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彼の声

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彼の声 2017.3.29 「不可避な形骸化」

2017/03/30

たぶん選挙によって議会の議員や行政府の長などを選ぶ方式は
今後とも続いていくだろうが、
選挙で示される民意が何を表しているのかとなると、
それは選挙での争点に対する回答となるだろうし、
では選挙での争点というのは、
何か人々が求めていることに関係があるのかと言えば、
たぶん関係があって、
人々が議会や行政府に求めていることが
選挙での争点となってくるのだろうが、
本当にそうであるなら話は簡単で、
極めてわかりやすい成り行きとなりそうで、
まず何か人々が主張する何らかの要求があって、
それを実現しようとする政治勢力が選挙で勝利すれば、
議会の多数派を占めて政権を奪取し、
人々の要求を実現するための法整備を議会が推進して、
行政府がその法律に基づいて政策を実行すれば、
人々の要求が実現する運びとなるはずなのだろうが、
果たして実際にはどうなっているのだろうか。
人々が何を求めているのかがどうやればわかるのかというと、
それは世論調査によって明らかになり、
何やら報道機関や内閣府が調査して、
定期的にその結果を発表していて、
行政府はそれらの調査結果を分析して
国民が求めていることを割り出して、
それを実現するために必要となる政策を決定し、
必要とあらば議会に法案を提出して、
議会の承認を得ながら政策を実行に移すわけで、
そうであるなら表向きは何の問題もなく、
民主主義的な政治制度が正常に機能していることになるわけだが、
それの何が問題なのだろうか。
例えば沖縄県民の米軍基地に関する要求が実現しているのかと言えば、
現状を見る限り多少は実現している面もありそうだが、
基地の反対派にとってはそうではないだろうし、
また原発反対派の要求も少しは実現している面もありそうだが、
反対派にとってはそうではないだろう。
要するにそれらの反対派と敵対している勢力があって、
行政府はそちらの勢力の要求を尊重しなければならない立場でもあり、
しかもそちらの勢力は
議会の多数派や行政府の内部にも支持基盤を持っていて、
現状では反対派よりも力を持っているから、
反対派の要求は実現しづらい状況となっているだろうか。

そうだとしても形の上では民主主義が実現しているわけだから、
現状への不平不満は選挙の時に
不平不満を聞き入れてくれる政治勢力へ投票することによって、
制度が保証する国民の政治参加が実現するわけで、
それ以上の政治参加を目指すには
自分が選挙に立候補すればいいわけだが、
制度にも地域ごとで一票に格差があったり、
立候補するには多額の供託金を納めなければならなかったり、
不備や不公正な面が多少はあるにしても、
それも一応は今後において改善される可能性はあるのだから、
制度的にはそれなりに充実しているわけだが、
それが実際に運用されている状況を見るなら、
どういうわけか特定の政治勢力が優遇されている事態となっていて、
しかもそういう事態が改まるどころか、
かえってさらに助長されるような情勢の中で、
そういう事態を憂慮する人たちの間で、
今ある政治制度に対する不信感が募っている現状がありそうなのだが、
制度面の改善としては、
地域ごとに生じている一票の格差をできるだけなくしたり、
少数政党でも議席を得やすいような選挙の形態を模索したり、
諸外国ではほとんど実施されていない
多額の供託金を収める制度を廃止したり、
他にも色々と改善できる可能性はあるのだろうが、
そのような公正公平な選挙のあり方を模索すれば、
誰もが納得するような制度が実現するのだろうが、
そうだとしても現状はそういう面とは異なるところで、
何やらおかしくなっているのかも知れず、
そしておかしくなっていても構わないような空気が
世の中に蔓延していると言ったら、
それこそ何の根拠も証拠もない
デマだと思われてしまうかも知れないが、
たぶん本当にそれでも構わないのであって、
制度というのは絶えず
制度を形骸化しようとする目論見にさらされていて、
そのような挑戦によって歪められて
意味をなさなくなる運命にあるのかも知れず、
歴史的に見ても制度が制度としてまともに機能する期間は、
制度が制定された直後だけで、
その後は時が経つにつれて
次第に政治的な権力を握った勢力による
制度の恣意的な運用に歯止めがかからなくなって、
形骸化の一途をたどるわけで、
それを防ぐには制度の定期的な見直しが必要不可欠であり、
実際にそんなことは百も承知で、
折に触れて定期的な制度の見直しも試みられてきたのだろうが、
そうだとしてもやはり現行の制度はだいぶ歪んでいるし形骸していて、
現実に世襲議員や元官僚の議員などの特権階級を生み出しているし、
それは避けられない成り行きなのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
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