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彼の声

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彼の声 2015.10.25 「前提条件」

2015/10/26

誰が何かを仕掛けてそれが功を奏して、
世の中が誰かの思い通りになっていると感じられるとしても、
たぶんそういう部分ではそうだとしても、
だからと言ってそれだけであるはずがなく、
それだけであるはずがないところが、
その思い通りになっているとされる誰かを苦しめているわけで、
部分的には誰かの思い通りに事が運んでいるように見えるわけだが、
全体としてはそうではなく、
それは国家にも地域にも言えることで、
別に世界がアメリカや欧米の思い通りになっているわけではなく、
そうかと言って中国やロシアの思い通りにもなっていないだろうし、
イスラム原理主義勢力の思い通りにもなってない。
世の中には様々な人や組織があって、
それらから生じるそれぞれに異なる意図や思惑が、
交差して錯綜しているわけだから、
特定の人や組織の思惑通りに事が運ぶとしたら、
それはあくまでも部分的な範囲内で、
それが世界全体を制することなどありえないのではないか。
だから世界全体を覆っている資本主義市場経済は、
特定の誰かや組織の思い通りになっているわけではなく、
様々な人や組織の意図や思惑が交差し錯綜している状態なのだろうし、
それを各国が制御しようと試みているのかもしれないが、
なかなか思い通りには制御できず、
それどころか逆に振り回され、
結果的に政治が経済に侵食され、
経済情勢の言いなりになっている面もあるのではないか。
制御しきれずに対処するだけで手一杯となり、
いつの間にか企業の経済活動の促進が最優先とされて、
それに伴って国民が多少の不利益を被っても
やむをえない成り行きとなっているように思われ、
実際に不利益を被っていると感じる人たちの
反発や不満が強まっているように感じられるわけだ。
実際に政府の政策によってそうなっているかどうかは、
政府に迎合的な人と批判的な人との間で
見解が分かれるところかもしれないが、
政府の政策自体が経済情勢を反映しているわけで、
経済情勢に対処するために
そういう政策を行わざるをえないとすれば、
元凶は政府の政策ではなくて
経済情勢そのものにあるのではないか。
そして政府が世界経済の動向に逆らえない状況があり、
決して政府の思惑通りに事が運んでいるわけではなく、
そうなっていないことを隠すために様々な画策を仕掛けてきて、
あたかも思い通りに事が運んでいるように
見せかけているに過ぎないのではないか。
そしてそれは今に始まったことではなく、
さかのぼれば明治維新以来連綿と続いていることかもしれず、
うまくいかなくなるたびに何か対処してきたわけだが、
その対処の集大成が
太平洋戦争でアメリカに負けたことに帰結したわけだ。

その後も70年間対処してきた結果が現状となっているわけで、
また日本に集大成の時が訪れるかどうかはわからないが、
日本以外の他の地域では、
欧米の植民地政策や米ソ冷戦などの集大成が
中東やアフリカなどの混迷に帰結していることも確かで、
それは世界の様々な地域や時代で、
事態がこじれてどうにもならないような混迷に帰結した事例など
枚挙にいとまがなく、
それがいわゆる戦国時代と呼ばれる現象で、
場合によっては数百年も続く状態だろうか。
今までにはそんな時代も世界各地であっただろうが、
これからもそれが繰り返されるとすれば、
中東の混迷もあと数百年も続くことになるだろうか。
現状で解決が困難ならそうなっても不思議ではないが、
総決算や集大成が解決なら全面戦争となるわけで、
それがなければこじれた状態が
ひたすら延々と続く成り行きとなる可能性もあり、
すでにそんな状態がオスマン帝国の崩壊以来
百年近く続いているわけだから、
混迷状態が慢性化していることは確かだ。
それは誰の思い通りにもなりえない現象で、
そこで様々な政治的あるいは軍事的な勢力が、
何かを画策しているのだろうが、
その政治力や軍事力に明確な優劣がつかないから、
どの画策もうまく機能せずに、
何かをやればやるほど
こじれて混迷が深まる結果となっているのだろうし、
圧倒的な軍事力を誇るアメリカでさえ、
イラクの独裁政権を倒したまではうまくいったが、
そこに民主的な国家を作るのは軍事力だけではうまくいかず、
イスラム教の宗派間対立やクルド人勢力などの民族問題も絡んで、
西欧的な民主主義の欠陥が露呈した格好となったのではないか。
西欧的な民主主義は国民が同質で、
特定の宗派や民族などの支配体制が確立されない限り
機能しないのであり、
そこには同質化を推し進める非民主主義的な征服過程が伴い、
暴力による支配と征服を隠蔽するための民主主義なのであって、
日本でも戊辰戦争や西南戦争などとともに、
北海道への入植に伴うアイヌ人の同化政策や琉球の統治にも、
そのような支配と征服の過程があったわけで、
ドイツでも北部のプロイセンによる
他の地域の支配と征服によって国が形成され、
アメリカでは先住民を根絶やしにして
イギリスから渡ってきたアングロサクソン系の人々が支配層を形成し、
その後南北戦争によって奴隷制の南部に勝利して
国を再統一した経緯があるわけで、
イラクでもシリアでも独裁政権を倒せば、
これまでに押さえ込んできた
宗派間や民族間の対立が浮き彫りになって、
結果的に内戦状態となるしかなく、
そこからまた民主主義的な国を確立するには、
また非民主主義的な支配と征服をやり直す羽目になってしまうわけで、
イスラエルでも同じように民主主義を確立するために、
パレスチナに対する支配と征服を遂行中なのだろう。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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