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彼の声

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彼の声 2015.9.6 「大衆市民社会の特性」

2015/09/06

個人や団体が掲げる主義主張は何を目指しているのだろうか。
反対している人たちは
政府や議会の与党勢力がやっていることに反対しているわけだが、
他に何を目指しているのか。
安保法案に賛成している人たちは、
日本を外国勢力から守らなければならないと主張しているようだが、
外国は外国でも、
日本と安全保障条約を結んで同盟関係にあるアメリカからは
守らなくてもいいらしい。
要するに日本と敵対している外国勢力から日本を守りたいのだろう。
そのための安保法案なのではないか。
そして安保法案に反対している人たちは、
日本と同盟関係を結んでいる外国勢力のアメリカから
日本を守りたいわけだ。
両者に共通しているのは、
尊王攘夷思想の攘夷の部分なのではないか。
日本を守るために
外国勢力を討ち払わなければならないのかもしれないが、
安保法案に賛成している人たちは、
本気ではないかもしれないが、
アメリカとともに中国や韓国などの、
日本の現政権と対立関係にある外国を討ち払いたいわけで、
法案に反対している人たちは、
アメリカを討ち払いたいのではないか。
もちろん軍事力でそうしたいのではなく、
彼らにとっては理不尽なアメリカからの要求と、
それを実行しようとする現政権を、
民衆の力ではねのけたいわけだ。
そして両者ともに共通しているのは、
日本を守らなければならないという危機感だろうか。
安保法案に賛成している人たちは、
どちらかというと日本という国家を守りたいわけで、
反対している人たちは、
日本という国の中にいる民衆を守りたいということかもしれないが、
国家といっても現状で政権を握っている政治勢力と、
それを支持している人たちを守りたいわけで、
また反対派が守りたい民衆といっても、
現政権の下で不利益を被っている人たちや、
これから不利益を被りかねない人たちと言えば、
いくらか具体的になるだろうか。
たぶん賛成派も反対派も、
自分たちが守ろうとしているのは
国家と国民の大多数だと思っているのかもしれないが、
反対派の認識としては、
現状でもこのままアメリカの要求を飲み続けると、
日本もアメリカのようにごく一部の富裕層が、
国内のほとんどの富を所有するようになってしまい、
一般の人たちの生活が困窮してしまう
と危機感を募らせているのではないか。
また安保法案は戦争法案であり、
アメリカ軍に付き従って世界の戦地に自衛隊員が駆り出され、
国内の経済格差から顕在化する貧困層の中から、
学費を得るために多くの若者が自衛隊に入隊して、
戦地に赴くような状況となるやもしれず、
アメリカと中国との対立が激化して戦争にでもなれば、
米軍基地がある日本が
真っ先に狙われかねないとも思っているのかもしれず、
そんな理由から安保法案に反対して、
それとともにアメリカ政府が音頭をとって進めているTPPにも反対し、
また沖縄の在日米軍基地の滑走路建設にも反対しているのだろう。
そしてさらに現政権の原発推進政策も、
アメリカからの要請だと批判している人たちもいるようだ。

それらのどこまでが真実味のある主張や認識なのだろうか。
本当に多くの人たちがそう思っているのなら、
ある程度は真実味があり、
これから懸念していることが現実化するかもしれない。
それを無理に小馬鹿にしたり嘲笑したりするのはおかしいだろうが、
もしかしたら反対派が懸念している通りになっても
構わないのではないか。
このままでは日本が危ないと思っているのなら、
危なくなっても構わないのであり、
危なくなっては困ると思うなら
選挙で反対派が推す候補者に投票するしかないだろうが、
どうも現状ではそうはならないような成り行きかもしれず、
現政権を支持する人たちが勝利すると、
実際に危なくなるのかならないのかわからないが、
結果がどうなるにしろ、
政治ではどうにもならないような
世の中の流れとなっているのではないか。
歴史は過去には戻りようがなく、
戦争だろうと何だろうと、
繰り返そうとすれば以前とは違う性質を伴い、
結果的に悲惨な状況をもたらすとしても、
決して以前と同じにはならず、
何かこれまでにない結果をもたらす。
その証拠に現状もこれまでにはなかった現状なのではないか。
そしてこれからもこれまでにはない状況となるのだろう。
もしかしたら資本主義的な行為がもたらす富の価値が
無効となるかもしれない。
例えば金を儲けることが
意味をなさなくなるような時代となるかもしれず、
どういうふうにそうなるかは現時点ではわかりようがないが、
現状でも大金持ちが必要もないのに
一人で高級車を数百台も所有していたりするわけだから、
そうなるといくら贅沢三昧をしても満たされないだろう。
もしかしたら人は物質的にも精神的にも
豊かになる必要がないのかもしれず、
現状で生きられる範囲内で生きていればそれで構わないのだろうし、
いくらそれ以上を求めても、
成功して物心両面で満たされる人がいるかもしれないが、
それはそれでそういうことでしかないのではないか。
成功してもしなくてもどちらでも構わないのであり、
やりたいことがやれてもやれなくても、
どちらにしても生きている人は生きているし、
やりたいことをやって死ぬ人もいるし、
やりたいことができずに死ぬ人もいる。
そう考えてしまうと欲がなくなり、
世の中で主流の価値観が崩壊してしまうわけだが、
人々にその価値観を信じさせている社会の構造が形骸化してくると、
どうでもいいような気分が社会に蔓延して、
やる気が失せてくるのではないか。
そしてその方が世の中が平和になってくるのかもしれず、
現政権を担っている人たちに、
何か間の抜けた言動や行動が目立っていて、
果たして真剣に物事に取り組んでいるのか
疑いたくなってくるような状況なのも、
それを象徴する現象かもしれないし、
当人たちが意識しているのは違った次元で
それが進行中なのではないか。
それが西洋から始まった大衆市民社会の特性なのかもしれず、
資本主義市場経済が行き着くところが
それ自身の形骸化なのかもしれない。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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