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彼の声 2015.5.20 「空回りする民主主義」

2015/05/20

民主主義を支えているのは資本主義なのかもしれない。
少なくとも今まではそうだったはずだ。
普通言われる資本主義に対抗していた社会主義も、
国家資本主義的な形態であったのだろうから、
資本主義の一種だったのだろう。
人は労働して金を稼ぎそれを糧として生きてゆく。
世の中の大多数の人がそうやって生きていれば、
それで良かったはずだが、
稼ぎにも多い少ないがあったり、
コネで優遇されている人もいたり、
生まれながらに金持ちの家の子息がいたり、
そういう不平等があからさまにまかり通ってくると、
人々の間に不満が高まり、
民主主義によって資本主義から生じている不平等を
なんとか是正したくなるわけだ。
その結果所得が多い人ほど税負担が重くなるようにしてみたり、
それでもダメなら今度は
資本そのものに課税するような提案もあるわけだが、
根本的なところで、
不平等を助長している人たちが、
政治的な実権を握っている現状があるわけだから、
しかもそういう人たちが
政治的な実権を握りやすい仕組みができているわけだから、
それを無視していくら民主主義な平等の実現を訴えたところで、
うまくいくはずがないのだろうが、
それでも保守的な強権政治を前にすると、
訴えざるを得ない状況になっているようで、
しかも訴えている人たちが、
これまた不平等を助長している比較的裕福な人たちなのだから、
そしてさらに不平等を被っている人たちが
そういう人たちに共感したり、
その主張に賛同したりしているわけだから、
実質的には何がどうなっているわけでもなく、
たぶんチベット仏教に用いられるマニ車のように、
その民主主義の掛け声やお題目が空回りしているだけなのではないか。
そしてそのような空回りも資本主義に支えられているわけで、
そのような訴えかけが広く世間に伝わるのも、
商業的なメディア空間を通して伝わるわけだ。
どう考えてもうまくいくはずのない試みを、
多くの人たちがひたすらやっていて、
しかもそれをやることが生き甲斐となっているならまだしも、
中にはそれがメディア的な商売となっている人たちもいるわけで、
果たしてそのような民主主義の実現や実効性を信じる必要があるのか、
はなはだ疑問を抱かざるを得ないのだが、
要するにそうすることが、
民主主義的な制度となっているのかもしれず、
それこそが民主主義の実態そのものなのではないか。

人は必要に迫られて労働しているのであって、
しなくてもかまわないなら働かないだろう。
生活保護受給者が働かないのは、
人として当然の態度なのではないか。
生活保護に至るまでに
労働によって大変なひどい経験をしてきたのだろうから、
もう働きたくないのも無理はないのではないか。
いったんそうなってしまえば後戻りはできないのかもしれず、
そんな二度と立ち直れないような人たちを
批判したところで意味がない。
結局そこへ至る前になんらかの歯止めをかけて、
人々を労働に引き込まないと、
行政としても税収が減るし負担が増えるし、
その辺をなんとかしたいところなのかもしれないが、
果たして食い止めるための有効な手段があるのだろうか。
そこで産業を振興して働き口を増やすしかないのかもしれないが、
一方で企業の方はなるべく有能な人材が欲しいのであって、
しかも経済競争を勝ち抜くためには、
無能で使い物にならない人材を大勢抱えていたら、
企業自体が倒産してしまうだろう。
結局資本主義的な経済競争には不必要な人たちが
世の中には溢れかえっていて、
しかもそういう人たちが物や情報を買ってくれないと、
経済が回って行かずに
資本主義が成り立たなくなってしまうとしたら、
働き手としては必要ないが、
商品の買い手としては必要とされているとすれば、
もうすでにそこで資本主義は
遠からず破綻する運命にあるのかもしれないが、
そこで行政は教育に力を入れて、
質の高い労働者を教育によって作り上げ、
それを社会に供給することで、
資本主義を支えようとするのかもしれないが、
しかしそれでも人余りだとすればどうにもならないだろう。
企業の方でそんなに大勢の人材は必要ないということなら、
いくら人を社会に送り出しても意味がない。
現実にはやりたくない仕事なら人手不足で、
いくらでも人材が欲しいのだろうが、
しかしそれは教育によって作り出された質の高い労働者にとっては、
当然やりたくない仕事であり、
逆にやりたい仕事ならいくらでも希望者がいて、
今度はそれをやりたいのにやれない人が大勢出てしまい、
でもそのやりたくてもやれない人たちが、
やりたくない仕事をやろうとするかといえば、
これも当然のことながら、
経済的に追い込まれでもしない限りはやらないだろうし、
結局そういうところからも人々の不満が鬱積してくるわけだが、
それを民主主義が解決できるとは思えない。
そしてそれを保守的な政治家たちが解決しようとするから、
独裁的な強権政治なるしかなく、
そこで民主主義の危機が叫ばれているわけで、
結局その辺の不条理の周りを
言葉や主張がぐるぐる空回りしているわけだ。

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創刊日:2001-03-26  
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