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彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2015.5.23 「流行り廃りの世界」

2015/05/24

将来に対する悲観的な展望など
いつの時代でもあったことは確かかもしれない。
例えば現状では国家と資本主義が世界的に行き詰って、
末期的な様相を呈していると言えるだろうか。
それもいつの時代でもそうだったのだろうか。
平和な高度経済成長の時期であっても、
当時は公害問題などが深刻な社会問題となっていたのではなかったか。
そして世界では東西冷戦時代で、
世界各地で内戦や戦争が頻発していたはずだ。
中東ではイスラエルと周りの国々との間では
何度か大規模な戦争があったし、
南アフリカやローデシアではまだ人種隔離政策が続いていて、
ネルソン・マンデラも獄中の身だった。
また核戦争による世界の終末もまことしやかにささやかれていた。
それらの時代と今の時代では何がどう違っているのか。
要するに国家も資本主義も
信じられなくなってきたということだろうか。
化けの皮が剥がれてその限界が明らかになってきたわけか。
貧富の格差などによって社会の中での階層が固定化され、
貧困層から抜け出られる可能性が閉ざされてしまったわけか。
またヘイトスピーチなどに見られるように、
差別が平然と叫ばれそれが助長されている風潮もあるのだろうか。
人々の間で精神的な余裕がなくなり、
対立や敵対関係を無理にでも煽ろうとする人々が
跳梁跋扈している現状もあるようだ。
またメディアもそういう人たちに脚光を浴びせ、
そうすることで利益を得ようとする節もあるらしい。
それらの現象が何を意味するのだろう。
単に世も末だということだろうか。
世間の良識や常識のタガが外れてきたとも言えるだろうか。
でもそうだからといって
これから弱肉強食の暗黒時代が
到来するわけでもないような気がしている。
もしかしたらそれらの全ては
冗談の範囲内で行われていることなのかもしれない。
要するにお笑いなわけで、
例えば今世界的に注目を浴びているイスラム国の建国理念なども、
千数百年前のイスラム帝国の再興などという
ありえないことを平気で掲げているわけで、
その指導者がカリフを名乗っていること事態が
時代錯誤も甚だしいわけだが、
それでも現実に戦闘によってその支配領域を広げつつあるわけだから、
あながち冗談で済ますわけにはいかないだろうが、
日本の首相をはじめ、
メディアを通して伝わってくるその主張が、
子供だましのように感じられてしまうのは否めないところだろうか。

とても本気で言っているとは思えないようなことを
平気で口にしてしまう、
といったほうがより正確な印象だろうか。
ロシアのプーチン大統領や中国の習近平主席なども、
西側諸国の首脳たちの言っていることが信用できないから、
自分たちの身や自国を守るために強硬な手段に出ているのかもしれず、
それが周辺地域への侵略となって顕在化しているのかもしれない。
彼らの肩を持つ気にはなれないが、
そうやって絶えず圧力をかけていないと
もはや広大な国家の領土を維持できないのだろうか。
それはアメリカなどとともに、
大国という勢力圏が
崩壊する一歩手前まで来ていることを物語っているのか。
EUも南から押し寄せる移民問題で頭を痛めているようだし、
栄えている地域には
絶えず周辺の貧しい地域から人々が侵入してくるその構図は、
古代の帝国が崩壊する過程と一致しているのだろうか。
アメリカも国内で没落しつつある中産階級をなんとか助けようとして、
TPPによって工業製品や農産物の輸出を促進して、
それらの産業を復興させようとしているのかもしれないが、
果たしてそのしわ寄せで
日本の産業が崩壊する事態となるのかならないのか。
もしかしたら資本主義的な商品の生産・流通・消費の形態でなくても、
やって行ける可能性があるのかもしれず、
そのような形態が編み出される過程で
従来からある産業構造が崩壊するのなら、
アメリカの試みが格好のきっかけを作るのかもしれない。
たぶんそれは人々が望んでいるのとは、
まったく違った方向なのかもしれないが、
いったん固まったかに見える社会のヒエラルキーの構造が、
これから各国の思惑や企業活動や市民運動などの相互作用から、
解きほぐされてまた違う構造に編成し直される過程を、
今まさに経験しつつあるのかもしれない。
そのような流動性を今はまだ感じ取れないだろうが、
現状で不快な思いをしている人が多ければ多いほど、
そうなる可能性も高まるのだろう。
そして明らかにおかしなことを述べている人たちが、
現にメディア上に大勢登場しているわけだから、
それらの人たちがいつまでもそのまま
のさばっていられるとも思えない。
大衆社会の中では流行り廃りのサイクルが確実にあり、
おかしなことを述べて人気を博している人が、
その化けの皮がはがれると、
急速にその力が減退して、
遠からずその存在は忘れ去られる運命にある。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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