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彼の声

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彼の声 2015.6.1 「世界的な貧富の格差」

2015/06/01

何かしら抵抗があるらしく、
すんなりとはいかないらしいが、
とりたてて何を通そうとしているわけでもないのだろう。
ただそれについて考えている。
民主主義は国家を必要としているが、
国家は民主主義を必要としているわけではない。
官僚機構が国民を管理すればそれで十分なのだ。
中国などはその典型で、
あらかじめ当選者が決められ、
形だけの投票制度があるみたいだ。
要するに共産党系の候補しか当選できないのだろう。
アメリカは中国よりもう少しマシで、
ほとんど民主党か共和党の候補者しか当選できないようだ。
一党独裁国家か二党独裁国家かということになりそうだが、
二党であれば独裁とは呼ばないので、
かろうじて民主主義が実現していると言えるだろうか。
制度よりも具体的にそこで何か行われているかが問われるべきか。
例えば日本国民が何を望んでいて、
政治がそれを実現できる見込みがあるのだろうか。
平和でそこそこ食っていけるだけの産業があれば、
それでかまわないような気がするのだが、
大企業がいくらでもある国だからそうはいかないのだろう。
まさか国力が衰退していくことを
国民の大半が望んでいるとは思えないし、
今より景気が良くなって
物質的にも精神的にも豊かな暮らしがお望みなのかもしれないが、
一部の金持ち階級はさておき、
すべての国民がその恩恵に与れるには、
ちょっと人口が多すぎるのかもしれない。
というか他の国の現状を見る限り、
まずは日本よりは現状で貧しい国が豊かになった方が、
世界平和に貢献するのではないか。
結局欧米諸国や日本などの先進国が今の豊かさを維持するためには、
それらの貧しい国から搾取しなければ維持できないのではないか。
つまり先進諸国が豊かさを享受していることの裏返しが、
貧しい国々で飢餓や武力紛争が絶えないことの
原因となっているのではないか。
だが世界が資本主義市場経済で覆われている限り、
貧富の格差があることは止むを得ず、
貧しい国でも特権的な支配階級が
裕福な暮らしを謳歌している例など、
いくらでもあるのではないか。
過去の日本において比較的貧富の格差が少なかった時期は、
たぶん高度経済成長期に工業製品を輸出して、
国内に富を蓄積できたことにあり、
バブル期の不動産投機などにより
実態からかけ離れた資産価格にまで上昇して、
それがはじけて少ししぼんだものの、
やはりまだ輸出で儲けた蓄積が残っていて、
そのアドバンテージによって
今まで食いつないできたのかもしれないが、
たぶん今後は世界的な貧富の格差の実態が、
そのまま日本国内にも適用されるような状況となるのではないか。
ともかくピケティがデータ的に明らかにしたことによれば、
戦争や経済恐慌などがない限り、
経済成長率より資本投資によって回収される利益率の方が
常に高いわけだから、
金持ち連中は手持ちの金や銀行などから融資を受けて得た金を、
各種の資本へ投資することによってますます豊かになる一方で、
資産のない一般の人たちは賃金労働によって金を得るしかないから、
経済成長率が下がれば給料も上がらないし、
とりあえず現状で何もしなければ、
経済的な貧富の格差は開く一方なのだろう。

もちろんそれを政治家や政党が放置するわけがなく、
国民を豊かにする政策を実行しているはずなのだろうが、
国民の多くはそれがまやかしだと思っているようで、
実際に豊かさを実感できないとすれば信用するはずがなく、
日本では政府に協力的なメディアを駆使して、
なんとか国民に豊かさを幻想させようとする節までありそうだが、
中には隣の韓国はもっと酷い状況だと煽って、
それと比べれば日本の方がはるかにマシだと主張する人たちまでいて、
そのような取り繕い方がどこまで有効なのか、
本当に大半の国民がそんな情報操作で納得するのか、
たぶん納得していないだろうし、
昨今の選挙での投票率の低下を見れば、
もう政治には期待していない人たちが
国民の約半数を占めているような状況らしく、
そのようなところから民主主義の危機が叫ばれているわけだ。
では例えば民主主義がまだ有効に機能していると思われる
ヨーロッパ諸国などはどうかといえば、
豊かさを求めてアフリカや中東などから
移民が押し寄せている段階で、
そのような流れが一段落してみないことには
なんとも言えないだろうが、
例えばスイスなどは金持ち相手の銀行業や
高級ブランド時計などが一大産業化しているわけで、
世界の金持ちがスイスの銀行に口座を設けたり
高級時計などを定期的に買い続けてくれれば、
スイス国民はその豊かさの恩恵を受け続けられるわけで、
要するに民主主義も金次第ということなのだろう。
そしてかつての列強諸国などは、
過去の植民地経営などで蓄積した富もあるだろうし、
そのような富を投資に回せばさらに多くの富を回収できるし、
結局高級ブランド商品や資本投資などで
世界中から富を収奪することによって、
ヨーロッパの民主主義が成り立っている面もあるのだろうから、
アメリカのように軍産複合体が紛争地帯に武器を売り込んで、
戦争を起こして金儲けしている、
といった類いのわかりやすさがない分、
より巧妙に立ち回って金儲けをやっているわけで、
それらの国々の社会民主主義的な
高福祉による豊かさだけに目を向けて、
日本も見習うべきと主張するのはちょっと危ういような気がする。
そんなわけで経済的な豊かさに幻想を抱いている人たちは、
そのまま経済的な利益を追求してもらえばいいだろうし、
こちらが何か否定的なことを言っても馬耳東風なのだから、
それはそれでかまわないのだろうが、
それ以外の人たちは民主的な国家の制度にも
あまり救いがないことを自覚すべきなのではないか。
そして救いがなくてもかまわないこともわかるべきなのではないか。
そしてわかった上でなお政治に望むことがあれば、
社会の不具合や不正を是正するような主張をしている人たちに、
選挙などで投票すればいいだろう。

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創刊日:2001-03-26  
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