文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2015.11.9 「ご都合主義」

2015/11/10

わからないことをわかろうとするのは、
人として自然な動作だろう。
とりあえず現状を理解したいのだろうか。
直接そう思うこともあるかもしれないが、
そのほとんどは無意識のうちに現状を把握しようとしているのであり、
把握した上でそれに対処しようとするのだろうし、
何かを画策して自らに有利な状況を作りたい。
その画策がうまくいけば、
何らかの社会的な成功を手にする場合もあるだろう。
人が目論むのはそんな類いだろうか。
その画策がその人がおかれた状況に応じて様々な種類があり、
人や組織が社会の中で様々に策を弄して、
自身や自身が所属する組織に
有利に事が運ぶようにしようとするわけだ。
そんな行為が権力関係のゲームにも手法として用いられ、
人や組織が対立したり連携したりする現象となって、
それらの進行状況や紆余曲折が
時にはメディアを通じて面白おかしく語られて、
人々の興味を引きつけるわけだが、
それが何を意味するかは、
ゲームに参加している当事者たちにとっては、
ゲームの中で有利に事を運んで
最終的に勝利することに意味があるわけで、
ゲームを見ている人たちにとっては、
見て楽しめればそれに越したことはなく、
贔屓にしている人や組織が勝てばなお嬉しいのかもしれない。
そのゲームの延長上に戦争などもあり、
ゲーム感覚で人を殺傷しながら勝利を目指しているのかもしれないが、
それのどこまでが人道的に許させる行為なのかは、
はっきりとした基準などありはしないのだろうし、
戦争そのものが非人道的な行為だといえば誰もが納得するだろうが、
実際にやっている人たちは命がけでやっているわけだから、
そんなところまで気が回る余裕はないのだろう。
そして戦争に至る過程で社会に様々な不都合や不合理が山積していて、
そうした社会問題が解決不可能なことが、
人や国家を戦争へと駆り立てるのだろうから、
戦争によって社会そのものを破壊して、
山積した問題を帳消しにしようとするわけで、
貧富の格差や経済的な行き詰まりや、
政治や宗教や民族の対立などの問題を解決できなければ、
何かのきっかけで戦争が起こることも十分あり得るのかもしれず、
これまでもそうしたことから戦争が起こってきたわけだが、
一方で戦争ができないような状況も徐々に現れてきているわけで、
それが国家間の経済的な結びつきであって、
国と国とが政治的に対立しているとしても、
双方の経済が相互に浸透し合っていて、
武力衝突したら双方の経済が壊滅的な打撃を被るから、
共倒れにならないためにも
双方ともに全面戦争は避けなければならず、
そのためにも対立があろうとなかろうと、
双方の首脳同士が定期的に会って、
対立の解消に向けた話し合いの機会を持つようになり、
だんだん戦争そのものをやりにくくなっていることは確かで、
事態がこじれて収拾がつかなくっている紛争地帯以外では、
表面上は平和な社会が保たれているのかもしれない。

平和な社会でも様々な争いが絶えず、
それが合法であれ違法であれ、
争いを画策する人や組織を支持する人もいれば、
積極的に他人の争い事に関わって、
そこから利益を引き出そうと画策する人や組織まであるわけで、
さらにそれを批判したり非難したりして、
またそうすることからも利益を引き出そうともするわけで、
それらの錯綜して絡み合う関係を解きほぐすのは
困難を極めるだろうし、
社会の様々な問題が容易には解決しない原因も
その辺にありそうだが、
特定の主義主張や認識や判断を用いて、
それを肯定と否定や善と悪の二項対立により分けても、
そういうやり方がどれほど説得力を持つかは、
そのような主義主張や認識や判断を
信じられるか否かにかかってきて、
そこから導かれる価値観を共有しない人にとっては、
何の説得力もないことかもしれず、
だからそれを批判し否定する人がいる一方で、
支持し肯定する人もいるわけで、
それらの人や組織が行っていることに関して、
それらの二項対立の煽り方が安易で単純であればあるほど、
信用できないものと感じられるのだろうし、
実は対立させるような必要などありはせず、
互いによく似ている面の方が多かったりして、
対立を煽ること自体がそこから利益を引き出すための戦略であって、
逆に絶えず対立をアピールしていないと
成り立たないような構造であったりするわけで、
それがよく言われる右翼と左翼の概念なのだろうが、
両者ともに国家主義とかナショナリズムで括れば、
同じカテゴリー属する人や団体になってしまいかねず、
それを避けるために激しく対立しているように装い、
時折罵倒しあったり嘲りあったりしているのかもしれない。
そしてそうやって対立を煽り、
違いを際立たせようとすることに無理が生じていて、
国と国とが戦争しづらい状況となっているのと同じように、
右翼と左翼も対立しにくい情勢となっているのかもしれず、
彼らが拠り所としている国家自体が世界経済に侵食されて、
政策的に何をやっても
うまくいっているのかいないのかも判然とせず、
掲げている主義主張とはあまり関係のないことをやっているわけで、
どのような政治勢力がやっても、
同じような政策をやらざるを得ない状況へと追い込まれているわけで、
結局それは経済政策にしかならないわけで、
各国ともに世界経済に対処しているだけで、
それが政治的な主義主張とはなりえず、
具体的には国内の産業を保護する一方で
外国に対しては自由貿易を求めて、
自国の輸出に有利な産業だけは関税を引き下げて欲しいわけで、
それがご都合主義でしかないことも、
もはや隠しようがない状況となっているわけだ。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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