文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2015.11.21 「社会関係」

2015/11/22

昔がどれほど昔なのか明確には言えないところだが、
昔と比較して何かが変わっているようで、
何も変わっていない現状なのだろうか。
人々の意識に取り立てて変化がないのは、
今に始まったことではなく、
世の中の仕組みや制度が昔から変わっていないと、
その世の中で暮らしている人々の意識も、
昔とあまり変わらずにいられるのかもしれない。
インターネットが流行りだしてかれこれ20年が経つが、
それがなかった頃と比較して何が変わったのだろうか。
何かが便利になって、
また何かの手順や仕組みが複雑怪奇となったのは、
実感として感じるところかもしれず、
そういう面では確かにそうなのだろうが、
それらを活用しつつも、
そこに存在している人たちの意識といえば、
昔ながらの政治的なイデオロギーにとらわれていて、
全く進歩がないどころか、
かえって昔よりひどくなっている感も無きにしも非ずで、
昨今の偏狭な排外主義やヘイトスピーチ的な言動の氾濫などを見れば、
悪貨が良貨を駆逐するような成り行きが
進行中のようにも感じられるわけだが、
実際に何を良貨とみなしたらいいのかもよくわからず、
例えばリベラルな政治思想の持ち主が果たしてまともなのかといえば、
どうもそれも違うように思われてしまい、
インターネットの普及や経済のグローバル化が進行して、
世界が一つになりつつある過程で、
国家を基盤とした昔ながらの政治的な価値観では、
何が良くて何が悪いのか判断ができなくなってきたのかもしれないが、
それでも人々は
昔ながらの政治的なイデオロギーにしがみつこうとするから、
そこで何かが食い違っていて、
状況の変化に意識がついて行けなくなっているのだろうか。
あるいはそうではなく、
政治的な制度も物や情報を売ったり買ったりする経済の仕組みも、
本質的なところではそれほど変化しておらず、
それに伴ってそこで暮らす人々の意識も、
それほど変わっていないのかもしれないが、
ただ昔よりは様々な面で進歩しているような実感があって、
科学技術的な面では確かにそうなのかもしれないが、
そのような進歩に対する実感が、
相変わらずの政治経済的な仕組みや制度や状況との間に
齟齬を感じさせていて、
そんな現状に多くの人たちが失望しているのだろうか。
もはやそれらに期待できないのに、
やっているのは相変わらずのことばかりで、
しかもそのような仕組みや制度を変える手立てがなく、
延々と悪あがきのごとくに
同じような人たちが同じようなことを主張しながら、
同じようなことをやり続けている現状があり、
一向にそれらの人たちがそこから退場する気配もなく、
その社会や政治やメディア上で特定の地位や立場を占めていて、
そのような状況に失望している人たちでさえ、
それは当然のことだとみなしていて、
大前提として現行の制度や仕組みの中で、
自分たちの願望を叶えてくれる政治家や政党が
出現して欲しいと思っているのではないか。
それは無い物ねだりだろうか。
そもそも人々は何がどうなって欲しいと思っているのか。
現政権に対して何らかの反対運動などをしている人たちは、
反対している個々の政策が
くつがえって欲しいということかもしれないが、
果たしてくつがえるような成り行きとなるだろうか。

実際にそれらの政策が効果を上げたり上げなかったり、
あるいは反対運動によって阻止されたりされなかったりして、
そういう方面ではそれなりに変化が起こり、
それに関わっている人たちが結果に一喜一憂するのだろうし、
何かが起こりうる可能性とはそういったことなのだろう。
それに関しては相変わらずそうなるしかないわけで、
それに関わっている人たちも、
そのような範囲内で活動しているわけだし、
それはそれでそうなる成り行きでしかなく、
人々の期待や願望もそういうところで
叶ったり叶わなかったりするわけだ。
それの何がおかしいわけでも悪いわけでもない。
人の力ではそれ以外にはどうすることもできず、
それ以外で何ができるわけでもなく、
世の中はそういう方面ではそうなるしかなく、
それ以外の何を期待できるわけでもないだろう。
そしてこれからもそんなことが延々と繰り返されていくわけで、
そのような状況にうんざりしている人たちも、
世の中がそういう方面でしか変わらないことに
失望しているのだろうが、
では他にどのような可能性が考えられるだろうか。
そのような傾向は今後とも続き、
そのような方面では何も変わらず、
延々と同じようなことの繰り返しとなり、
何の進歩も発展もないのかもしれない。
人々が求めているのが、
そのような制度や仕組みの維持と継続であるのだろうから、
そうである限りはそうなるしかない。
たぶんそのような同じことの繰り返しが、
そのような方向での変化を断念させることになり、
自然と別の方面での変化を促すのかもしれず、
例えばそのような変化によって、
従来の制度や仕組みとは異なる何かが出現するのかもしれず、
インターネットの普及によって、
SNSなどのネットメディアが出現したように、
国家を基盤とした昔ながらの政治経済の仕組みや制度は、
そのまま残るとしても、
またそれとは別の何らかのコミュニティを基盤とした、
別の政治経済の仕組みや制度が出現する可能性もあるのではないか。
現状でも国家と重なる部分があるにしても、
宗教や民族などのコミュニティもあるし、
国とは別に地域限定の独自性を打ち出す地方もあるだろうし、
アルカイダなどの国際的なテロ組織もあるし、
アノニマスというハッカー集団もあるし、
イルミナティやフリーメイスンなどの
陰謀論で有名な秘密結社などもあり、
企業もNGOも家族も一族もSNS内の私的なコミュニティなども、
広い意味でそういった類いに含まれるのではないか。
また集団に与せずに単独で生きている個人もいるわけだから、
たとえ国家の制度や仕組みが形骸化しても、
人々が生きられないわけではなく、
国家が国民に課す法や秩序だけで
社会が成り立っているわけでもなく、
人がそこに属する社会的な関係は様々にあり、
その中でも様々な力や作用が働いているわけだから、
その中の一つが国家を基盤とする政治経済の制度や仕組みであり、
しかもそれはそれだけで成り立っているわけではなく、
他の様々な社会的な関係と相互に影響を及ぼしあいながら、
全体として人間の社会を形成しているわけだ。
それを考えれば、
ことさらに国家に関係する政治経済的な状況を
悲観的かつ深刻に受け止める必要はなく、
万が一それが駄目になったとしても、
他の関係の中で助け合えば、
なんとかなるぐらいに思っておいた方がいいのかもしれない。

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創刊日:2001-03-26  
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