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彼の声

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彼の声 2019.6.9 「国家の希薄化」

2015/06/10

国家体制を維持継続させるには何が必要だろうか。
逆に維持しなくても継続させなくてもいいなら、
話がわかりやすくなるだろうか。
日本が今すぐソマリアのように無政府状態になるとは思えないが、
政府による統治を突き崩すには、
武装勢力を結成して内戦状態に持ち込む必要がありそうだ。
だが今の日本でそんなことができるとも思えないか。
では武力には頼らずに政府を転覆させるにはどうしたらいいだろうか。
別に国家転覆を企んでいるわけではないが、
なんとなくそうなれば面白そうな気がする。
しかし国家統治を終わらせてどうするのだろう。
国内各地に複数の武装勢力が群雄割拠するだけではないのか。
紛争地帯では確かにそうだが、
平和な地域で政府の行政機構が崩壊するわけがないか。
たぶんやり方としては武装闘争ではないのかもしれないが、
実際に非武装で政府に反旗を翻しても、
警察などの治安組織につかまっておしまいなのではないか。
そういう意味では警察や軍隊などの
暴力装置を備えた行政機構に逆らうのは至難の技か。
ならばそういう政府との対決姿勢を鮮明にしないで、
向こうが気づかないうちに
国家を無化するようなやり方を模索できないだろうか。
個人が何をするわけでもなく、
どのような行動も起こさずに
世の中を変えることなどできはしないのだろうが、
ただ漠然とそう思ってしまうことが、
何を意味するわけでもなく、
世の中に何の影響も及ぼさないとしても、
なぜかそれと意識せずに、
そんなやり方を模索しているのかもしれず、
少なくともそれを言葉で構成して表明することはできそうだ。
しかしまだ具体的には何も思いついていないことも確かで、
それを空想するにも至っていないのではないか。

要するに冗談の域を出ない妄想でしかないだろうか。
何もしなくても国家が自然に崩壊するなんてありえないことか。
でも何の理由もなく警察や軍隊が民衆を弾圧することはないはずで、
その弾圧する理由がないままに、
人々が行政機構から離れていってしまう事態を想像できるだろうか。
見落としてはならないのは、
警察や軍隊などの行政機構を担っている公務員も、
一応はその国の国民であるということだ。
公務員と公務員でない一般人との対立軸が見出せなければ、
公務員が一般人を弾圧する必要がなくなり、
しかもそれで行政機構が崩壊の危機にあるような事態を
想定できるだろうか。
どうして行政機構が崩壊に至るのだろう。
例えば何もやることがなくなってしまえば、
それが存在している意味もなくなるのではないか。
しかし他の国家がある以上は、
対国家としての国家の存在意義は嫌でも生じてくるはずだ。
それ以前に何もやることがないなんてありえず、
逆に自ら進んでやることをこしらえている最中でもあるのではないか。
だがそのやることがことごとくうまくいかなければ、
次第にやることがなくなってくるかもしれない。
とりあえずは税収がある以上は、
それで予算を組めてその予算を使って仕事を作れるのだろうが、
その税収が先細りになって借金も限界に達すれば、
なかなか新たに仕事を作れなくなるのではないか。
それは現に債務超過のギリシアで起こっていることだろうか。
だからといってEUの支援を受けなければ
ギリシアが国家として崩壊するわけでもなく、
国民が貧しくなるだけで、
それでも行政はそれなりに機能し続けるのかもしれない。
実際に債務破綻を宣告されたアルゼンチンが
国家として消滅したわけでもないし、
国家の崩壊とそれらとは違うことかもしれない。

では国家の崩壊とはなんなのか。
歴史的には他国や周辺民族から軍事侵攻されて
崩壊するパターンならよくあったことだが、
それ以外での国家の消滅なんてありえるだろうか。
そもそも他国から攻撃されずに
国家が崩壊する可能性を探ること自体が間違いなのか。
それともこれからかつてないことが起ころうとしているのか。
世界的に人々が国家に対して関心がなくなってくれば、
何も起こらなくても国家が形骸化してくるかもしれない。
誰かがあるいは何か特定の勢力がそれを仕掛けているわけではなく、
そもそも国家は他の国家と対立していないと、
国家としての体裁を保てない存在なのではないか。
経済の貿易摩擦とか国境紛争とか、
何かしら問題を抱えていることで、
国内向けに他国の脅威を喧伝し危機意識を煽り、
国民として一致団結しようなどと為政者が呼びかけ、
そうすることによってかろうじて国民と呼ばれる集団が、
互いに利害が対立している問題を棚上げして、
結束を固めることができるのであり、
日頃は職場や隣近所でいがみ合っていても、
直面している国難を乗り越えるために
協力し合えるのかもしれないが、
それが平和な状況で果たして有効に機能するものなのか。
結局メディアを通じて世界中から入ってくる情報量が、
昔と比べると格段に多く膨大な量なので、
一部の国粋主義者を除くと、
その危機意識を煽って国民を一致団結させるやり方が、
あまり効果を発揮できないのかもしれず、
日本の場合は特に周辺諸国と戦争状態であるわけでもないし、
領土問題にしても
それで武力衝突するとは思えないような状況であることは、
誰もが感じているところなのではないか。
要するに状況的に平和であればあるほど、
国家そのものは希薄化する傾向にあり、
それに対して自覚があるかどうかはわからないが、
政権を握っている側の政治家などには焦りが生じていて、
盛んに他国の脅威を煽り、
国会でも自衛隊による戦闘行為の可能性を広げる法案を提出してみたり、
恒久平和を目指す憲法第9条の改正を目指したりしているのではないか。
要するに為政者や国家権力を握っている側からすれば、
平和こそが真の国家に対する脅威なのかもしれない。
ということは、
このまま戦争がない状態が続いて行けば、
国家がそのものが次第に形骸化して行き、
ついには崩壊してしまうだろうか。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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