文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2015.11.29 「新製品」

2015/11/30

世の中では様々な方面で
現状を改善しようとする動きがあるのは確かだろうが、
何をどう改善しようとしているのかを知る機会はあまりなさそうだ。
スマートフォンだと
操作するボタンの類いが画面の中の画像になったぐらいで、
しかも全てではなく、
電源スイッチやホームボタンなど、
幾つかは相変わらず画面の外につけざるをえないのだろうし、
ボタンやスイッチを完全になくすには至っておらず、
昔の携帯と比べて何かが改善されたというより、
使い方が変わってきたのであり、
パソコンと携帯の融合ぐらいに捉えておいた方がいいのかもしれない。
そして画面があまりにも小さければ見づらいから、
ある程度以上には小型にするわけにはいかないだろうし、
より小さな画面のスマートウォッチともなれば、
複雑な操作には向かないだろうから、
用途もそれだけ限られてくるだろうし、
画面を目で見て指で操作する端末の類いは、
これ以上は便利にはならそうにも思えるが、
まだ何か工夫の余地があるのだろうか。
たぶん便利になるというより、
新たな機能が増えていく一方で、
使われなくなる機能も出てくるだろうし、
世の中の変化に合わせて用途も変わり、
また新たな用途を付け加えることで、
世の中もそれに合わせて変わってくるのかもしれないが、
現状でもスマホが流行っていること自体が、
世の中が昔とは変わったことの証しと言えるだろうか。
もちろんその程度の変化など、
何も本質的な変化ではないのだろうが、
では本質的な変化とは何なのかといえば、
それは変わってみなければわからないことかもしれず、
人々が何かの便利さを実感する程度の変化は、
少なくともそれではないような気がするのだが、
それ以前にその時代の中で生きている人には、
たとえ同時代的に本質的な変化が起こっていても、
それに気づくことはないのかもしれない。
そしてそれに気づく気づかないとは別に、
世界的にここ二百年あまり続いている大衆市民社会の中では、
本質的な変化など起こりようがないのかもしれず、
そこではただ流行り廃りがあるだけで、
人が働いて得た金を使って商品を買い、
それを消費する循環の中で、
働き方や金の使い方や商品の買い方に流行り廃りがあり、
もちろん商品の形態や種類にも流行り廃りがあるから、
それに合わせて消費の仕方にも流行り廃りがあるだろうし、
新しい働き方や金の使い方や商品の買い方などが出てくれば、
何か世の中が変わったように思われるのかもしれず、
もちろん商品の新製品が発売されて、
それに以前とは違う目新しい機能がつけば、
その機能を使うことでこれまでとは違った感覚を得るに至り、
そのような商品の流行によっても、
世の中の変化を実感できるかもしれないが、
それでも人間が労働し商品を売買して、
それを消費するサイクルそのものは変わらないわけで、
それが変わらない限りは、
世の中に本質的な変化など起こらないのではないか。
そういう意味では、
科学技術の発達によって
文明が進歩したように思えることは確かだが、
その文明の中で人がやっていることは、
昔とあまり変わっていないわけで、
やっていることが変わらなければ意識も変わらず、
人の寿命は昔より多少は伸びたかもしれないが、
人のメンタリティは相変わらず同じかもしれず、
同じような人たちが
そこで生まれては死んでいる現状があるのかもしれない。

そしてそのような人の動作から生じる問題も昔から変わっておらず、
人や企業などの経済活動が、
富の集中と格差をもたらし、
それを政治的になんとかしようとして、
様々な試みが試されては上手くいかずに消えてゆき、
中には上手くいっているように見せかけようとして、
これも様々なごまかしが試されているのかもしれず、
今現在も政治家や官僚などが
そんなことをやっている最中かもしれないが、
そのような手法にもやはり流行り廃りがあって、
社会主義や新自由主義からレーガノミックスやアベノミクスまで、
様々に形容される手法があるのかないのかわからないが、
その実態は何をやっているのかはっきりしないのかもしれず、
それは新商品と同じような効果を狙っていて、
目先の新しさを宣伝することで、
人々に何かこれまでとは違ったことをやっているように見せかけて、
飽きさせないようにしているに過ぎず、
何を飽きさせないようにしているのかといえば、
それは昔から相も変わらずの動作であり、
労働と物や情報の売り買いと消費にまつわる一連の動作で、
それによって生じる富の集中と貧富の格差を
緩和したり是正したりするのが、
建前としての政治の役目なのかもしれないが、
それを完全に取り除くような試みは行われず、
取り除いたら社会が崩壊するからできないのかもしれず、
それができないことに人々が気づいてしまったらまずいのであり、
そこから実態として政治がやらなければならないことも生じていて、
要するにそれは人々の動作によって生じる社会の矛盾を
気づかせないようにすることかもしれず、
気づいたとしても矛盾を社会から取り除けないのだから、
その代わりにやれることはとなると、
人々に幻想を抱かせることしかなく、
それは努力して一生懸命働けば、
その努力が報われて幸せになれる、
といった類いになるだろうか。
もちろん実態としては誰もがそうなれるわけではなく、
なんらかの競争に勝ち抜いてそうなった一部の人を讃えるわけで、
他の人たちも自分たちのやっている仕事に一心不乱に取り組めば、
それに成功して讃えられ、
富や名誉を手にすることができると宣伝するわけで、
その仕事に一心不乱に取り組んでいるうちは、
誰もが成功への夢を抱いていられるわけで、
そうやって誰もが活躍していられる社会になればいいわけだが、
実態として仕事にも様々な種類があって、
その職種によっては活躍しているようには感じられない仕事もあり、
そのような仕事に従事している人たちに
幻想を抱かせるのは無理かもしれないが、
とりあえずの世の中の多数派を構成している人たちに
幻想を抱いてもらいたくて、
行政を司る政治家や官僚などが、
あれこれと思案して出てきたのが、
一億総活躍社会の実現とかいうキャッチフレーズなのだろうが、
それによって何を売り込もうとしているのかといえば、
流行り廃りの延長上にある目先の新しさかもしれず、
それによって人々が幻想を抱けるかどうかはよくわからないが、
そんなふざけた文句に騙されるはずがないと思っている人も多そうだし、
流行らせようとしても流行らないかもしれず、
そうなるとごまかしにさえならないだろうが、
それでもそれに関わっている人たちにとっては、
国民のために何かをやっていることになるのだろう。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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