文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

全て表示する >

彼の声 2017.3.6 「想像力の賜物」

2017/03/07

例えば小説などのフィクションの中で語っている話者は、
そこで繰り広げられる物語のすべてを語れるわけではなく、
そのフィクションの世界では話者によって語られないところでも、
話者が語っている話と並行して、
あるいはそれと前後して、
話の本筋に関係していたり、
あるいはあまり関係のないところで、
作者や話者の与り知らない架空の物語が
進行中だと考えられるだろうか。
小説の類いとは違って
話者があまり出現しない映像や漫画などにおいても、
画面から外れたところで別の出来事が起こっていることを、
話の脈絡や背景から推測することはできそうだし、
現実には語られていないし描かれてもいないわけだが、
それらを読んだり観ている人たちが、
そこで語られても描かれてもいない内容を空想しているとすれば、
それもそのフィクションに含まれるだろうか。
そのような空想はそのフィクションによって
もたらされたことは確かだろうから、
フィクションの世界というのは、
フィクションの製作者が思っているよりもはるかに広く、
その読者や鑑賞者の空想まで含めると無限の広がりを持っていて、
ことによるとそれらの空想をはみ出る領域にまで
広がっているかも知れないから、
ある意味でフィクションは
現実の世界と同等の広がりを持っているとも考えられそうだが、
もしかしたら現実の世界の方でも、
人々の想像や妄想や誤解や勘違いの類いまで含めると、
実際に起こっていることだけではなく、
人の想像や妄想までが
現実に起こっている事象に作用を及ぼすわけだから、
それが超能力などのオカルト的な力ではないにしても、
架空の何かが現実の物事に力を及ぼしているようにも思えるわけで、
それは宗教的あるいは思想的な力だとも言えるだろうし、
または迷信的あるいは魔術的な力である場合もありそうだが、
それによって何が動くのかといえば、
超能力のように直接物体が動いたり、
変形したりするのではなく、
人を動かして人の力を利用して物事を動かしたり、
さらに人を働かせて機械を作って、
機械の動力を利用して物事を生産するわけで、
もとは架空の妄想であっても、
そこから何かを動かしたり作り上げる可能性があるわけだ。

そういう意味でフィクションと現実は
人の想像力を介してつながっていて、
現実を変える力も人の想像力とつながっていそうだが、
想像力が現実を変える力に結びつくには、
何が必要だとも言えない面があるのかも知れず、
結果的に人の力が作用して何らかの現実が変われば、
その結果から何が結びついたかわかるかも知れないが、
それは結果からしかわからないことで、
事前にはっきりとはわからないから、
どのような程度で現実を変えようとするにも、
いつも手探り状態であるのかも知れず、
なかなか思い通りには行かないのだろうし、
だから何をやるにも失敗がつきものなのだろうが、
よくありがちな考え方として、
現実を変えるための理論を模索しようとする傾向があるだろうか。
そしてその理論こそが想像力の賜物だとも思えるだろうし、
実際に科学技術の実用化の裏付けとして理論の構築が不可欠だろうし、
しばしば新しい科学的な理論の構築に功績のあった学者などが、
ノーベル賞を受賞したりして話題となり、
実際にそんな理論を応用した科学技術によって、
世界が変わったかのように言われることもあるわけだが、
実際にそうやって現実が変わったとしても、
事前にその理論の登場を予期していた人がいるとも思えないし、
何かの実験や観測において偶然に見つけた現象から、
何らかの理論を閃いてしまう機会が訪れるわけで、
そのほとんどは予想外の結果をもたらして、
思いがけないことが起こるわけだから、
その思いがけない結果こそが現実を変えたことだろうし、
それが想像力の賜物である理論と結びついているとしても、
結果的にそうなったわけで、
現実を変えようとして理論を導き出したのではなく、
実験や観測中に何かのきっかけで、
思いがけず偶然に理論が閃いて、
そこから現実が変わったのだから、
少なくとも事前に思い描いていたようなことではなく、
また思い通りに現実を変えたわけでもないだろうし、
その辺が誤解や勘違いなのかも知れず、
しかもそんな誤解や勘違いによっても人を動かそうとしているわけで、
そこにも現実を変える力があり、
実際に思い通りではないしても、
現実を変えているのではないか。 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。