文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2015.10.16 「わかりやすさ」

2015/10/17

どうも同じような人々がお互いに反発しあっているようで、
要するに対立の原因は差異ではなく同質性にあるようだ。
同じようなことをやりながら競い合い、
時に嘲りあって相手を小馬鹿にしているのだが、
その小馬鹿にしている相手が自分と同じような人間であるとしたら、
大同小異で自身も小馬鹿にされるような人間であり、
相手を嘲るほど自分も相手から嘲られ、
要するに愚か者同士で喧嘩していることにしかならないのではないか。
そんなわけで両者の間に大した違いはないのであって、
どこまで対立しても似た者同士であることを免れず、
いくら激しく反発しあっても、
反発しあうこと以外の意義も目的も見出せないわけで、
そうやっていつまでも反目し合うだけだ。
結局それは仲間内で反目しあっていることになるのかもしれず、
お互いに似たようなことをやっているのだから、
そういう点では日本と韓国には仲間意識があって、
お互いに無視できないから対立し合うのであり、
対立し合うような仲間なのかもしれず、
対立することによってそのような関係を保っていられるわけで、
そうすることが双方にとって利益となっているのだろうか。
具体的に何が利益となっているのかはわからないが、
同じ穴の狢であることを隠すために
ことさらに対立を装っているのかもしれず、
政府による内政の失敗から国民の目をそらせようとする目的で、
隣国と対立せざるをえないのではないか。
だが日本と韓国との間ではそうであっても、
例えばアメリカとロシアとの間ではどうなのだろうか。
アメリカ側としては無用な対立は回避したいのかもしれないが、
ロシアのプーチン大統領は事情が違っていて、
ロシアの権益を守るためには手段を選ばず、
やれることは全てやる気になっているのだろうか。
かつての大国としての威信を取り戻すために、
シリアの内戦にしても、
イラクとシリアにまたがる「イスラム国」への対処にしても、
積極的に介入してそれらの国々を自国の陣営へと引き込み、
そうやって欧米に対抗する勢力圏を築きたいのだろうか。
現状ではそこまでの野望はないのかもしれないが、
かつての米ソ冷戦時代へと
時代を引き戻そうとしているのではないにしても、
国の指導者として覇権を目指すのは、
広大な国土を持つ国の大統領ともなると、
自然とそういう成り行きになるのかもしれず、
それは中国などにも言えるところかもしれないが、
欧米の民主主義的な政治風土とは相容れない
強権的な志向があることは確かなようだ。

広大な国土と多くの風習の異なる民族を抱えている国では、
欧米的な民主主義が有効に働かない宿命があるのかもしれず、
アメリカのように先住民をほぼ根絶やしにして、
一から国家を作れない以上は、
国内にいる各民族を束ねる
皇帝的な権限を持った指導者が必要とされ、
中国では毛沢東がそうだったわけだが、
今のロシアではプーチンがその役割を担っているのだろうか。
それは象徴的な役割ではなく、
実質的な権力を伴っていて、
国全体を支配しているような形態をとり、
それだけ権限が一人の人物に集中していることになるだろうか。
それはアメリカの大統領の権力や権限とは
比較にならないほど強いのかもしれず、
要するに制度的にそれが与えられているのではなく、
実力でその座を奪い取った結果として
生じるような権力なのではないか。
だからギャングのボスのように形容され、
一応は独裁者であるのだろうが、
こけおどし的な飾りは一切ないので、
ファシズムのようなごまかしがない分、
より直接的で単刀直入なことをやるわけで、
ある意味でわかりやすいのかもしれず、
日本の政治家のようなエセ右翼とは違って本物の右翼だから、
やっていることの善悪はさておき、
筋の通ったことをやるし発言している印象はある。
実力がものを言う世界では小手先のごまかしがきかないのだろうし、
裏表のないことをやらないと
敵からも見方からも信用されなくなってしまうわけか。
そういうことをやる人間には正義があり、
その正義によって多くの人たちが犠牲になるとしても、
周りの人間はその人物について行くのであり、
それが良いか悪いかは別問題だが、
その人物が自ら掲げる正義を裏切らない限りは、
ごまかしに基づく偽善や欺瞞は排除されるのかもしれず、
ごまかしが通用しないことをやっていると、
あいまいなグレーゾーンがなくなり、
政治がわかりやすくなる反面、
しばしば酷薄なことが行われ、
シリアに関して言えば
ロシアが支援しているアサド政権に敵対する反体制派勢力が、
ロシア軍によって空爆され、
ロシアと友好関係にある
イスラム教シーア派勢力のイランやイラクの要請を受けて、
スンニ派の「イスラム国」も空爆されようとしている。
それによってアサド政権による
長年の圧政に抗議して反乱を起こした勢力も
大打撃を受けるだろうし、
そんなことは百も承知で無情にも空爆してしまうのだから、
敵と味方の区別がはっきりしている分、
わかりやすいといえばわかりやすく、
民主主義という
あいまいで偽善や欺瞞の要素を含んでいる概念とは無縁である分、
やはりヒューマニズムとも無縁なのだろうか。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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