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彼の声

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彼の声 2015.6.29 「国家と資本の揚棄」

2015/06/30

政治的な変革で世の中の構造が根本的に変わるわけではない。
事実ロシア革命でも国家の構造は変わらず、
政府による国家統治の形態はそのままだった。
世界では様々な国家の興亡が
文明の発祥から数千年間続いてきたと考えていいのだろうか。
通常の世界史的な歴史認識からすればその通りなのだろう。
きっとこれからもそれが
世の中の支配的な歴史認識であり続けるだろうが、
現状で何かそれとは違う兆候を見出せるだろうか。
とりあえず前世紀の二度の世界大戦以来、
戦争による他国への侵略行為は非難されている。
最近でもイスラム国による近隣地域への侵略行為や、
ロシアによるクリミア半島の併合やウクライナ東部への軍事介入などが、
それに当たるだろうが、
戦争ではないにせよ、
中国による南沙諸島の占拠もそれに類する行為として、
周辺諸国から非難されているわけだ。
現実に世界のほとんどの国が軍隊を保持しているのだから、
いつ何かのきっかけでそれらの軍隊同士が戦闘を開始するやもしれず、
世界的な資本主義の行き詰まりによって、
近い将来第三次世界大戦が起こることを予言する人もいる。
文明が行き詰まればそれを破壊して一から出直さない限りは、
また新たに繁栄の礎を築くことはできないだろうか。
それを行わせないための歯止めとなるのが、
人々の平和への願いになるのかどうか、
現状ではなんとも言えないところかもしれないが、
軍隊が外国との戦争を想定して組織されていることは確かだが、
一方で軍隊の銃口は国内にも向けられているわけで、
治安の維持を目的として暴動などを鎮圧するために、
その武力が使われる光景も世界各地でしばしば目にされる。
それが何を意味するかといえば、
国家が外国に対して国家であることを認めさせるのにも、
国内の人々に対して法律を守らせ税金を支払わせるのにも、
武力による裏付けが必要だということだろうか。
常識的に考えればその通りかもしれないが、
知っている範囲内では
アイスランドとコスタリカが軍隊を保持しておらず、
日本も実質的には自衛隊という軍隊を保持しているものの、
憲法では武力の使用を放棄しているわけだ。
アイスランドやコスタリカは人口がそれほど多くはないのだろうし、
地理的位置も資源的にも外国から侵略される心配がないから、
軍隊は不要なのかもしれず、
国内の治安も警察だけで十分だと見なされているのかもしれないが、
日本の場合はどうなのか。
自国の軍隊だけでなくアメリカ軍も駐屯していて、
中国や韓国やロシアと国境問題を抱えていて、
軍国主義国家の北朝鮮からも近いから、
建前上は武力の放棄を宣言しているが、
実際問題として自衛隊をなくすわけにはいかないだろうか。
それでも外交努力によって周辺諸国との関係を良好に保っていけば、
いつかは軍隊をなくすような契機を得ることができるだろうか。

それとも世界的に国家統治の形態が根本的に変わらない限りは、
真の意味での武力の放棄は到底不可能だろうか。
国家統治の根本的な変革は何も武力の放棄だけではなく、
徴税などそこに暮らす人々からの
収奪を目的とした制度もなくさなければならないだろうか。
しかし民からの徴税をなくせば
国家統治ができなくなってしまうのではないか。
行政司法立法の全てを民間委託すれば、
国家がいらなくなるのかもしれないが、
現状ではありえない話だ。
また徴税とともに人々から収奪する制度としてあるのは、
企業による雇用がそうで、
人々は賃金と引き換えにして自由を奪われた労働を強いられ、
しかも得られた賃金で企業が生産した物や情報を、
企業の利益が出る値段で買い取らなければならず、
企業に資金を投資した人々が儲かる分だけ、
また企業の中でも経営者が儲かる分だけ、
賃金労働者が収奪される構造になっている、
と言われているわけだが、
実際に貧富の格差が広がり、
末端の労働者たちが貧困に喘ぐようになれば、
それが証明されたことになるのだろうか。
これに関しては、
儲けの出ない物や情報の生産流通交換消費システムを構築すれば、
解決するだろうと言われているわけで、
これも現状では実現不可能なありえない話だろうか。
だがここまで述べてきてわかるのは、
貧困や戦争などで
今世界的に問題となっている世の中の構造を変革するには、
根本的に国家と資本を揚棄すること以外にはありえないということだ。
もちろんあからさまにそんなことを主張しても、
どこからも誰からも相手にされないだろう。
現実に国家があり資本主義世界市場があるわけだから、
しかも世の全ての人がそのどちらにも携わっていて、
それなしには世の中が回っていかないわけだから、
今すぐにそれらを捨て去ることなどできるわけがなく、
現実問題としてもそれらを活用しつつ、
それらがより平和的に、
そして人々の自由と平等ができるだけ保たれる範囲内で、
それらにまつわる制度やシステムを改善してくしかないわけで、
実際に世界各国の政治家たちも、
そのような方向で努力するのが建前となっているわけだ。
もちろんそのような努力とともに、
自国の権益や自国民や自国の企業の利益の確保を
最優先させているわけだが、
そのような自国の利益を優先させる政策が、
国家間の対立をもたらし、
その結果として戦争になり、
自国も戦争の相手国も多大な人的あるいは経済的損害を被るとすれば、
しかもそれが世界全体を破滅に導くような世界大戦へと発展すれば、
それが国家と資本の揚棄への契機となるのだろうか。

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創刊日:2001-03-26  
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