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彼の声 2017.1.4 「幸運な巡り合わせ」

発行日:1/5

この世界で当たり前のことが当たり前のように行われているだけなら、
別にそれを気にとめることもないだろうが、
何が当たり前のように思えるのかと言えば、
少なくともそれが不自然には思われないようなことだろうし、
では何が不自然に思われるのかと言えば、
まず思いつくのは見慣れない行為は不自然に思われるかも知れず、
逆に見慣れた世界で見慣れたことが行われていれば、
やはり誰も気にも留めないだろうし、
誰も気にも留めないようなことは印象に残らず、
世の中がそんなことばかりだったら、
たぶんニュースなどなくなってしまうだろうし、
何に対しても誰も騒がず、
まったく驚かないような無感動な世界となるかも知れないが、
当たり前のことだが現実はそうではないわけで、
普通に考えれば
奇異で不可解で不自然で不条理なことが起こっているから、
それらがニュースになるのだろうし、
そう考えると当たり前のことが当たり前のように行われているだけでは、
かえって不自然であり、
当たり前のことと当たり前ではないことが、
適度に混ぜ合わさった世界の方が、
誰にとっても自然に感じられる世界であり、
ある程度は見慣れないことや不自然に思われることがないと、
それが自然には思われないのだから、
人の感覚や認識には不合理で矛盾に満ちた面があるのだろうが、
一方で理性と呼ばれる思考作用が何を目指しているのかと言えば、
それは当たり前のことが当たり前のように行われる世界だろうし、
そのやって当たり前のことというのが正しいことであるなら、
ニュースになるような奇異で不可解で不自然で不条理なことは、
理性にとってはどちらかと言えば間違ったことの部類に入りそうで、
そんなふうに正しいか間違っているかの判断区分を、
現実の世界に当てはめてしまうと、
理性にとっては間違いだらけの世界となってしまいそうだが、
普通の感覚からすれば、
何が普通なのかの基準がいい加減なのだが、
間違いだらけの世界の方が当たり前の世界であり、
逆に理性に基づいた正しい世界は、
何か奇異で不可解で不自然で不条理な世界にも感じられてしまうなら、
やはり人の感覚や認識には
不合理で矛盾に満ちた面があるように思われてくるわけだ。

それで結局何が言いたいのかと言えば、
結論らしき断言には至らなそうで、
何も言えずに終わってしまいそうだが、
少なくとも人はその場その時の事情に合わせて、
ある時には理性的に正しいことを求めたり、
またある時にはその正しさを奇異に感じたり、
さらに理性的な正しさをうまくかわしながら利益を得たり、
自らの感覚や認識の不合理で矛盾に満ちた面を、
その場その時の都合に合わせて、
いいように利用しようとするわけで、
他人がそんなことをやれば批判するのに、
その他人の隙を突いてちゃっかり自身のためには使い、
それで何とか事なきを得たら、
上手く立ち回ったことに関しては、
それを正当化するしかないわけだから、
そういう面でのやり方や価値観は固定されておらず、
その場その時の都合に合わせて、
利用できるものは何でも使うという姿勢が、
普通に当たり前のやり方であり、
それに対する批判の類いにも、
絶対的な正しさを担わせることなどできないのはもちろんのこと、
批判内容の首尾一貫性でさえ期待薄な場合もあるだろうし、
たまに他人の言動や行為の矛盾を突いて、
それを批判してつかの間の勝利を収めることはあるにしても、
批判している自分の立場が常に変動し続けているのだから、
明日は我が身となる可能性などいくらでもあるわけで、
それを馬鹿な野次馬の類いにブーメランだ何だと嘲笑されようと、
それがどうしたわけでもないだろうし、
そんなふうに調子に乗って嘲笑している輩でさえ、
指摘されるまでもなく自分たちのご都合主義的な矛盾点については、
その自覚があろうとなかろうとしらばっくれるしかないのだから、
大同小異でしかないわけで、
そういう水準でいくらせこい処世術を競い合っても、
不毛な応酬が繰り返されるだけかも知れないが、
では何をどうすればいいのかと言えば、
やり続けられる限りはそれをやり続けていればいいのかも知れず、
回避できない状況の中で互い身をすり減らしながら、
ひたすら消耗戦を繰り広げていればそれで構わないのかも知れない。
たぶんそのような面ではそうであっても、
別の面ではまた別の対応を迫られる機会も出てくるのかも知れず、
そんな機会の到来に期待するしかなく、
実際に到来するのであり、
到来した事例もありそうなのだが、
それはその場その時での巡り合わせなのだろうか。 

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