文学

彼の声

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彼の声 2017.4.11 「意味の獲得」

2017/04/12

現状で何も問われていないように思われるとしたら、
問いから見放されていて、
やるべきことが何もないようにも思われるかもしれないが、
問いに答えることがやるべきことなのか言うと、
場合によったら問いをはぐらかすことが
やるべきことのようにも思われるかもしれないし、
答えるのが不快なら問いを無視することだってできるかもしれないし、
そんなふうに問いを回避するための方策など
いくらでもありそうに思われるとしたら、
問いから見放されているというよりは、
とりあえずは問いに答える義務からは解放されていて、
問いが課されていないと思っても
構わないような状況の中にいることになるだろうか。
やっていることの意味を問われなければ、
やっていることが無意味だと決めつけるわけにもいかないだろうし、
意味があるとかないとか決めつける必要からも解放されていたら、
ではいったい何をやっているのかとなるのかもしれないが、
そう問うこと自体が問いでしかなく、
不用意にそんな問いに答えようとすれば、
そう答えることがやっていることの意味だと受け取られかねないし、
そんなふうにしてやっていることの意味が導き出されてしまうと、
何かを問うことが
問うている対象の意味を導き出す手段ともなるわけで、
発せられた問いに向かって律儀に返答することは、
問いを発した側の思惑に拘束されてしまう危険があるではないか。
一概にそれが危険だとも言えない場合もありそうだが、
要するに問いに答えることは、
自分が何者でそこで何をやっているのかを
相手に向かって明かしてしまうことになり、
そうなった時点で
無防備の丸裸にされてしまったことにもなるわけで、
そうしないと相手から信用されないというのなら、
すでに相手にペースを握られて
術中にはまっていることになるかも知れず、
それは相手との関係の内容や程度にもよるかもしれないが、
ともかく意識して何かを問われているとは
思わない方がいいのかもしれず、
別に問われてもいないのに
自分からむやみにやっていることをひけらかさない方が
身のためである場合もありそうだ。

絶え間ない自問自答の繰り返しの中で、
やっていることの意味を求めるような強迫観念にとらわれている人は、
社会の中で認められたいという虚栄心にも
苛まれているのかもしれないが、
そうであるなら意味とは
人々の間で共有される共通の了解事項となるわけで、
そんな社会の中での意味の定着を巡って、
物事に対するどのような意味づけが共通の了解事項となるかが、
問いを発して意味を獲得しようとする人たちの間で競われていて、
自分たちが付与する意味が
共通の了解事項として社会に定着するように、
メディアを通して様々な画策が行われていることには、
すでに誰もが気づいている暗黙の了解事項なのだろうが、
例えば世論調査なども
問いを発して意味を獲得する試みの典型例であり、
すでに問いの中に選択項目として答えが絞り込まれており、
それ以外の答えが排除されているわけだから、
項目から選んで答えた時点で、
問いを発した側にとっては
思惑通りの答えが引き出せたことになるわけで、
世論調査をやればやるほど、
世論調査をやる側にとっては、
社会の中に自分たちの都合の良い意味を
定着できるかも知れないのだが、
重要なのは意味の定着よりも
制度を定着させることにあるのかも知れず、
世論調査という制度を社会に定着させることこそが、
もう一つの制度である選挙の結果を事前にコントロールする上で、
有効な戦略として確立されているわけで、
普段から定期的に世論調査を繰り返すことによって、
選挙が思いがけない結果をもたらして、
社会を混乱させないための予防策の役目を果たしていて、
ある意味でそれは選挙の無効化なのかも知れないが、
選挙結果が世論調査とは異なる結果が出る可能性もあるだけに、
完全な無効化ではなく
コントロール的な意味合いの方が大きいのだろうし、
選挙と世論調査という二つの制度が競合している状況というのが、
民主主義の建前を意図的にずらすような作用があるのかも知れず、
また人々が選挙で選んだ議員が政党に拘束されているというのも、
同様の作用をもたらしているのかも知れない。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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