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彼の声

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彼の声 2017.4.26 「運命と宿命」

2017/04/27

 運命と宿命の違いは何だろうか。逃れられ
ないように思われる運命というのが宿命だと
思っておけばいいのかも知れないが、運命か
らも宿命からも逃れられないことは確かなよ
うで、意味としては生まれる前から定まって
いるのが宿命で、生まれた後から自らの行い
やが内外からの作用によって定まるのが運命
だと言えるのかも知れない。だがそれらは全
て何かをやったりやらなかったりした結果か
ら自覚することであり、こうなるのが運命だ
ったと悟ったり、さらに結果や成り行きの必
然性を強調したければ、こうなる以外にはあ
り得ず、もはやこうなるのは宿命であるとし
か思えないとなるだろうし、例えば今のとこ
ろは一般的にいって生物が死ぬのは宿命だし、
それは避けられないことであり、また何かの
導きよって誰かと誰かが運命的な出会いをし
たとしたら、そこには少なくとも偶然的な要
素が介在していることになるだろうか。両者
の差異を強調したところで、それは似たよう
な言語的な表現でしかないのだから、それら
の言葉を用いるときには厳密な区別などない
のかも知れず、その時の感覚で恣意的に運命
と感じたり宿命と感じたりするだけで、そう
なった結果を大げさに誇張するか、あるいは
決まり切った慣用句の中でそんな言葉を使う
かして、そうなってしまった結果を表現して
いることは確かなのだろうが、それが運命だ
と思っても宿命だと思っても、そのこと自体
は大して重要ではなく、それよりもそうなっ
てしまったこと自体がが重要なのであり、そ
れを重要だと思う限りではそうなのかも知れ
ないが、そうは思わなければわざわざ運命だ
の宿命だのと思う感覚は得られないわけで、
そうなってしまった結果がそんな感覚を抱い
た自身にとっては強調すべきことであり、強
調したいからそんな言葉を使っているわけで、
たぶんそこにはそんな結果を強調すべき理由
が見出されているのではないか。

 それが切実に思われることであり、こだわ
っていることなのかも知れないが、その人に
とってはそうであるとしても、無関係な他人
にとってはそうではないのかも知れないが、
そんな言葉を使って自らの意思を伝達する場
合は、他人にもその感覚を共有してほしいの
だろうし、伝える相手もそう思ってほしいか
ら、わざわざそんな言葉を使ってそうなった
結果を強調したいのだろうが、なぜそうまで
してそんな結果にこだわるのかといえば、そ
の結果が自らの力では変えようがなかったこ
とを強調したいのかも知れないし、自分がそ
うしようと思って何かをやったにしても、思
いがけずに遭遇した結果であって、そうなっ
てしまったことについてはどうしようもない
と主張したいのかも知れず、当人がそう思っ
ていてもそれは一種の責任逃れにも通じる表
現となっているのかも知れないが、そんな自
らの力を超えて導き出された結果について、
やはりそれが何でもないことなのではなく、
当人にとっては極めて重大な結果だから、そ
んな強調表現を使ってそんなことを言うしか
ないのだろうし、しかもそうなったことにつ
いては当人の責任の範囲外であるとも主張し
たいのだから、何やら虫のいい話で、状況に
よってはそれを伝えられた他人の反感を買う
ようなことにもなるだろうが、そうなるのが
その人の運命であったり宿命であったりする
のは、その人が意識できない何らかの力が働
いた結果であることは確かで、たとえ当人が
何かをやった結果としてそうなったとしても、
その人にそんなことをやらせている何らかの
作用や関係がそこに生じていて、結果的には
そんなことをやってしまった当人がそこから
逃れることはできなかったのであり、実際に
そんな成り行きにその場が支配されていたか
らこそ、当人はそうせざるを得なかったし、
そんな結果にならざるを得なかったとなるの
だろうが、それはあくまでもそんな結果が出
た後からしか言えないことであり、後からい
くら運命だの宿命だのと言ってみても、もは
や結果の重大さや深刻さを減じることはでき
ないし、それを覆しようがないわけだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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