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彼の声

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彼の声 2017.3.13 「存在意義」

2017/03/14

軍備増強が何をもたらすかといえば、
増強した分だけ国防予算が増えて、
その予算を使った分だけ関連する産業が潤うだろうか。
装備は実際の戦闘で消費しなければ、
定期的な軍事演習で消費されて、
古くなった装備も刷新しなければならないから、
それも定期的に買い換えられるだろう。
そういう次元では単純なことかも知れないが、
実際は国と国との勢力争いが事態をこじれさせて、
様々な方面に解決困難な問題を生じさせている。
イエメンを空爆して街を破壊し
多数の死傷者を出しているサウジアラビアの国王が、
莫大な費用をかけて多数の随行員を従えて、
世界行脚の途中で日本にも立ち寄っているらしいが、
国としては北朝鮮がやっているミサイル発射などの行為は非難できるが、
サウジアラビアがやっている行為は非難できないだろう。
同様に中国が南沙諸島に軍事拠点を造った行為は非難できるが、
アメリカが沖縄やグアムに軍事拠点を確保していることは非難できない。
またアメリカがメキシコからの不法移民を食い止めようとして、
国境の壁を建設したいらしいが、
メキシコを侵略して戦争によって奪った、
カリフォルニアやアリゾナやニューメキシコなどの広大な土地を、
メキシコに返すつもりがないのは言うまでもなく、
メキシコ国民してみたら、
19世紀には国土の三分の一もの面積を奪われて、
今さら国境の壁を建設するなんて、
身勝手にもほどがあると思われても不思議ではないだろうか。
そんな歴史的な経緯を考慮すれば、
サウジアラビアが今後空爆だけでなく、
現状ではそうなる可能性は低いだろうが、
何かの拍子にイエメンに向けて本格的な軍事侵攻しても、
果たして国連が非難決議を採択できるか微妙なところだろうし、
場合によったらアメリカが拒否権を行使するかも知れないし、
日本は棄権にまわる可能性が高いのではないか。
そうはならなくても北のシリアではロシアが介入して、
南のイエメンではサウジとアメリカが介入して、
両方とも出口の見えない泥沼の内戦から抜け出せない状況のようだ。

しかし一方でそこに国があることを前提としてなら、
そんなことが言えるだけで、
国家の存在自体にあまり肯定的な根拠がなければ、
是が非でも国家を前提として考える必要もないのかも知れず、
中東で起こっていることは、
未だ部族や宗派間対立の延長上で、
地域一帯の支配部族や支配部族の信仰する宗派が、
そのまま政府を名乗っているだけで、
部族や宗派を超えて国民を形成できないジレンマがあって、
いくら公正な選挙によって議会制度の体裁を取り繕うとしても、
それ以前に部族や宗派の壁があるわけで、
日常の生活習慣に基づいた心の壁を越えるのは困難を伴うのだろうし、
そのような地域では
無理に国民国家を作ろうとするからおかしくなるわけで、
もしかしたら国連に専門機関でも設けて、
国家が根付きにくい地域には、
広域的な行政代行サービスのような
統治のやり方を考えた方が良さそうにも思えるが、
そういう時に必要なのが、
国連軍や独自の治安警察組織や
税の徴収サービスシステムになるだろうし、
そうやってまずは内戦が絶えない地域から、
徐々に国家をなくす試みを行えたら、
世界から戦争をなくすような成り行きに持っていけるだろうか。
要するに国連による委任統治や信託統治などの地域から、
新たに独立国家を作らないで、
そのまま国連が管理する方式を確立すればいいわけだが、
それには行政サービスのあり方を見直す必要も生じてくるだろうし、
そもそも選挙によって住民の代表者を選ぶやり方が
なぜ必要なのかを、
よく考えてみる必要がありそうなのだが、
果たして議会や政府の中で
住民の代表者である政治家は何をやっているのだろうか。
彼らがやっていることが
本当に住民にとって必要なことなのかどうか、
どうもその辺に何か思い違いやずれが潜んでいそうなのだが、
例えば政治家が国家にとってだけ必要であるとすれば、
国家がなければ政治家も不要となってしまうだろうか。
国家にとって必要なことが住民にとっても必要であれば、
住民によって選ばれた政治家にも存在意義が生じるだろうが、
国家や政治家のやっていることが、
住民の生活を脅かしているとすれば、
国家も政治家も住民にとっては
要らない存在でしかなくなってしまうが、
逆に国家や政治家にとって住民は必要不可欠な存在であり、
住民から養分を吸い取る寄生虫のような存在だろうか。
その辺をあまり単純化せずに考えてみなければならなそうだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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