文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.4.22 「別問題」

2017/04/22

 現状で最悪の事態が起こるとしたらそれは
戦争だろうか。そうでなければ他に何が起こ
るというのか。まさか何も起こらないことが
最悪だとは思えないが、もしかしたら何も起
こらないのかもしれない。そんなはずがなく
少なくとも巨大地震が起こるのではないか。
いつかは起こるかもしれないが、それがいつ
起こるのかはわからないし、起こるのを期待
するようなことでもないだろうし、思いがけ
ず起こるのがありふれた起こり方だろうし、
人々が忘れた頃に起こるのではないか。しか
し何かが起こるのを待っているとしたら、で
は待っている間は何をしているのだろうか。
待っている間は無為な時を過ごしているだけ
だろうか。それを無為と思えば無為に思える
かもしれないが、何か時間を有効活用してい
るように装いたければ、人は何かもっともら
しいことをやりたがるだろうし、何がもっと
もらしく思われるのかといえば、世間的に見
てもっともらしく思われるようなことをやり
たがるのではないか。例えば生活をエンジョ
イしているように見せかけたいだろうか。そ
れとも何か世の中の役に立っているようにも
見せかけたいだろうか。見せかけたいのでは
なく心からそう思いたいのかもしれないし、
皮肉でも何でもなく、素直に生活を楽しみた
いだろうし、世の中に役立つことをやりたい
のではないか。たとえそれが独りよがりだと
思われようと、自己満足とは無縁の水準でそ
んなことをやりたいのではないか。だが実際
に何をやったらいいのか、果たしてそれがわ
かるのだろうか。今やっていることを継続す
る以外には何も思いつかなければ、それを継
続するしかないだろうし、他のをことやって
いる余裕もなければ、そうなる他はあり得な
いのかもしれないが、それをやっていること
が現状をもたらしていることは確かであり、
そんな現状に満足できないのなら、他のこと
をやる以外にはあり得ないようにも思われる
かもしれないが、たぶんそれができれば苦労
はしないのであり、できないから苦労してい
るわけだ。そして苦労しているということは、
生活をエンジョイしていないことになるのか
もしれず、また大して世の中の役に立ってい
るようにも思えないのなら、やりたいことを
やっているとも言えないだろうし、やってい
ることをもっともらしく見せかけるどころで
はなく、かろうじてそんなことをやっている
に過ぎず、場合によっては他からの作用でや
らされているに過ぎないのかもしれないし、
まさに不満だらけの現状があることになって
しまうが、それをどうすることもできない状
況の中で生きていることにもなってしまうだ
ろうか。

 たぶんそれがありふれた状況なのだろうし、
ありふれた状況を物語っていることになるだ
ろうが、問題はそこにはなく、そうかと言っ
て別のところにあるのでもなく、ただ問題を
避けて語っているだけかもしれず、なぜ避け
て語っているのかと言えば、問題を語りよう
がないのかもしれず、現状ではそれ以外のあ
りふれたことしか語れない状況にあるのかも
しれない。そしてそれはメディア上で語られ
ている世の中の問題とは別次元の問題なのか
もしれない。たぶんそれらとは微妙にずれて
いるのであり、少し違った傾向にあるのだろ
うが、やはりそれが問題なのだろうか。少な
くとも人がそれについて考えたり意識したり
するのとは無縁の次元で問題化されているの
だろうし、そうだからと言って無意識の問題
なのでもなく、実際に世の中で起こっている
ことなのに、人とは無関係なのかもしれない
し、そこに人が関わっているのに無関係とは
言えないのかもしれないが、やはり無関係と
しか言いようのない問題なのだろうか。そし
て人が構成する組織や集団の問題でもなく、
国家や企業などとも重ならないことかもしれ
ないし、しかも国家や企業の内部で起こって
いることだとすれば、それはいったい何なの
か。人にとって何でもなければ問題とはなら
ないだろうか。たぶん出来事が問題なのだ。
そこで何が起こっているのかが問題なのであ
り、そこで何が行われているのかも問題なの
だろうが、それは語られないことなのかもし
れず、語られていることでもあるのかもしれ
ないし、実際に出来事について語られている
場合は、それとは別の出来事について語られ
ているのであり、要するに世間の話題につい
て語られているわけだが、それとは別の出来
事については語られていないわけだ。それと
は別の出来事は語りようがないのだろうか。
しかし語りようのない出来事とは何なのか。
意識がそれを捉えられなければ語りようがな
いだろうし、それについて語る気が起こらな
ければ語らないだろうし、それでもそれらの
出来事を日々体験しているはずなのだが、そ
れは改めて語る必要のないことかもしれない。
だからそこに問題があるのに気づかないのだ
ろうか。しかしそれの何が問題なのか。それ
らの出来事が現状を形作っているとしても、
それに気づかないから意識できないし語りよ
うがなく、そうやって問題が見過ごされてい
るというわけか。少なくとも現状に対して不
満を抱いていて、世間の話題となっている問
題がいくらでもあって、いつまでたってもそ
んな問題が世間に溢れかえっているとすれば、
それは解決しようのない問題であり、それに
ついて話題にして語ることしかできない問題
であるのなら、もはやそれらは問題ではなく、
問題はそれらとは別のところにあって、つま
りそれが語りようのない問題なのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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