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彼の声

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彼の声 2015.9.27 「意識改革」

2015/09/28

民主主義という概念は、
何か実情を伴わない抽象的で空疎な絵空事のような建前を連想させる。
建前を主張するのが悪いわけではないが、
それは政治全般に言えることかもしれず、
例えば現実的で功利的な主張をする政治家が
よく口にする経済対策や経済政策なども、
本当に政策によって景気が良くなったり悪くなったりするのか、
よくわからない面もあり、
社会主義経済から資本主義的な改革開放政策をやった
中国やベトナムは景気が良くなり、
それに消極的だった北朝鮮は
経済的な困窮状態が続いていることは確かだが、
同じくソ連から資本主義化したロシアや東ヨーロッパ諸国は
それほどうまくいっていない国が多いようで、
政治情勢だけなく地域的な事情もあるのだろうが、
もとから資本主義経済の国々では、
確かに景気が悪くなれば議会などで景気対策が論議され、
政府が景気対策をやるわけだが、
それが功を奏して景気の悪化に歯止めがかかり、
景気が良くなったりするのかどうか。
実際に景気が良くなったりその兆しがあったりすると、
政府や議会の与党を支持する立場のメディアでは、
政府の景気対策が功を奏したように語られるだろうが、
批判する立場のメディアではそうではなく、
例えば世界経済やアメリカや中国などの
経済の好調に引きずられて良くなったのだろうという話になる。
確かにアメリカがイランと政治的に和解すれば、
経済制裁が解かれてイラン産の原油が世界市場に出回り、
原油価格が低下して
世界経済にとってはプラスに働くと言われるわけで、
政治が全く経済に対しては無効というわけではないだろうが、
政権与党に迎合的な評論家の類いがよく、
野党は経済政策を示せと批判的に語る次元での政策や対策は、
お前ら野党じゃ無理だ程度の政治的な宣伝でしかなく、
野党がそれを真に受けるべきなのかどうか、
野党によっても判断が異なるところだろうが、
政治的に何を主張しようと、
実際にはできることとできないことがありそうで、
今こそ民主主義を取り戻すために野党は大同団結しよう、
と共産党の党首が呼びかけていることが、
それに応じるだけの懐の深さが他の主要な野党にあるのかどうか、
それが試されているのか、
あるいはそれも単なる政治宣伝の次元で捉えられているのか、
おそらく後者だと思っている人が多いかもしれないが、
実際に野党が政権を取ったところで、
官僚やマスメディアや財界からの抵抗や攻撃によって、
民主主義を取り戻すどころか、
現状よりもさらにひどい状態となってしまう可能性もあるかもしれない。
それを受け入れる覚悟が国民に求められているのかもしれず、
その点はどうもギリシアでは、
選挙で左派急進派が勝利宣言しているところを見ると、
国民にその覚悟があるらしく、
保守派は信用されていないようだが、
日本では今のところはそこまでは行っていないのだろうし、
それはまだ経済状態が
ギリシアほどには深刻化していないことの証しかもしれない。

結局は経済状態が悪化しないと
国民が政権交代を求めないのだとすれば、
経済状態が悪化して政権交代したところで、
交代した政治勢力には何もできないということになって、
政権交代に意味などないということにもなりかねず、
ではどうすればいいのだろうか。
それは実際に政権交代してみないことには、
なんとも言えないところかもしれない。
野党側としては
政権が変われば世の中が変わるかのような
幻想を振りまきたいところかもしれず、
それは幻想などではなく、
本気で世の中を変えようと思っているかもしれないが、
欧米などの事例を見ると、
どうもそうではなく、
政権交代したところで
やっていることは大して変わらないのが実情かもしれず、
例えばフランスで戦後長いこと続いた保守派の政権から
社会党に政権が移った時、
当初は世の中が変わるかのような期待で、
多くの人が街に繰り出して歓喜に沸いたこともあったようだが、
その期待は急速にしぼんで落胆へと変わり、
変わったのは死刑が廃止されたことぐらいで、
他は以前とほとんど何も変わらなかったようで、
その後保守派が巻き返して政権を再び奪取して、
長いこと政権の座にいた後、
またここ数年は社会党政権となっているが、
やっていることが以前と保守政権と
何か特に変わったわけでもなさそうだ。
そしてそれは他の欧米諸国や、
隣の韓国でも同じことなのかもしれず、
軍事政権から民主化された時には
確かに世の中が変わったかもしれないが、
それ以後は民衆の支持を得て金大中や盧武鉉が大統領となったが、
何が大して変わったわけでもなく今に至っているはずだ。
相変わらず主要財閥による経済支配は続いているようで、
新自由主義的な競争社会の中で、
社会は殺伐とした空気に覆われているのだろうか。
そんな競争社会だからこそ、
オリンピックでは日本の数倍もメダルを獲得して、
それによって国民は誇りに思うかもしれないが、
別に生活の豊かさを実感するわけでもないだろうし、
ブラック企業並みの劣悪な労働環境の中で、
労働争議も頻発しているようだ。
ともかく日本でも現政権に不満を抱いている人が多ければ多いほど、
選挙で野党側が勝利して政権が交代する可能性も高まるだろうが、
あまりそういう流れを押しとどめようとしてはいけないのかもしれず、
政権担当能力がどうのこうの言う前に、
さっさと政権交代させてやらせてみればいいだけで、
それで駄目ならまた別の政治勢力に政権をとらせればいいだけで、
そういうことをやっていかないと、
なかなか国民の政治的な不満は収まらないだろうし、
政権をとらせてうまくいかなくなって落胆させればいいわけで、
そういうことを繰り返して行くうちに、
だんだん国民も民主主義的な政治制度に幻想を抱かなくなって、
ある程度はあきらめもつくのではないか。
あまり現状に悲壮感や絶望感など抱かずに、
どうせ思い通りにはいかないのだから、
政治的には気軽に野党に投票できる環境へと
持って行くべくなのかもしれない。
それにはよく言われるように、
野党側が変わるべきなのではなく、
国民の意識が変わるべきなのであり、
野党の政治家などは、
いったん政権与党になれば嫌でも変わってしまうのだから、
そういうところにもあまり幻想を抱くべきではないのかもしれない。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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