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彼の声

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彼の声 2015.6.24 「戦争の原因」

2015/06/25

世界が複数の国家によって各国の領土で分割されている限り、
国家同士は暗黙のうちに戦争状態となっているわけだが、
その状態から世界を統一して戦争を終わらせるには、
やはり戦争によって他国を征服すること以外にはあり得ないだろうか。
現状では必ずしもそうはなっていない。
国家同士の関係は戦争以外に貿易があり、
戦争にも貿易にも企業が絡んでいて、
貿易や企業活動によって国家同士が結びついていれば、
戦争になりにくくなるのかもしれない。
では戦争が起こる可能性はどこから生じるのだろうか。
異なる民族や宗教や宗派同士の争いが
戦争のきっかけや大義名分になるが、
それは資源や権益の奪い合いや、
政治的な権力争いなどとして表面化するわけで、
本質的には利益の争奪戦が戦争に発展するのかもしれない。
そしてそれは戦争に発展しなくても、
社会の隅々で起こっていることであり、
例えば沖縄県民は米軍基地の集中によって、
自分たちの利益が損なわれていると感じるから、
日本政府と敵対しているわけで、
武装して戦っているわけではないが、
広い意味で本土政府と戦争状態とみなしていいのかもしれない。
また日本政府の右傾化政策によって、
徴兵制などが採用されたら、
若者たちの自由が奪われ利益が損なわれると感じるから、
解釈改憲による自衛隊の活動範囲を広める法案に、
多くの若者たちがデモ行進や集会などを開いて、
反対の声を上げているわけだ。
また派遣法の改正によって、
非正規雇用の低所得者たちに不利になるような法律が施行されると、
それによって不利益を被る人たちの政府に対する不満が高まるだろう。
そんなわけでたとえ戦争にならなくても、
特定の地域や世代や階層などの利益が損なわれるようなことをやると、
国内の政情が不安定となるわけで、
社会の中で問題となる争いとは、
ある特定の集団の不利益が表面化することに起因するのではないか。
そしてそれが長い間放置されたり、
不利益によって経済格差が広がったりすると、
場合によっては暴動や革命や内戦に発展したり、
他国がそれに乗じて介入してきたりすると
戦争に発展するのではないか。
逆にそのような政情不安を招くような事態を防げば、
戦争に発展する可能性がそれだけ低くなると言えるのではないか。
もちろんそれは自国だけでどうにかなるような問題ではない場合もあり、
現に今世界各地で起こっている紛争のように、
これまでの歴史的経緯から問題が生じていて、
そこにまた新たな問題も生じて、
事態がこじれてしまって解決が不可能と感じられるような紛争もあり、
さらにそこへ周辺諸国や超大国なども介入していて、
どうにもならないような事態となっているわけだが、
もしかしたらそのような紛争が慢性化している地域を除いては、
それなりに軍事力がある特定の国が、
取り返しがつかないほど経済的な窮地に陥らない限りは、
戦争になる可能背は低いのではないか。

そうならないためには、
国際的に貿易を拡大して、
国同士の経済的な結びつきを強め、
特定の国を孤立させないようすることが重要かもしれず、
アメリカが推進するTPPや
中国がやろうとしているアジアインフラ投資銀行なども、
建前としてはそのような趣旨なのだろうが、
それらに反対する勢力からは
それぞれにアメリカの企業や中国政府を利するだけで、
他の国の利益が損なわれる懸念が出ているわけで、
その辺でなかなか国際的な協力関係が築けずにいるわけだ。
一番いいのは各国政府が音頭をとるのではなく、
国連などが中心となってそのような試みをやればいいわけで、
実際にやられていて、
それも特定の有力国の利害が絡んできて、
うまくいっていない現状がありそうで、
その辺で国際協力の難しさがあるわけだが、
だからと言ってやらないよりは、
うまくいかないなりにもやり続けるしかないわけで、
各国の利害を一致させるような試みがこの先も続けられるだろうし、
少なくともそのような試みが続けられているうちは、
全世界を巻き込むような世界大戦は起こらないだろうか。
ともかく強国同士で決定的な対立に至らないことが
大きな戦争が起こらないことの必要条件なのかもしれないが、
果たして対立が起こるにはどのような原因や理由があり得るだろうか。
例えば中国の軍事的な膨張を放置すれば、
やがてかつてのナチスドイツや日本帝国のように、
外国へ軍事侵攻を開始するかもしれないと懸念する向きもあるが、
結果的にそうなったとしても、
だからと言って今すぐに周辺諸国が中国と対立して、
軍事的な緊張関係を煽るのは得策とは言えず、
南沙諸島の占拠などに対しては周辺諸国が抗議しつつ、
それに呼応してアメリカあたりが圧力をかけるにしても、
とりあえずそれらの国々にしても
経済的な結びつきは維持しているわけで、
またロシアのクリミア半島の併合や
ウクライナ東部への軍事介入にしても、
欧米諸国が経済制裁に踏み切ってはいるが、
中国をはじめとして他の国との経済関係は保たれていて、
ロシアを徹底的に追い詰めるような成り行きになっておらず、
今のところは中国ロシア両国ともに、
周辺諸国と決定的な取り返しのつかない事態になることは
避けられているわけで、
今後それがどうなるかは不透明だが、
少なくとも両国の首脳や政府関係者はともに、
今周辺国と全面戦争しても
自国の利益になるとは考えていないのではないか。
その辺がかつてのナチスドイツや日本帝国とは状況が異なるところで、
盛んに日本経済評論家の類いが中国経済の崩壊を煽っていたり、
また陰謀論者が欧米を裏から支配していると言われるユダヤ金融資本と、
ロシアのプーチンとの対決をまことしやかに語ってみせるのだが、
それの真偽はともかく、
日本のネット上でそんな話題で盛り上がっているうちは、
まだまだ戦争は起こらないような雰囲気を感じる。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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