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彼の声

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彼の声 2015.10.6 「政党政治」

2015/10/07

約束は約束であって、
それが守られたり守られなかったりするものだ。
交渉には妥協がつきもので、
結果的に約束が反故にされたからといって、
それが交渉なのだから、
あとは交渉結果をどう受け止めるかにかかっているわけだ。
事前の約束が守られなかったと批判する人もいるだろうし、
やむをえないことだと理解する人もいるのではないか。
それが妥協の産物である限りにおいて、
交渉に参加した人たちにしてみれば、
満足している部分もあるし、
不満が残った部分もあるのではないか。
TPP交渉が大筋で合意したようだが、
交渉参加各国の受け止め方もそんなものなのではないか。
それによって劇的に何かが変わるわけではないだろうし、
効果が限定的なものになるのは、
それが交渉である限りにおいて当然のことなのかもしれず、
これからも参加各国や他の国も含めて、
様々な交渉が行われてゆくのではないか。
国同士が交渉しているうちは平和な関係を保っている証拠だろうし、
そうやって少しでも対立している点を
確認しあっておいたほうがいいのだろうし、
絶えず妥協点を探りあっておいたほうがいいのではないか。
もちろんそんなことをやっても
大して効果があるわけではないだろうが、
やらないよりはやったほうがマシなのだろうし、
そういうことを積み重ねておいた方が、
双方の信頼関係が長持ちするのではないか。
そうやって少しずつでも国同士の差異を
縮めておくべきなのかもしれないし、
そうすることが良いか悪いかとは別に、
様々な面でつながりがあると、
特定の国だけが勝手なことができなくなるのかもしれず、
今回のTPPに批判的な人たちは、
アメリカだけが一方的に得をするというわけだが、
交渉で妥協した内容については、
双方ともに守ることを約束したわけだから、
それをいったん批准すれば一方的に反故にするのはまずいわけだ。
果たして今後アメリカの議会が、
協定を批准するかどうかはよくわからないが、
アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立構想を主導した
中国との関係を含めて、
様々な紆余曲折があるのではないか。
ともかく誰を悪者扱いしようと、
嘘も方便のような功利主義がまかり通っているのだから、
そういうものだと理解しておくしかなく、
選挙目当ての政治宣伝が嘘であったとしても、
そんな嘘を真に受けてその政党に投票した人たちが愚かなのか、
それとも嘘を承知で投票するのか、
そのどちらでもあるのかもしれず、
有権者も嘘とごまかしで生きている部分もあって、
そういう部分には意図的に触れないようにしているだろうし、
自分たちの都合の良い部分だけ正義を主張しても、
良心の呵責など感じないのかもしれない。
だから以前の選挙の時はTPPに反対していたのに、
裏切られたと本気で思っている支持者などいないのかもしれず、
状況が変われば主張も変わるのだろうし、
そういうものだと理解するしかないのではないか。

実際に政権与党はTPP交渉に積極的な
官僚や大企業中心の産業界やアメリカの意向に逆らえないわけだから、
総論賛成各論反対の意見を
いかにごまかすかが腕の見せ所なのかもしれず、
意見集約を図っているように見せかけながらも、
あらかじめ決めておいた方向へ持って行こうとして、
力の弱い反対派へ譲歩を迫って、
なんとか事なきを得ようとするのだろうが、
それでなんとかなっているうちは
そういうやり方を押し通そうとするだろうし、
反対派の中からある程度は離反者が出るとしても、
郵政民営化の時のように、
またほとぼりが冷めたら、
復党したい人は一定数いるわけだから、
大して問題とはならないのだろうか。
今回の場合は離党するほどの意見対立には至っていないのかもしれず、
党執行部のやることには誰も逆らえない状況となっているのだろうか。
というかもはや逆らう必要もないような、
挙党一致体制が築かれているのかもしれず、
それだけ反主流派の力が弱まっていて、
党内の政治的な駆け引きや意見集約という行為自体が
行われない状況かもしれない。
それだけ政治の形骸化が進んでいるということだろうか。
TPPにしてもAIIBにしても
政治家が何かやっているように見せかけたいのだろうが、
実質的には参加各国の経済的な利害調整の場でしかないのかもしれず、
民主的な政治理念とは無関係で、
公共性と無縁の私利私欲を国利国益に置き換えて、
関係団体が動いているだけような様相を呈していて、
そこではもはや国や企業や各種団体や
特定の職業を離れた個人というのが、
存在しないことになっているようで、
たぶんそれが現状でのリアリズムなのかも知れないが、
国家を含めた各種団体の利害が優先されて、
個人としての人という概念などありはしないのかもしれず、
そういう次元ではすでに神どころか
人も死んでいる現状があるわけだが、
人として倫理観を持って、
現状について正直に語るというはありえないようで、
どう語れば自分にとっても所属している団体にとっても利益になるか、
という次元で語るわけで、
その延長上に国益があるのだから、
国益が国民全体にとっての利益というわけではなく、
それは自分たちの所属している政党にとっての利益であり、
またその政党と協力関係にある
企業や官僚機構などの各種団体にとっての利益なわけだ。
それが良いことなのか悪いことなのかはわからないが、
政党政治と功利主義を突き詰めれば
そういう結果に行き着くのではないか。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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