方向なの
でもあり、例えば貧富の格差だの富裕層と貧
困層だのの単純な図式では捉えられないよう
な、複雑怪奇な様相を呈していて、そこに関
係する人々の思惑も様々に入り組んでいて、
そこで生じている敵対や連携の関係にしても、
外部から一概に識別できるようなわけには行
かず、その中の誰が富んでいようと誰が貧し
かろうと、富裕層の中でも貧困層の中でも敵
対関係はあるだろうし、富裕層と貧困層の間
でも同盟関係や連携関係があるだろうし、そ
んな富と貧困が入り混じっているの中のほん
の一部分が、何やら象徴的に貧富の格差を顕
在化させていたり、はっきりとわかるような
不平等や不公正を表しているわけで、そこだ
けに注目すればなるほどその通りで、そこか
ら理想的な妄想を抱く余地も生じるのだが、
やはりそれが事のすべてを言い表すには至ら
ないわけで、それ以外のケースが無数にあっ
て、それを単純化して一つの基準で測ろうと
しても、そこから導き出された何らかの傾向
というのが、そこに介入している人たちのす
べての目的に適うような価値にならないのは
もちろんのこと、それぞれの目的に応じてそ
れぞれの価値が想定されてしまうのだろうし、
それを貧富の格差という一つの問題に還元す
るのは無理なのかもしれず、実際にそんな問
題に取り組んでみれば、その場その時の状況
に応じて、対処法も変わってくるだろうし、
何らかの対処を行ったからといって必ずしも
うまくいくとは限らないだろうが、結局は実
際に行動を起こすことによって、現実離れし
た理想論から離れることができるのではない
か。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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