文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.3.3 「装置の目的」

2017/03/04

行き先がなければ迂回もないだろうし、
どこを目指して進んでいるのでもなければ、
何のために遠回りしていることにもならないのだろうが、
たぶん遠回りしないと価値が生じないのであり、
入手困難な状況に打ち勝って、
やっとの思いで手に入るのようなものが、
価値があるように思われるのではないか。
あるいはそれを手に入れるには莫大な投資を必要としていたり、
多大な犠牲を強いられたり、
多くの人との連携を必要としていたり、
それらすべてがそれを手に入れるまでの
紆余曲折を構成しているとしたら、
そもそも何を手に入れようとしているのかといえば、
それは何らかの希少性を伴った価値そのものだろうか。
手に入れようとしているものがわかれば、
おのずから行き先も決まって、
そこを目指して進んで行けばいいのだろうが、
それがわからないとなると、
やはり何のために遠回りしていることにもならず、
何をやろうとしているかさえ不明になってしまいそうだが、
それでも迂回しているように思われ、
何だかわからないが
延々と続く道を歩んでいるような気がするのなら、
そもそも目指すべき目標を決めないことが、
遠回りの原因となっているのかも知れないし、
それを決められないことが迂回そのものなのではないか。
しかしそんな状況の中で
そもそも誰が何をやっていることになるのか。
実際に誰かが何かをやっているとすれば、
それだけで目標も行き先も決まってしまうだろうか。
何かをやればそれをやった結果を伴い、
その結果こそが結果的に行き着いた先であり、
たとえ目標や行き先が定まっていなくても、
それにも関わらず遠回りしていると感じていても、
何かをやってたどり着いた地点があり、
たぶんその地点の先に
さらにたどり着ける地点があるような気がしているならば、
現にたどり着いているのは途中の地点であって、
その先の地点まで行く必要を感じているのかも知れず、
そしてこれといって達成感を感じられなければ、
いつまで経っても途中でしかなく、
しかも進んでも進んでも一向に先が見えてこなければ、
遠回りしているような疑念も生じてくるだろうか。

無から有は生じないと思われがちだが、
無と有を程度の度合いと考えれば、
無の中にも有があり、
有の中にも無があることにもなり、
無から有へと進むにつれて、
密度が濃くなるような事物の状態を示していて、
価値という概念もそれと同じように考えれば、
例えば人の関心がそこへと集中しているような事物は価値が高く、
関心を持たれないような事物は価値が低いことになりそうだが、
メディア的にはその事物への言及が増えれば、
世間的な関心もそこへと集中することにもなるだろうし、
そんなふうにして事物の価値を高める操作もあるわけで、
そのような操作は迂回とは逆の短絡に結びつくのかも知れず、
事物によってはそのような短絡と相性の良いものもあるだろうし、
世間を騒がすスキャンダルの類いは、
だいたいマスコミが騒ぎ立てることによって火がつくわけで、
もともと火種があったから火がつくのだから、
マスコミが騒ぐ必然性もあるわけだ。
たぶんそのような短絡的な煽動とは無縁の領域で、
延々と迂回が続いているのかも知れず、
執拗に遠回りしながら時間をかけて、
何らかの熟成が起こりつつあるのだろうか。
それは目標も目的もないような事物の変容の過程であり、
表面的には歴史的な進行を思わせる成り行きでもあるのだろうが、
ではそれが何の歴史なのかと問うならば、
どうもそれは人類の歴史だとは言えない面もあるのかも知れず、
人もその中に含まれているのだろうが、
歴史を動かす原動力となっているのは、
人とは別の何かかも知れないし、
人を部品や歯車に使った何らかの装置なのかも知れないが、
人自身は単なる部品や歯車でしかないから、
装置全体を見渡すことができないのであり、
それが何だかわからないし、
その仕組みを理解できないのではないか。
だから装置の目的も目標も知る由もないし、
どこへ向かっているのかもわからないまま、
歯車となってぐるぐる回っているわけだが、
そうだとすればそもそも人には疑念を抱く必要さえないのだろうか。
たぶんその装置が国家だと思っている人たちには疑念など不要で、
ただ国家の部品となっていれば満足なのかも知れない。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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