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彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.2.12 「社会変革」

2017/02/13

何か気晴らしに奇想天外なことを思いつこうとしても、
フィクションを構成すること以外に目的がないような気がするが、
現実の世界を変えたいと欲することが、
奇想天外な思いつきに寄与するとは思えないだろうか。
かつてはフーリエなどの空想社会主義者と呼ばれた人が、
実現不可能な奇想天外な思いつきによって
社会変革を夢想したらしいが、
例えば今から30年前の世界では
スマートフォンは奇想天外な思いつきになるだろうか。
スマートフォンの登場によって何か社会が変わったのだとしても、
それを社会変革とは言わないだろうし、
社会変革という言葉から連想する社会の変化と、
スマートフォンによって変わったと思われる社会の変化は、
だいぶ違うようにも思われるのだが、
夢想家が思い描く社会変革と、
何らかの革命によって実際に成し遂げられる社会変革も、
だいぶ趣が異なるだろうし、
誰かが思い描く社会変革は、
そのほとんどは実現しない夢想に終わる宿命なのかも知れず、
その誰かが生きている時代に特有の理屈や道理に基づいて、
合理的な理想を実現するために社会変革を目指すにしても、
目指している過程でその理屈や道理が変質してしまい、
いったん変質してしまった理屈や道理では、
もはや夢想している理想の社会を実現できなくなるような事態が
待ち受けているのではないか。
その具体例が社会主義的あるいは軍国主義的な独裁体制だろうし、
革命やクーデターなどによって政治的な全権を掌握して、
理想の社会を打ち立てようとすると、
必ず強権的な独裁体制になって、
政敵を粛清したり抵抗する民衆を弾圧する結果を招きそうなのだが、
現状で成り立っている社会的な制度や慣習は、
すでにそれに依存して社会自体が構成されているから、
人も物も情報もそれらの制度や慣習に従って動いているところを、
いきなり変えようとすれば、
強権的な手法で強引に変えざるを得ず、
そうなると自然と独裁的な政治権力が必要になってしまうわけで、
結局そういう手法では
今まで成り立っていた社会全体が破壊されてしまい、
うまくいかなくなるのは目に見えているわけだが、
その辺が思考によって導き出された合理的な理屈や道理と、
実際に成り立っている
理屈に合わず道理に反した制度や慣習との違いでもあり、
単にそれを非難したり強引に変えようとしても、
実際にそれらが成り立っている前提条件がある限りは
どうにもならないのだろう。

だがそうだからと言って、
理屈に合わない制度や、
道理に反した慣習を守ろうとするのは、
現状維持的な保守主義にしかならないわけだが、
そうした制度や慣習が廃れたり行き詰ってくると、
自然に社会が変わらざるを得なくなるわけで、
実際に過去と現在とでは、
社会を支えている制度や慣習もだいぶ異なっているわけで、
もちろんすべてが変わったわけではなく、
比較的長期間にわたって維持されているものも、
あるいは短期間で目まぐるしく変わるものもあるのだろうが、
そんな中でも急激に社会全体が変わるような
節目となる時期もあるわけで、
そういう期間に登場するのが、
政治的な独裁体制なのかも知れず、
何かしら社会が行き詰ってくると、
このままでは先行きが危ないという危機感が社会全体に行き渡って、
そういう危機的な空気に乗じて
社会変革を目指す政治勢力が台頭してきて、
それが民衆の熱狂的な支持を集めると、
状況によっては革命やクーデターの機運が高まって、
いったんそれが勃発したら、
民衆の期待通りに成功したり、
あるいは成り行きによっては失敗に終わったりもするのだろうが、
そのような時期においては、
現状維持を目指す側も変わらざるを得ないのかも知れず、
仮に革命やクーデターが失敗に終わっても、
それへの対策によって、
体制側の政権内部でも何らかの変質を被るわけで、
例えば日本では二・二六事件で
陸軍の青年将校によるクーデターは失敗に終わったが、
それをきっかけとして
軍部が主導する軍国主義的な独裁体制が成立したわけで、
そこから中国やアメリカとの戦争を経て、
結果的には社会が大幅な変更を被り、
以前よりは民主的な政治制度にもなり、
社会変革が成功したことになるのだろうが、
そこからさらに70年が経過して、
以前とは違う成り行きだが、
また何らかの社会的な行き詰まりが生じている可能性もあり、
それが民衆の危機意識として社会全体に行き渡っているかどうかは、
現時点では何とも言えないところだが、
たぶん二・二六事件の当時も、
それほど危機感を抱いているような実感はなかったのかも知れず、
当時の人たちの多くは、
まさかそこからアメリカとの戦争に行き着くとは
思ってもいなかったろうし、
実際にアメリカ占領下で社会変革が行われて、
戦前よりは民主的な政治制度になるなんて
思いもしなかったのだろうが、
この先も社会的な行き詰まりを背景として、
何らかの社会変革が行われるとすれば、
今生きている多くの人々が思いもしないような変革となるかも知れない。
 

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創刊日:2001-03-26  
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