文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

全て表示する >

彼の声 2017.5.1 「社会のゴミ」

2017/05/02

 人は決められた動作以外のところで躓き、
転んでから学んだつもりになる。時にはそう
ではないと言えるかもしれないが、躓きの石
がどこに落ちているわけでもなく、偶然の導
きによってそこに出現するのではないか。し
かしなぜ決められた動作に従わなければなら
ないのか。誰がそれを決めているわけでもな
いのに、そこに決められた動作が出現するの
はなぜだろうか。そこに社会があり社会的な
慣習に従うと決められた動作に行き着くのだ
ろうか。それに従っている限りは躓かないが、
何かのきっかけで従えなくなると躓き、転ん
だ拍子に今までが慣習に守られてきたことに
気づくわけか。しかしなぜ従えなくなってし
まうのだろうか。そのきっかけが訪れるのは
どうしてなのだろう。どうしてではなくどの
ようにして訪れるのか。それは社会が限定的
な範囲内での広がりであり、社会には常に外
部があり、一度社会の外に出てしまうと、社
会内で通用していた決められた動作が通用し
なくなってしまい、それ以外の動作が要求さ
れた時に人は躓くことになるのかもしれない。
しかも社会の外は社会の内にもあり、どこが
社会の外なのかわからない面もあり、結果的
に躓けばそこが社会の外だということになる
だろうか。要するに社会とは人や物や情報が
結びついたネットワークであり、網状構造の
結節点に人や物や情報が位置していて、その
点と点をつなぐ線から外れるとたちまち外部
へと出てしまい、社会の内と外は同じ平面や
空間に位置しているわけか。社会をそう捉え
たからと言いて、躓きの原因が特定されるわ
けではなく、点と点の結びつきは一定でも恒
常的でもなく、絶えず結びついたり離れたり
を繰り返していて、結びついている間だけそ
の地点で社会が成り立っていて、いったん離
れてしまえばそこは社会の外部となり、今ま
で通用していた決められた動作が通用しなく
なって、そこで躓いてしまうわけで、いつ結
びつきが切れてしまうかは、たぶん偶然でし
かないだろうから、結びつきが切れる原因を
特定するのは難しいわけか。

 しかし人は躓いて転んでから何を学んだつ
もりになるのか。人や物や情報の結びつきが、
その場限りの偶然の導きに左右されているこ
とを学んだつもりになれるだろうか。ではそ
れを偶然ではなく必然に変えるにはどうした
らいいのか。それらを一箇所に溜め込んでお
けば、社会を恒常的に維持できるだろうか。
そこに都市が出現するわけで、人や物や情報
の蓄積が社会資本となり、それらを生産して
流通して交換して蓄積して消費するネットワ
ークこそが社会であり、蓄積を維持するため
の制度が資本主義だと言えるだろうか。それ
を維持するには絶えず人が働いている必要が
あり、また人の働きは機械によって置換可能
な部分もあり、しかも機械の駆動こそがネッ
トワークの維持と拡大には欠かせず、それに
よって全世界を網羅するネットワークが成り
立っているわけだ。もちろん網羅しているか
らには隙間があり、網目をすり抜けてしまう
部分は社会の外部であり、ネットをすり抜け
てしまう外部では常に躓きの危険が待ち構え
ていて、そこでは病や飢えや貧困などが姿を
現しているわけだが、人はネットの網目を細
かくして、できるだけすり抜けてしまう部分
を減らそうと努力しているのだろうか。実態
としてはどうもそうではなく、ネットの強度
を高めて蓄積する能力を向上させこそすれ、
すり抜けてしまう部分については必要悪とし
て放置しているのではないか。というか網目
を細かくしてできるだけ多くの人を救おうと
すれば、負担がかかりすぎてネットそのもの
を維持できなくなって、網がちぎれてしまう
わけで、ちぎれないように網の質を強化する
ことには熱心だが、蓄積に必要のないものま
で網で掬い取るのは目的に反しているわけで、
それよりも蓄積に必要な人や物や情報だけ選
別して掬い取る網が必要とされるわけだ。そ
んなわけで決められた動作以外の誤動作ばか
りしている人は、社会から除外される傾向に
あるのだろうし、網で掬い取る対象とはなら
ず、使い道がなく救われない人となってしま
うわけだろうが、やがてそんな人たちにも何
らかの利用法が見つかるのだろうか。
 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。