文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

全て表示する >

彼の声 2017.3.19 「未来への感性」

2017/03/20

人は生きている限りは絶えず消耗し続けていて、
実際に人体を構成する細胞も、
細胞分裂する度にテロメアが短くなって、
やがてその生のすべてをすり減らして死んでしまうのだろうが、
意識の中では死ぬまでは
何かしら生きる目的があるような気がするだろうし、
過去から現在まで生きてきた過程を振り返って、
何らかの必然的な成り行きを把握したつもりになれるなら、
現状がこうなるより他がありえたかも知れないが、
結果的にこうなってしまったことについて、
その理由や原因も求められるかも知れず、
それに関して現状に満足していたり不満だったりすることが、
何から生じているのかといえば、
生きる目的への達成度に対して、
現状がどれほどの段階にきているかによって、
その満足度が計れるかも知れないし、
そういう方面で生きている実感や充実感とともに、
何やら計画的に人生を歩んでいる気になれるかもしれないが、
その計画というのもその場その時の成り行きや結果から、
場当たり的に導き出された幻想でしかないのかもしれず、
それを信じるに足る結果が出なければ、
すぐに放棄されてしまうようなものなのだろうが、
どう考えてもこうなるより他はないような結果に直面してしまって、
そうなってしまったことに
何らかの必然性を実感せざるをえないとすれば、
それが当初から仕組まれていた計画というよりは、
途中でどのような迂回を経ようと、
結局はそうなる運命に導かれているように思われる場合もありそうで、
そうなると下手に考えても無駄なように思われて、
その場で生じている成り行きに素直に身をまかせていれば、
自然に運命の導きを受けながら、
あり得べき結果へとたどり着けるように思われてしまうだろうか。
それもある種の幻想に過ぎないと言ってしまえば、
その通りでしかないだろうが、
たとえ偶然の成り行きだとしても、
今に至るまでに遭遇した様々な出来事の巡り合わせが、
あまりにも辻褄が合い過ぎているように思われてしまうと、
やはりそれは神の導きのように感じられても不思議ではないだろうか。
実際は数奇な運命に翻弄されているだけでしかないとしても、
それを肯定的に捉えようとすれば、
その先にきっといいことがありそうに思われてしまうのではないか。

そういう意味で将来に期待する気になっているうちは、
たとえ悟性が悲観的な現状認識を抱かせても、
運命による導きの方を信じようとするだろうし、
そんなある種の信仰心が前向きな心理状態を支えていて、
それを糧として困難な現状を乗り越えて
前進させようとしているのだろうが、
前進した先に何が待ち受けているのかまではわからないまま、
ただ漠然とした期待感だけが心の拠り所となっている場合、
そこには根拠のない自信がみなぎっているのかも知れず、
その根拠のないところが逆説的に自由の源泉となっているのであり、
それは社会の慣習や制度といった後ろ盾を欠いた自由であって、
そういった自由を求めている人たちは、
社会の後ろ盾を拠り所して権力を振るおうとする保守勢力とは、
相容れない自由の力を信じているのかもしれないが、
それも根拠がないだけに幻想でしかなく、
他に何の結びつきもなければ、
実際には無力でしかないだろうし、
世の中の多数派を説得できるような
主張も持ち合わせていないだろうが、
やはりそうであるからこそ、
世の中のしがらみを欠いた自由を想像させるのであり、
それが現状の延長上ではあり得ない理想状態を思い描き、
実現不可能な未来社会を夢想するのかもしれず、
場合によってはサイエンスフィクションを志向したりするのだろうし、
それが高じて例えば
将来の火星への移住を真剣に検討するような成り行きが出てくるわけで、
そういうところが荒唐無稽に思われるとしても、
それが実際に金融資本や産業資本と結びついて、
保守的な感覚からすれば無謀とも思われる
宇宙開発に乗り出そうとしている現状もあるだろうし、
単なる大国の国威発揚的な虚栄心をも取り込んで、
SF的な未来を切り開こうとしているのではないか。
たぶん今後そういう蛮勇的な試みが
うまくいくか否かという結果ではなく、
失敗を恐れずに挑戦し続けることが、
自由に対する信念や信仰心を生み出していて、
今ある後ろ盾としての社会的な慣習や制度ではなく、
未来に向かって自らを投機できる自由を信じることが、
自分たちの起源やアイデンティティばかりを求める
後ろ向きな感性とは違う、
未来への期待感だけが心の拠り所の
前向きで自由な感性を生じさせているのかもしれない。 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。