文学

彼の声

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彼の声 2017.2.4 「政府と国家の混同」

2017/02/05

今の時代において民衆が戦っている相手は、
政府でも企業でもマスメディアでもなく、
民衆を作り出している社会そのものだろうか。
それが社会であるならば、
戦っているというよりは、
民衆は社会に含まれていて、
社会の構成員として何らかの役割を担っていて、
その中ではもはや民衆というひとかたまりの集団ですらなく、
そこには様々な事情と経緯を持った個人が存在しているだけだろうか。
言説の対象としては民衆という言葉があるが、
何かそこに一定の役割や性質を付与できるかとなると、
どうも疑わしく思えてくるわけで、
政府にしても企業にしても、
管理しようとしているのは民衆という大雑把な単位ではなく、
個人に狙いを定めて管理の対象としているのだろうし、
はっきりと特定できる個人こそが、
利用可能な資源として有効活用されているのではないか。
だから胡散臭いジャーナリストや活動家がいくら民衆の味方を装っても、
そこにはもう誰もいないのかも知れず、
政府や企業の方は民衆を介さずに
特定の個人と直接関係を持とうとしていて、
それが民衆との戦いを回避しながら解消するための
有効な対策となっているのかも知れず、
民衆という何か一定の力を持っているように思われた存在そのものを
無効化しようとしているのではないか。

そんなふうに民衆を無効化するのと引き換えにして、
政府や企業が個人に対して具体的に何をやるのかといえば、
個人の様々な特徴をデータベース化して、
きめ細かい顧客管理といった類いになるだろうが、
そうなると戦いではなく単なる情報サービスであって、
そこから個人に必要な物や情報を提供したり、
反対に個人から徴収したり、
個人と何らかの契約を交わしたり、
そんな関係になるしかないのだろうが、
他に何かやることがあるのだろうか。
究極的にはそんなことでしかないのだろうが、
そこに至るまでの成り行きがあるわけで、
今の時代はまだ途中の試行錯誤や紆余曲折を伴った模索の段階で、
その長い道のりの途中がどうなっているのかはわからないが、
戦っているつもりの人もまだ大勢いるようで、
メディアを介して盛んにシステムの拙劣な部分に関して
文句を言っているのだろうし、
その文句が的を射ているかどうかはあえて言う必要はないが、
たぶんこの先どうなるかなんてわからないし、
個人をいくら管理したところで、
それはただの管理システムになるだけで、
何かそこに目的を見出そうとしても、
それは管理すること自体が目的であり、
それ以外は幻想に過ぎないだろうが、
幻想がないと魅力が生まれないだろうから、
人心を惹きつける幻想が必要とされているのかも知れない。

一般的に言って人が個人である以外には、
組織的な集団を形成していることは言うまでもなく、
政府や企業もそんな集団でしかなく、
集団としての目的はその集団を維持することであり、
集団を維持するために、
集団を組織する構成員は活動しているわけで、
それらの構成員が何と戦っているのかといえば、
他の組織の構成員と戦っていたり、
稀に一匹狼で組織に挑んでくる個人と戦うこともあるかも知れないが、
そのような戦いが何なのかといえば、
単なる勢力争いの類いなのかもしれず、
ではそんな集団の顧客として
何らかのサービスの提供を受けている個人が、
その手の勢力争いに加担すべきかと問うなら、
もしかしたら無関係であっても構わないようにも思われるのだが、
それに関して果たして国民は政府という組織の構成員かとなると、
たぶん政府の構成員は公務員であり、
必ずしも国民とは重ならず、
そこが政府と国家との違いであって、
結構混同されがちなところでもあるのではないか。
そしてわざと誤解を誘うように述べるならば、
国家を守るのは政府であり、
政府の構成員である公務員の仕事であって、
国民の義務ではないと主張したら、
それは間違いだという人が大勢いるかもしれないが、
現実には政府と国家とは別にあるわけで、
政府とは公務員で組織された集団であって、
公務員ではない人たちが政府に従う必要がないということを、
行政サービスを受けている個人は認識しておくべきかもしれない。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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