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彼の声

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彼の声 2015.5.19 「競争原理の不条理」

2015/05/20

不条理に直面しているのかもしれない。
だが言葉で示せば簡単なことだ。
不条理にも程度があって、
直面している不条理はまだ深刻なものではないのかもしれない。
不条理とはなんだろう。
ただ漠然とそう思うだけで、
不条理が示す意味とは少し違うような気もして、
厳密にはそうではないような気がする。
ではなんなのだろうか。
直面しているのは不条理ではないわけか。
本当のところはよくわからない。
無理にわかろうとすれば、
不条理であってもなくてもどちらでもよくなってしまいそうだ。
確かにそれが不条理でなくてもかまわない。
それらは全て常識の範囲内で行われていることなのではないか。
その言葉が示す現象に飛びつけば、
それは常識の範囲内で飛びついていることになりそうだが、
そこで人々は何に飛びついているのか。
それはどんな現象なのだろうか。
ただの政治的な駆け引きに巻き込まれているのだろうか。
政治的な駆け引きとは具体的にどんなことなのか。
現状維持とか改革とか、
そんな単純化では済まない現象なのだろうか。
相手を批判するときはそれでは現状維持だと批判して、
自分たちは現状を改革しなければならないと使命感を強調するが、
しかしその改革の中身はどうなっているのか。
要するにその中身について賛成か反対か民意を問うわけだ。
それ以上を求めるわけにはいかないだろう。
しかし実際には何が問われているのだろうか。
それは国や地方自治体の行政のあり方が問われているわけか。
いったい行政組織はそこに住んでいる住民に対して
何をすればいいのだろうか。
それは行政改革すればなんとかなるような問題なのだろうか。
住んでいる住民がそれに対してどう考えどう判断すればいいのか。
たぶんそこに有効だと思われる方法が示され、
それを実行したいのだろう。
そしてそれが実行されたなら、
うまくいくのではないかと改革派は主張するわけだが、
そのようなやり方がどの程度説得力を持つのだろう。
だからそれが信用できるか否かも賛成か反対か民意を問うわけだ。
行政のあり方を問うシステムとはそういうものなのだろう。
そしてそれとリンクして、
あるいはそれとは別に産業の問題があり、
行政が産業振興する必要があるのかという問題もありそうだ。
確かに行政が富国強兵政策を推進していた時代もあったのだが、
現実問題として他国に軍隊を進攻させ、
そこから資源などを略取して自国を富ませる政策は
できなくなっているわけで、
残るは産業振興策しかないから、
住民たちに幻想を振りまくには、
自分たちの改革が成し遂げられ成功すれば、
経済的に豊かになれると主張するしかないわけだ。

だが果たして国内だけの行政改革で経済的に豊かになれるだろうか。
それ以前に自国だけが豊かになっていいのだろうか。
今より経済的に豊かになろうとすることを
あきらめたらまずいのだろうか。
住民に向かって豊かさの幻想を振りまくことで、
支持を集めようとしているのだから、
政治家にとってはそうするしかないのだろう。
それ以外に選択肢はないのだろうか。
福祉の充実とか住環境の快適さなども、
経済的な豊かさがあってこそ達成されることだろうか。
そうなると他の自治体や他の国との競争に勝つための方法が模索され、
他の自治体や国との関係は
武力を伴わない戦争状態となるしかないのではないか。
そういう経済戦争的な価値観が住民に受け入れられているうちは、
経済的な豊かさを勝ち取るための競争をあおる政治家が
人気を集めるのだろう。
たぶん世界的には国家が積極的に産業育成に関わり、
それに成功した国が豊かさを享受していて、
それに乗り遅れたりうまくいかなかった国が、
貧困国となっている現状がありそうだが、
貧困国などの中でも、
ブータンなどは住む家があり飢えずに食べていければ、
とりあえず幸せだという価値観が住民に浸透しているようで、
ただ闇雲に産業育成して先進国を目指すのではなく、
というか後進国にはそういうやり方は
もはや無理だという認識があるから、
現状を維持しつつも変わることは拒絶せず、
背伸びせずにできる範囲内で生きていこうという姿勢で、
国全体がまとまっている印象があり、
それで幸せの国という印象を持たれているらしい。
そういう国に工業製品を洪水のように輸出して
搾取することがあってはならないだろうし、
経済戦争のような価値観で日本が中国と競い合って、
アジアの盟主とならなければならない、
とか主張するような政治家を果たして支持すべきなのか、
その辺はよく考えてみたほうがいいだろう。
資本主義市場経済で動いている限りは、
そんなきれいごとは言っていられないし
実際に通用しないのかもしれないが、
経済的な豊かさを追求し効率を重視して競争原理を導入すれば、
例えば企業などは正社員は一部の管理職に限られ、
誰にやらせてもいい部門はパートタイムで必要な人員だけ雇って、
業績が悪化すればそれを解雇すればいいし、
業績が良くなれば人員を増やせばいいわけで、
そういうことがまかり通るようになるだろうし、
豊かさを求めたことが
かえって多くの人が貧しくなるという不条理に直面するわけだ。

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創刊日:2001-03-26  
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