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彼の声

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彼の声 2015.9.1 「穏便に事を済ます」

2015/09/01

だいぶ前から日本の行政は何をやってもうまくいかなくなっている。
いったいいつごろからそうなっているのだろうか。
財政赤字が問題となり始めた頃からだとすれば、
もうかれこれ20年は経っているのではないか。
バブル崩壊以降だとすればそれ以上前からだ。
しかもうまくいかなくても
別にそれほど致命的な事態になっているわけではない。
もうとっくに財政破綻状態かもしれないが、
それがどうしたわけでもなく、
未だに国債を発行しながら巨額の予算を組んでいて、
国の借金が雪だるま式に増えているのに、
やはりそれがどうしたわけでもないようだ。
経常収支が黒字だから大丈夫なのだろうか。
その辺の詳しいカラクリはよくわからないが、
他に何がうまくいっていないのか。
政府を批判する人たちによって様々な問題が指摘されているのだろうが、
よその国に比べたら失業率も低いし、
治安もそれほど悪化していないのだろうから、
別に何をやってもうまくいっていないと感じられるのはただの印象で、
実質的には世界の国々の中ではうまくいっている方なのだろうか。
もっとひどい状況の国などいくらでもあるだろう。
ではそれでも政府や議会の与党に対する批判が絶えないのはなぜなのか。
ひどいことをやっているように
思えてしまう何かがあるということだろうか。
例えばそれはなんなのか。
対外的にアメリカに従属しているように感じられ、
中国や韓国と対立しているのが気に入らないだろうか。
それに関連して在日米軍基地の問題があり、
またアメリカと同じように
富裕層や大企業を優遇しているように感じられ、
一般の人たちに対する福祉が
切り捨てられているようにも感じられるのかもしれない。
そしてまた原発推進政策も反発を招いているだろうし、
ネットを中心として右翼の差別的で強引な言動にも
不快な思いをしている人もいるだろうし、
NHKなどの政府に迎合的なメディアによる政府批判の封じ込めにも
憤りを感じている人もいるのではないか。
要するに政財官とそれに迎合するマスメディアがグルになって
人々を抑圧していると感じられるわけだ。
それらの大政翼賛会的な支配組織が自分たちの利益を守るために、
人々を操り支配して自由と平等を奪っていると思い込んでいるわけか。
大雑把に言えばそうなるかもしれないが、
実際に人々が政財官+マスメディアに依存している現実があり、
それなしでは生活が成り立たないと思われるから、
その逃れられない権力からの呪縛が
より一層嫌悪感を覚えさせるのかもしれない。
そして大半の人たちにとって、
自分たちが支持できる政治勢力がいないことが、
さらに嫌悪感とともに閉塞感や絶望感をもたらしているのかもしれず、
そう感じられない人たちは政治的無関心となり、
選挙の投票率が下がっている原因となっているのだろうか。

本当のところはよくわからない。
政財官+マスメディアの国民支配など昔からそうだったのかもしれず、
何も今に始まったことではないのではないか。
ただ政権を担っている政治家たちが無能に感じられるのは、
行政が何をやってもうまくいかなくなっている
と思われることと同じなのかもしれず、
もしかしたら誰がやってもうまくいかない可能性があり、
それを認めたくない人たちが、
何か有能な政治家がやれば
うまくいくような幻想を抱いているのかもしれない。
政財官+マスメディアの国民支配は昔からそうだったのだが、
現状では何をやってもうまくいかなくなっていて、
しかも政権を担当している政治家たちが無能に思われるから、
それは政財官+マスメディアによる国民支配が
原因であるかのように思われるのではないか。
うまくいっているように感じられる時は、
それほど目くじらを立てずに済んでいたのが、
ひとたびうまくいかなくなると、
何か理不尽なことをやっているのが槍玉に挙げられ、
諸悪の根源はそこにあるかのように思われてくるわけだ。
そして折しも改憲論者で国粋主義的な思想の持ち主が国の代表者となり、
自衛隊を効率的に運用する目的の法案などを国会に出すから、
火に油を注ぐ結果となっているわけだが、
しかしその人物を含めて誰が独裁的な権力を握っているわけではなく、
たぶん誰も好き勝手に権力を振るえない状況となっていて、
別に反対運動をしている人たちを
機動隊を動員して排除するわけでもなく、
ただやらせるだけやらせておいて、
それを主要メディアが大々的に報じないようにしているに過ぎず、
それで済んでしまうような事態となっているわけだ。
別に北朝鮮のように反体制派を強制収容所に押し込めたり、
気に入らない軍や党の幹部たちを公開処刑したりしなくてもいいわけで、
反対派と賛成派が武器を取って戦ったり、
衝突して死傷者が出るような事態ともならず、
ただネットで罵声を浴びせたり嫌味や皮肉を書き込んだりするだけで、
それで済んでしまっているのは、
日本が平和な証しなのかもしれないが、
それは暴力を用いなくても、
国民を管理できるシステムが
構築されていることの証しでもあるのかもしれず、
誰がどんな意志を持ってそんなシステムを構築したのでもなく、
ただ自然の成り行きでそうなっているように感じられるに過ぎず、
特定の誰やどんな政治勢力の陰謀が関与しているわけでもなく、
ただそういう社会が出来上がってしまった
としか言いようのない現象なのではないか。
それが良いか悪いかはわからないが、
どこに中心があるのでもなく、
誰が主導権を握っているのでもないが、
誰もがそこで働いている微妙な均衡状態を崩したくないのかもしれず、
無意識のうちになんとか穏便に事を済ませようとする力が
働いていることは確からしいが、
それで済むのか済まないのかは、
これからの状況次第だろうか。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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