文学

彼の声

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彼の声 2017.4.4 「伝えたいこと」

2017/04/05

人が何かしら言葉を記すのは、
その内容を伝えたいから記すのだろうが、
記された内容が伝えたいこと以外の内容を含んでいるとすれば、
それは読む側の勝手な解釈によるところが大きいのかも知れず、
記す側が伝えたい内容と読む側が読み取った内容との間に、
何らかのずれや食い違いがあって当然かも知れないが、
記す側は何かはっきりとわかるようなことを伝えたいわけではなく、
ただ漠然とその場の気分で言葉を記しているだけかも知れないし、
読む側にしてもあまりはっきりとは理解できないままに
読んでいる可能性もあり、
そうなると文章の内容自体が謎のままとなってしまいそうだが、
さらに記す側が何か勘違いしながら記していて、
読む側も勘違いしながら読んでいるとすれば、
記す側が間違ったことを伝えようとして、
読む側も間違った解釈をしていることになるだろうか。
たらればの仮定の話なら、
何とでもいくらでもありそうな可能性を想像できそうだが、
実際にそこに何か言葉が記されているとすれば、
それを読む者の勝手な解釈や誤読が可能なのであって、
そうである限りにおいて、
言葉を記した者の力の及ばないところで、
それらの文章は取り扱われることになるのではないか。
また読者にとっては文章の中で語っているのは
作者ではないかも知れないし、
作者としても作者とは別の語り手を
文章の中に登場させるのはよくあるわけで、
その架空の語り手が伝えたいことが、
必ずしも作者の伝えたいことと一致しなくても、
別に文章として辻褄が合わないわけではなく、
作者が文章を通して伝えたいことを
それほどはっきりとは自覚していなくても、
架空の語り手が伝えたいことは
はっきりしている場合もあるだろうし、
現に文章の中で語り手が語っているわけだから、
語っていることが伝えたいことだと捉えておくのが
自然の成り行きとなるだろうし、
それが作者が伝えたいことではないとしても、
そんなに奇異な印象は受けないのではないか。

読者は作者が伝えたいことなど無視しても文章を読めるだろうが、
ただ普通は読んで理解した内容が、
作者が伝えたかったことだと解釈してしまうわけで、
それがはっきりわかろうとわからなくても、
文章の内容と作者を結びつけながら読んでいるだろうし、
それをわざわざ切り離して読むことは、
何か通常では考えられない独特の分析手法を用いない限りは
あり得ないことだろうか。
テレビ司会者やアナウンサーなどが
ニュース原稿などを読み上げる場合は、
それは当人が伝えたいことというよりは、
番組の制作過程で選ばれた内容であるだろうし、
テレビ司会者の意向が優先される番組なら
当人が伝えたいことかも知れないが、
立場的に権限を持っているプロデューサーの意向が
優先されることもあるだろうし、
その辺は内部事情に詳しい人でないとわからないことかも知れないが、
逆に放送内容から伝えたくないことが
読み取れてしまうこともあるだろうし、
どこかから圧力がかかって、
それまで歯に衣着せぬ政府批判を行っていたキャスターや解説者が
急に発言を自粛するようになったり、
番組を降板させられたりするような事態ともなれば、
やはり伝えてほしくないことがあるのが推測されてしまうし、
実際に降板させられてしまった人を気の毒がる風潮もあるだろうが、
そもそもテレビ司会者やニュースの解説者が
政府批判する必要があるのかと言えば、
そういうことをやるのが売りの番組というのも
あり得るのかも知れないが、
一方で逆に政府の立場を擁護して翼賛するような番組も、
別にあっても構わないだろうし、
実際にそういう番組があって人気を博しているのかも知れず、
そんなふうに伝えたいことがはっきりとわかるのが
テレビの特徴かも知れないが、
そうであるにしても
それを本当に伝えたいことだと認識していいのかとなると、
一応はそれで構わないのだろうが、
別にそんなことなど気にかける必要がないといえば、
それもその通りなのかも知れず、
どうも何かそこに伝えたいことがあるかのように見なすのは、
それ自体が一種の虚構なのかも知れず、
小説などに登場する架空の語り手ではないにしても、
少なくとも俳優の演技と同種の効果を醸し出している程度の認識は
持っておいた方がいいのではないか。
そしてそれは政治家などにも当てはまるのかも知れない。
 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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