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彼の声 2017.1.8 「先入観」

発行日:1/9

見えているものと考えていることが違うにしても、
見えているものについて考えているのなら、
思考している意識が見えているものに関係していることになるだろうか。
そうであるとしても
考えていることを表現する時には言葉を用いるわけで、
見えているものとそれを表現する言葉が
関係しているようにも思えるわけだが、
言葉を用いて見えているものを表現することと、
見えていものについて考えることはまた別の動作であり、
考えながらそれを言葉を用いて表現しようとしているわけだから、
それらの間には関係があることは確かで、
対象を見てそれを言葉で表しながら考えている関係を
一連の動作と捉えれば、
そのような動作の結果として
見えている対象についての言説が構成されることが理解できるだろうか。
そうだとしても見えているつもりのものが、
果たして見えている通りのものなのか、
見えていものと実際にそこに存在しているものが、
同じものであるとは限らないとしたら、
それについていくら考えても誤解となってしまう可能性もありそうで、
なぜそれが現実の事物とは違って見えてしまうのかと言えば、
そこで先入観としての社会的な偏見が介在している場合もあるだろうし、
またものをある方向からしか見ようとしないような習慣が、
学校教育などを通じて身についてしまっている可能性までありそうで、
そのような癖がいったんついて定着してしまったのを
改めるのは困難だろうし、
世の中がそのような習慣を受け入れているなら、
その社会に暮らしている人は
生涯そのままであることもあり得るだろうから、
そんな社会の中では現実の事物自体が、
常に人々の偏見や先入観を伴って見えている
と捉えておくのが妥当なのではないか。
そしてすでにそんなふうに見えていること自体が、
偏見や先入観から形成された思考の持ち主にとっては
当たり前のことなのであり、
そのこと自体が考える以前の前提としてあるわけで、
そんな偏見と先入観が塗り込まれた土台の上で
物事を考えているわけだから、
その人は偏見と先入観を受け入れている社会に
つなぎ止められていることにもなり、
そんな社会が形成する集団意志に
支配されているとも言えるのかも知れず、
もしその偏見や先入観の中身が
他の社会の住人にとって受け入れ難いものなら、
その社会は悲惨な状況にあると言えるだろうか。

それがこの世界のあらゆる社会の中でも受け入れ可能なものなら、
そのような偏見や先入観は普遍性を帯びて、
もはやその時代の中では偏見や先入観とは意識されないのだろうが、
かつて地球を宇宙の中心とする天動説が信じられていたり、
さらに時代をさかのぼれば
地表が平面であるように思われたりしたように、
別の時代ではそれが
偏見や先入観に基づいた誤解であることがわかる場合もあるわけで、
それが偏見や先入観だとは気づかなくても、
何か世の中で恒常的に争いが起こっていたり、
いわれのない理由から虐げられている個人や集団があるようなら、
そこに偏見や先入観が介在していることが十分に考えられ、
逆に特定の個人や集団が理不尽に優遇されているような場合でも
同じようなことが言えるかも知れず、
さらに一見もっともらしい理由で
同様なことが行われているようなら、
より一層悪質で根が深いようにも思われ、
善意から身体障害者を安楽死させるような行為も、
地域と時代によってはあったわけだから、
例えば犬や猫を殺処分するような行為も、
未来のある時期から過去を振り返れば、
極悪非道な行いとして非難されている可能性もなきにしもあらずで、
またイルカやクジラの肉を食べることが非難されていることの延長で、
未来においては家畜の肉を食べる行為も、
食肉用に家畜を飼う行為ですらも
禁止されるような時代がやって来るなんて、
現状では考えられないが、
どのような経緯や成り行きで
新たな偏見や先入観が生まれるとも限らず、
現状で何の変哲もなく見えている光景が、
物凄く歪んだ偏見や先入観によって
ねじ曲げられているとは思えないが、
一見気づきにくいような些細な違和感が、
この時代のこの地域特有の偏見や先入観から
生じている可能性もあるかも知れず、
また些細に思われるようなことが
意外と本質的な問題へとつながっている可能性までありそうで、
そういう面で当たり前のように思われることを
まずは疑ってみるべきで、
そんなところから停滞した現状を打破する突破口が開けるなら、
疑ってみた甲斐もあるかも知れないが、
そのなことを発見できるのは万が一の確率にしか思えないようなら、
無駄に思考を巡らすのはあきらめて、
素直に世の中の偏見や先入観にまみれた集団意志に屈しているのが
無難な態度だろうか。 

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