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彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.2.3 「道理の矛盾」

2017/02/04

当たり前のことを予想するなら、
たぶん資本主義経済はこの先も延々と続いて行くだろうし、
少なくとも今この時代にこの世界で生きている人は、
そんな前提で物事に関係していて、
そういう前提で世の中が成り立っていて、
そういう前提に依存しながら、
政治的な行為も経済的な行為も続いているわけで、
それがこの時代の世界の道理を形成していて、
政治的な行為も経済的な行為も、
そんな道理に基づいて行われているはずであり、
政治も経済も道理から外れたことは行われていないはずで、
たとえアメリカの大統領が
各方面から非難を浴びるようなことをやっているとしても、
当人は道理に適ったことをやっているつもりなのだろう。
しかもアメリカの大統領と対立する意見の持ち主であっても、
道理に基づいて非難を浴びせているのであり、
どちらにしても別に道理から外れたことをやっているわけでも
やろうとしているわけでもない。
つまり道理そのものが両義的であり、
相対立する複数のやり方を可能としているのではないか。
もちろんそんな道理では困るわけで、
道理に適った一つのやり方しかなければ、
何の問題もないわけだが、
それでは今あるような世の中は成り立たないわけで、
この世界で様々な対立が現にあるわけだから、
対立している誰もが、
道理に適った正しいことを行っているつもりならば、
道理に適うような正しい行為が複数あり、
しかもそれらの行為が対立をもたらしているということであって、
誰も間違ったことはやっていないのに、
そこで対立が生じていることになるのではないか。

簡単に言うなら、
自国の産業を保護するには保護貿易と自由貿易とがあり、
世界で自国の産業が不利なら、
輸入関税を高くして保護貿易にすれば良く、
反対に世界で自国の産業が有利なら、
他国の関税を下げさせて自由貿易にすれば良いわけで、
正確には自国の産業で不利な分野は関税を高くして、
有利な分野は他国の関税を下げさせれば良く、
他国がそうやっているのに自国がやらないのは不公平であり、
アメリカの大統領がそれを行おうとしているなら、
それは道理に適った行為であり、
当人からすれば当たり前のことをやろうとしているのに、
非難される筋合いはないと思っているのかも知れず、
これまでは国力が他国より圧倒的に勝っていたから、
同盟国を繁栄させるために手加減してきたが、
現状ではその余裕がなくなってきた
と認識しているのかも知れないし、
そうではなくても戦略的に
自国の利益を最優先させる必要を感じているのかも知れないが、
当人が自分の信念に照らして
間違ったことをやろうとは思わないのは当然だとしても、
それを批判する側も批判が間違っているとは思えないだろうし、
そうなるとどちらが権力を行使できるかが問題となっているだけで、
そういう水準で権力争いが生じているのではないか。
またテロ支援国と見なした国からの入国を拒否する大統領令を出して
物議を醸しているが、
これも自国内でのテロを未然に防ぐため
という筋の通った道理に基づいているわけで、
これもテロリストでない人まで入国できなくなる、
という別の道理と対立してしまうが、
どちらの道理を優先させるかで意見が分かれるだろうし、
確かに今までの慣例を破っていて、
無理なごり押しばかりやろうとしている印象はあるだろうが、
やはり当人にしてみれば、
それなりに理屈があって、
少なくともそれが屁理屈だとは思っていないし、
それをやれるかやれないかは、
権力闘争の結果でしかないのだろう。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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