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彼の声

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彼の声 2015.9.15 「抗議の声」

2015/09/16

それは政治的な行為なのだろうか。
パフォーマンスの類いではあるのだろう。
人目を引こうとする行為がパフォーマンスなのだろう。
そうやって何かを主張したいのだ。
パフォーマンスをしながら何かを訴えている。
もちろんそれに同調するか否かは、
それを見物している人の自由だ。
そのような行為自体の良し悪しではなく、
何を訴えているのかが問題となるのだろうか。
それも問題とはならないかもしれず、
不快ならやり過ごしていればいいことでしかない。
むろんそれがヘイトスピーチの類いなら糾弾されるべきだろうが、
訴えている内容が常識の範囲内なら、
別に咎められる対象とはならないのではないか。
やらせておけばそれでいいはずだ。
もちろん誰がやらせているわけではなく、
勝手にやっているのだから、
誰かがなんらかの団体が音頭を取ってやっていることだとしても、
それに賛同して多くの人たちが一緒になってやっていることに、
とやかく言う筋合いはないのかもしれない。
その訴えている内容に文句があればそれを批判すれば済むことか。
ではそれの何を批判すればいいのだろうか。
それも自らの主義主張がそれと異なるのであれば、
違いを説明すればいいことでしかないか。
どう違いその違いにこだわるべきなら、
どちらが正しい主張なのかを説明すればいいことでしかなく、
それが説得力のある主張なら、
場合によっては多くの人たちに受け入れられるかもしれないが、
受け入れるには気分を害したり不快に感じるわけで、
そんな感情的な抵抗を経由した上で、
それに打ち勝たなければならず、
それでその内容には納得するかもしれないが、
それを指摘した人はなおも無視されたり攻撃されたり、
受難を経験するかもしれない。
またそこに利害関係が絡んでくると、
その人が属している政治勢力や、
信じている思想や宗教と敵対するような内容であれば、
いかに説得力があろうと受け入れ難いのだろうか。
利害で結びついている勢力は、
その利害関係が自分を利する関係である限りは、
そこから離脱するのは難しく、
組織の中で組織の意向で動いていれば、
とりあえず組織の中では問題なく活動できるかもしれないが、
一方で気持ちや感情の要素もあり、
組織内での待遇が悪く居心地が悪ければ、
そこから抜ける気になることもあるだろうし、
恨みつらみがあれば、
敵対する組織に入って復讐を仕掛けてくるかもしれない。
たぶんそういう諍いの類いは
フィクションの中でよく見かける成り行きだろうか。
人は諍いや争いやそこで起こる喜悲劇に接することで、
日頃の憂さを晴らしてカタルシスを覚えるのかもしれないが、
それによって現実の何が解決するわけでもなく、
ただフィクションの中で行われる壮絶な殺し合いや酷い仕打ちを
疑似体験することで、
現実の世界では寛容になれるかもしれず、
それが救いとなるか、
あるいはフィクションを真似て現実の世界でも不寛容を装うかは、
人によって感じ方も受け止め方も異なるだろうから、
なんとも言えないところかもしれない。

ともかくそこで様々な感情や利害が渦巻いていて、
一概に物事の良し悪しや白黒はつけられないのだが、
それでも抗議活動などに加わっている人たちは、
非難や糾弾している対象を否定する理由を必要としているわけだ。
活動の大義名分としてそれが求められ、
その活動を煽っている人たちが納得するに足る主張を展開して、
多くの賛同を得れば抗議活動の規模も大きくなり、
マスメディアが注目するところとなり、
報道されてさらに世間の注目を浴びるわけだ。
そんな現象が起きるのが大衆市民社会の特徴だろうか。
議会制民主主義には議会内の反対勢力に呼応して、
人を大量に動員して議会の外から圧力をかける手法もあり、
そんな抗議のパフォーマンスによって議会の与党勢力とともに、
広く一般世間にも訴えかけているのであり、
議会で理不尽な法案が可決されようとしていて、
議会の与党を占める多数派がそれに同調しているから、
法案の成立を阻止するには、
世論を味方につけながら、
議会の外から圧力をかける以外に方法がないということか。
そういうやり方が議会制度から外れることで
間違っていると非難されようと、
そもそも法案自体が間違っているのだから、
それに抗議するのは当然のことだと行為を正当化しているわけで、
法案の成立によって
不利益を被るかもしれないと思っている人たちにとっては、
切実なことなのだろうし、
その切実さが他の人たちにも訴えかけてくるものがあって、
多くの賛同を集めているのではないか。
マスメディアが行っている世論調査でも、
法案の内容に無理がある思っている意見が大勢を占めているようで、
廃案を望む声が多いわけだが、
それも議会内では
法案に賛成する議員が多数派を占めているわけだから、
制度的には法案を成立させることができるわけだ。
政府や与党側も賛成多数で可決させるつもりなのだから、
別にいつ可決されて法案が成立してもおかしくない状況なのだろうが、
なぜかその手前で諦めずに抗議活動をしている人たちが大勢いて、
デモだなんだと騒いでいるわけで、
それが今後の世論や人々の意識や行動を
変えるきっかけとなるかどうかは、
実際に変わってみなければわからないだろうし、
やはり現時点ではなんとも言えないところだろうか。
少なくともこれまで通りとはならないような気はしているのだが、
そんな期待など簡単に裏切られたところで、
多くの人たちが政府や与党のやり方を不快に感じているのだとしたら、
世論の動向や選挙結果などに確実に反映されるのではないか。
それは政財官の利権複合体がどんなに押さえ込もうとしても、
それらに迎合的なマスメディアがどんなに世論誘導を試みても、
完全に抑えきれるものではないだろう。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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