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彼の声

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彼の声 2015.9.25 「公益」

2015/09/26

何をやるにも
功利的なものの見方や考え方をするのは仕方がないとしても、
死に物狂いで利益を追求するとなると、
そうせざるを得ない状況の中で生きている人たちには、
公共の利益など眼中にないことは確かかもしれず、
アフリカや中東で内戦状態の地域で、
実際に戦闘している武装組織のリーダーなどは、
やはり容赦なく人を殺して財産などを奪うだろうか。
そういうところはヤクザやギャングの抗争と変わりないだろうが、
そういう環境とは全く異なるところで、
例えば裕福な先進諸国の巨大企業などでも、
内戦地域の武装組織などとは比較にならないほど巨額な利益を、
死に物狂いで追求しているのではないか。
両者の関係は兵器産業などを介して接点があるのかもしれないが、
税金逃れだと指摘されているような
徹底した節税対策などをやっていることから、
武装組織と同じように巨大企業も、
やはり公共の利益などその眼中にないのかもしれず、
たまには社会貢献に尽力するという趣旨の発言を
企業のトップがすることもあるかもしれないが、
また実際に災害募金や慈善事業などに
巨額の寄付をする経営者などもいるだろうが、
企業活動そのものは利益を上げるためにはなんでもやるのは当然で、
そのためには節税も手段の一つとして行うわけだ。
国の法律が失効している内戦状態の地域にいる武装組織と、
法律が有効に機能している国で
違法行為をやっているヤクザやギャングと、
同じく法律が有効に機能している各国で
合法的に活動している巨大企業と、
それらの反公共性を一緒くたにはできないだろうが、
死に物狂いの利益追求という方向性は、
そこに苛烈な競争原理が働くことで生じているのだろうか。
それはプロスポーツでも囲碁や将棋のプロ棋士の世界などでも、
そこに競い合いがあるところではそうなるしかなく、
競い合いを通じて
人を魅了する高度な技能や発明や発見などがもたらされるわけだが、
そこから縁遠い一般の人たちには、
やろうとしてもできないことをやって見せるわけだから、
少なくともそういう競い合い自体には感動するだろうし、
そういう世界に憧れる人も数多く、
それを目指して競争に参加する人も後を絶たず、
参加する人が多ければ多いほど、
その頂点を極めた人には輝かしい栄光がもたらされ、
報酬の額も桁違いとなるわけだ。
例えばそのような人が自国民から出たら、
その国の人たちの利益となっているのだろうか。
中には国の誇りだと思う人もいるだろうが、
一個人や団体が誇りに思われることと
公共の利益とは何か関係があるのだろうか。
例えばオリンピックでの国別のメダル数と
公共の利益は合致するだろうか。
国威発揚という概念がそれを結びつけるわけだが、
そういう行為によって
その国の人たちが豊かになったと言えるだろうか。

そもそも公共の利益とはなんなのか。
そしてそれは人々にとって有益なものなのか。
人々が真に求めていることとはなんなのだろうか。
誰もが平等に自由を満喫できる社会の実現を目指すことが
公共の利益だとするなら、
現状では議会には私益を優先させた世襲がはびこり、
行政を担う各省庁には予算配分をめぐる縄張り争いや、
天下り先の確保などに見られるような、
省益や私益の追求が当然のように行われ、
そういう行為が高じると、
世襲でない人が議員になるのは困難となり、
予算の水増しによる税金の無駄遣いと国債発行による借金が増え、
天下り先の企業と各省庁との癒着によって、
他の企業や一般の人たちが不利益を被り、
公益とは無縁の不平等で不自由な社会になってくるわけだが、
どうもその状態が放置されていて、
それをやめさせることができない状況に陥っているのかもしれず、
それだけ世の中全体に
私益を優先させる功利主義が蔓延しているのだろうか。
その私益の追求を促進させているのが競争の激化であり、
競争に勝った成功者を賞賛する風潮かもしれないが、
ある程度は競争がないと社会が停滞してしまうだろうし、
勝者を賞賛するのは当然のことだろうし、
努力が報われるのはいいことで、
そのような競争は肯定されるべきかもしれない。
だが一方でその成功を利用して、
さらに利益を得るための行為がもたらされるわけで、
前の世代の議員が努力して手に入れた議席を、
その後継者に受け渡したり、
猛勉強の甲斐があって上級公務員試験に受かれば、
幹部候補となって役職が優遇されて、
天下り先も確保されたりするわけだ。
結局そういう慣習が人々の間で格差をもたらして、
いわゆる格差社会や階級社会の成立を助長するわけだが、
そういう慣習をやめさせ、
あるいは歯止めをかけるにはどうしたらいいだろうか。
ただ議員の世襲や公務員の天下りを禁止すればいいわけだが、
現状でそのような行為が行われている以上、
なかなかそれを実行するような成り行きに持っていけないようだ。
そのようなことを主張している政治家や政党がないわけではないが、
そういう政治家や政党が政権を握るのは難しい状況で、
仮に政権を握ったところで、
実行するとなると様々な抵抗に遭い、
実現するのは困難を極めるだろう。

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創刊日:2001-03-26  
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