文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.4.25 「予測する機械」

2017/04/26

 今までの歴史的な経緯を考えると、何かが
起こった結果から必然的な因果関係が導かれ
るようにも思えるし、実際にそんな説明がで
きそうなのだが、そこから将来起こりそうな
ことを予想すると、当てが外れたりたまには
当たったりするかも知れないし、大して確実
性もないそんな語り方を飽きもせず繰り返し
ている現状があるのかも知れず、結局のとこ
ろそれで何が言いたいのかといえば、こうい
うことをやったからこういう結果になってし
まったのであり、今もこういうことをやって
いるから将来こういう結果をもたらすだろう、
という言説にとらわれているわけだが、果た
して本当にそうなるのかといえば、実際にそ
うなってみなければわからないのが確かなと
ころで、必ずしもそうなるわけではないが、
そうなる危険性があると指摘したいのであり、
人はそうやって今ある現状を診断しているつ
もりになっているのかも知れないが、しかし
それ以外に現状に関して何が言えるのだろう
か。現状で何が起こっているのかを認識して
いることは確かかも知れないし、これこれこ
ういうことが起こっていると語ることができ
そうなのだが、それ以外に気づいていないこ
とが起こっている可能性があるのかも知れず、
その他の人々が気づいていない現象や出来事
に気づいて、それについて語ることができる
だろうか。現状で起こっていることから将来
起こるかも知れない事態を予想することに当
たり外れがあるのは、まずは現状で起こって
いることの全てを把握しているわけではない
ということと、過去に起こった原因と結果の
因果関係にしても、それを完全に把握してい
るわけではなく、現状にしても過去に起こっ
た出来事や現象にしても、その全てを把握す
ることはできないのだから、そんな不完全な
事態の把握から将来を予想しても、当たり外
れがあるのは当然のことだといえそうだが、
ではなぜそんなことをやりたいのかといえば、
人は必然的な因果関係を求めているというこ
とだろうか。

 当たりくじを引き当てたいのだろうし、サ
イコロを振って思い通りの目を出したい、と
いう欲望があることは確かだが、それ以前に
必然的な法則や成り行きを発見したいという
ことかも知れないし、そこには全てを知りた
いという傲慢な意志が見え隠れしていそうだ
が、それと同時に全てを知り得ないという残
念な認識も持ち合わせているだろうし、そん
な相反する感情から導かれる妥協点としては、
そこから一歩退いて、全ては知り得ないがで
きるだけ多くのことを知りたいという謙虚さ
も現れてきそうで、また今ここで何が起こっ
ているのかを可能な限り正確に知りたいとい
う欲求も出てくるのかも知れず、そんな欲求
から生じるのが現状に対する分析だろうし、
ただ分析するだけでは飽き足らず、その延長
上に将来への予測が出てくるのだろうが、よ
り謙虚な姿勢を維持するなら、現状分析にと
どめるということになるだろうし、当たるか
外れるかわからない予想や予測を断念できれ
ばいいのかも知れないが、人が相変わらず求
めているのは占いであり、将来がどうなるか
を知りたいという欲望を断念することなど不
可能だろうか。限定された範囲内で必然的な
結果を導き出す手法として考え出されたのが、
機械であることは確かであり、確実に何かを
製造するという目的に特化しているわけだが、
それと似たようなことかも知れないが、現状
分析についても計量という目的に特化した機
械があるわけで、見るという目的に特化した
機器として望遠鏡や顕微鏡があるし、CTス
キャンやMRIもあるだろうし、計算によっ
て未来を予測する技術は天気予報や株価予測
などに活かされているし、何らかの目的に特
化した形でなら、機械技術によって可能とな
っている現状があるのではないか。そんなふ
うにしてある目的に特化すれば、それなりに
正確なことがわかるのだろうが、相変わらず
目的以外のことについては不明確なままなの
だろうし、特定の分野で何かを正確に知るこ
とや機械によって必然的な結果が導き出せる
ことと、それ以外のことについては依然とし
て曖昧なままであることの間に落差があるわ
けで、その落差を認識しておいた方が良さそ
うなのだが、やはり素人ほど機械技術に対す
る過信があり、何やらコンピューターによっ
て全てを作り出せて、全てを見通すことがで
きるような盲信に陥りやすいのかも知れない。
 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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