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彼の声

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彼の声 2015.10.11 「利益の源泉」

2015/10/11

それとこれとは関係ないのだろうが、
関係を疑えば疑うほど疑心暗鬼にとらわれる。
直接は関係のない物事と物事を結びつけて、
そこに何らかの関係を想像してしまい、
そこからの作用が自分に及んでいると疑い、
被害妄想にでも陥れば、
そこから憎悪の念が生まれてくるだろうか。
彼らは何を憎んでいるのだろうか。
だが憎悪の対象がどこに存在するのか。
自らの心の中にそれが潜んでいたりするのだろうか。
たぶんそんな内省的なことではなく、
具体的な対象として社会の中に
それが潜んでいると思いたいのではないか。
特定の民族や宗派を弾圧することによって、
憎悪の対象としてそれが生み出される。
もちろん行政の長としての個人もその対象となり、
何やら権力を振るっているように見えるのだが、
その背後には関係する様々な団体や組織が暗躍していると思われ、
それらも憎悪の対象となりやすく、
ひどいことをやっているのはそいつらだということになりがちだ。
実際にそうなのだろうか。
そうだと思い込んでその対象を攻撃していれば、
何かやっているように思い込めるのだろうが、
具体的には何をやっていることになるのだろうか。
対立を煽り立ててそれに対する攻撃を正当化している。
やっているのがそれだけでは不満だろうか。
他にやることが何もなければ問題ないのではないか。
それが通常の状態なのだろうか。
常態化していればそういうことになるのではないか。
世の中はうまくいっていないことだらけであって、
そのうまくいっていないことにつけ込んで、
利益を得ようとする行為が後を絶たず、
要するにそこに差異が生じるわけで、
その差異こそが利益の源泉なのではないか。
そういう意味ではうまくいっていないことを象徴する現象が対立で、
対立があるからそこに差異が生じると考えた方がよさそうだ。
対立がなければ二つの物事は等価であり、
等価であるということは差異がなく、
差異がなければ利益は生じないということなのではないか。
だから利益を求めようとする者たちは、
盛んに対立を煽ってそこに差異を生じさせようとして、
実際にそれが生じればそこから利益が生じるわけだ。
そして利益が生じるということは、
対立する双方のどちらかが得をして、
どちらかが損をする関係となり、
損をした側は得をした側に対して、
憎悪を掻き立てる結果となりがちだ。
そしてその損した分を取り返すために、
得した側に攻撃を仕掛けることになるのではないか。
そしてその攻撃のバリエーションの一つとして、
自爆テロ攻撃もあるわけで、
戦力が不利な側はそれを補うために捨て身の攻撃を仕掛け、
そうやって得した側に一矢を報いたつもりになって、
成功すればさらに繰り返そうとする。

そういう意味では対立を煽るという行為は、
政治と経済と戦争に共通していて、
その究極の状態が戦争なのであり、
戦争こそが人類の文化そのものなのではないか。
政治に関しては議会で対立しあう与党と野党という構図があるわけだが、
経済に関してなら、
競合する商品との違いを際立たせて広告宣伝するやり方があり、
そうやって宣伝する商品の優位性と差別化と魅力を訴えかけるわけで、
まさにそうすることによって他の商品と対立しているのであり、
自社の商品が売れて利益を上げることによって、
競合する商品を売っている他社を打ち負かそうとしているわけで、
それも戦争と同じ形態をとっていることになりそうだ。
そして社会に暮らす人々は
そういう成り行きや現象を敏感に感じ取っていて、
影響されて何かと言えばすぐに対立を煽りたがり、
些細な差異を大げさに誇張して、
人や団体を敵と味方に差別化して、
敵と見なした人や団体に対して憎悪を掻き立てる。
そして敵を攻撃して倒すことで利益を得ようとするわけで、
その利益とは自分や自分が属する勢力を拡大させることであり、
対立を煽りながら勢力を拡大させようとすれば、
当然他の人や勢力との対立や衝突は避けられず、
結局そういう行為は戦争状態をもたらすしかないだろう。
そしてそれとは逆に敵との和解や平和的な共存を求めようとすれば、
たぶん対立がなくなって利益が出なくなるのではないか。
それは利益を追求する功利主義者たちにとっては致命的なことで、
例えばイラクやアフガンから軍を撤退させて、
キューバやイランと和解しようとしている
アメリカのオバマ大統領の評判が悪いのは、
そういうところからきているのかもしれない。
またネトウヨが同じ新自由主義的な価値観を共有している
韓国と対立したがるのは、
従軍慰安婦問題や韓国による竹島の実効支配だけではなく、
韓国と日本が経済的な競合関係にあることからもきているのではないか。
そんなふうにして同じようなことをやっている人たちの間で、
利益を求めようとする限りは、
必ず対立関係を招き、
対立を防ぐにはお互いに利益を断念するか、
共通の利益を共闘して求めるしかないわけだが、
共闘するとなるとまた他に利益を求める対象が必要となり、
プロスポーツなどでは
ゲームではお互いに対立し合う関係にあるわけだが、
それを見せることによって、
観客から利益を得ることになるわけだから、
観客から利益を得ることに関しては共闘関係にあるわけだ。
そういう面から考えれば、
人や団体の間の対立を解消するには、
共闘して新たな利益を求める対象が必要となるのかもしれないが、
たぶんそれは新たな対象ではなく、
大昔から利益を得ている対象であって、
要するに人類は共闘して自然から利益を得るしかないのではないか。
と言ってもすでにそうやっているわけであり、
自然から利益を得ながらも、
人間同士で対立し合って
自然から得た利益を奪い合っているに過ぎないわけだ。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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