文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2015.8.30 「決められない運命」

2015/08/31

態度を鮮明にしないことが何を意味するのだろうか。
おそらく何も意味しないだろう。
何を決めかねているわけではなく、
無理に決めようとしているわけでもない。
でも何も決められないわけでもないはずで、
世の中のどこかでは着々と物事が決められているのではないか。
今も絶えず決めているわけで、
大して根拠も理由もないのに、
決めないと先へ進めない成り行きもありそうだ。
だがそれを決めていると言えるのだろうか。
結果的には何かを決めていることになるのだろうが、
たぶんそれほど固い決意をもって決めているわけではなく、
ただなんとなく先へ進んでいくと、
自然に物事が決まっていってしまうといったほうが、
しっくりくるような成り行きなのではないか。
先へと進むことが、
そのまま何かが決まってしまう事態に直結しているのかもしれない。
だから無理に意志の力で決めてしまわないほうが、
後々楽な展開になるのかもしれず、
人は結果が良ければそれで安心してしまうわけだが、
別にそのとき正しい選択や判断をしたから、
良い結果がもたらされたとは思わないほうがよく、
たまたまうまい具合に事が運んで、
結果的に満足するような成り行きになっただけかもしれず、
またどのような結果がもたらされようと、
自分の判断ミスを認めたくない意識が、
それを正当化しようとするわけで、
そういう心理作用も考慮に入れると、
自らの行為や考えをそれほど信用しなくても構わないような、
楽な気分でいられるだろうか。
逆に無理に気楽さを装わなくてもいいのだろうし、
決めなければならない状況になれば、
いつまでも駄々をこねないで、
さっさと決めればいいだけなのだろうが、
果たしてそんなはっきりとした決断のときなどがやってくるのだろうか。
不意に思いがけずそんな瞬間が訪れて、
一か八かでそこで何かを決めなければならない状況に追い込まれたとき、
果たしてまともな判断ができるだろうか。
やはり結果がうまくいけば正しい判断だったと胸をなでおろし、
うまくいかずに窮地に陥ればそのときの判断を後悔するのだろうが、
結局そのときはそのときで覚悟を決めて、
いったん決断したらたとえうまくいかなくてもあきらめが肝心で、
次の機会がやってくることを期待するしかないのではないか。
生き残っていれば必ずまた機会が巡ってくるだろうし、
生き残れずに死んでしまえばそこでおしまいだ。
何も決めようとしなくてもいずれはそうなってしまうだろう。
決められなくても決まってしまい、
人もいずれは死ぬに決まっているわけだ。
だからそれほど決めることにこだわる必要はなく、
自分では何も決められないまま、
無駄に時をダラダラと過ごしてしまっても構わない。
生きているだけで精一杯ならそうなるしかないだろうか。
生きようとしなくても自然に生きていられてしまうこともありそうだ。
そんなことを述べているうちに、
自然と無駄に言葉が連なって文章が構成されている。

その成り行きを偶然とも必然とも思わなくてもいいわけで、
自分で何かを決めた結果だと思い込んでも構わない。
たとえ独りよがりの妄想に取り憑かれていようと、
生きている現実を覆すには至りそうもない。
中には別に死ぬ理由がなくても自殺する人もいるのだろうが、
そういう成り行きも可能性としてはあるわけで、
どうなろうとそうなってみないことにはわからない。
そうなったとしても理由を見出せずに困惑するばかりなのかもしれず、
予想通りの結果に至って一安心するよりは、
思いがけない結果に至ることを期待しているわけだ。
別に運命の糸を自分で手繰り寄せている
などと思い上がっていられるわけもないだろうが、
どこか得体の知れぬ場所へと導かれていると思いたい。
決まりきった場所へと向かうよりはそのほうが面白そうだ。
初めに結論ありきではなく、
結論へ向かって予定調和のごとく歩幅を調整できるとは思えないし、
たぶん行き過ぎてしまうだろうし、
手前で止まってしまうのだろう。
何も成せずに終わってしまうかもしれない。
結果とはそういうものだ。
そこで何を決断しようと、
そんな決断など簡単に無効にするような成り行きの中で
生きているのかもしれない。
何かしら結果に行き着いて、
生きているうちにわかりやすい富や名誉を手にする人もいるだろうし、
自分のやっていることが何だかわらないまま
終わってしまう人もいるだろう。
なんだかわからないままの方が面白そうだが、
世間的に認められないのは辛いだろうか。
しかしわかりやすい成功を手に入れたとしても、
自己満足に浸っていられる時間はそう長くはないのだろうし、
さらなる成功を求めて
ひたすら貪欲に富や名誉を求めてしまうかもしれない。
欲をかけばきりがなく、
自己の内部では無尽蔵の欲に苛まれているものだろうか。
ほどほどのところでやめられないのが成功への願望であり、
いくら登りつめてもその先が待ち構えていて、
道を誤って破滅するまでその道が続いていたりするわけか。
道はいろいろあって、
一概に破滅への道ばかりではなく、
中には成功し続ける道もあるのではないか。
自分でそう思っていればそれで済んでしまうような道もありそうで、
どんな道を歩もうとその人の勝手であり、
そして勝手には道を選べずに、
その場の成り行きから外部的な事情によって、
歩むべき道が当人の意志を無視して
勝手に決められてしまう人もいるかもしれない。
結局どのような環境であれ、
その与えられた環境でしか生きてゆくことができない人が
大半なのかもしれず、
その環境で生きて行けなくなると、
流浪の民となって世界中をさまよい歩くことになるかもしれない。
それを決めるのはその人の意志かもしれないが、
その意志をもたらしているのが身の回りの環境であり、
絶えず変化する世の中の状況であり成り行きなのだろう。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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