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彼の声

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彼の声 2015.4.17 「金儲けのノウハウ」

2015/04/18

誰かがネットで金儲けのノウハウが書かれた本を売りたいらしい。
高収入を得るには
他の人たちとは違うことをしなければならないそうだ。
そんな宣伝文句を聞いているうちに、
なんだかくだらない気分になってくる。
宣伝文句に騙されてそのハウツー本を買う人も中にはいるのだろうか。
騙されるわけではなく、
本当にその本を読んで書かれている通りのことをやれば、
高収入を得られるのではないか。
そんな成功例も宣伝文句に含まれているわけだ。
どうも何かがずれているようだ。
そこから何を空想しても虚しいだけだろうか。
しかし何を空想しているのか。
この世には争いごとしかない。
人と人がいれば争いが起こり、
不快なことをやってくる。
人を不快にさせることが正しいことなのだろうか。
その内容にもよるのではないか。
世の中には偽善がはびこっているわけだ。
誰もが自分に正義があるように見せかけようとして、
行為の正当性を主張している。
それを偽善とみなすのは間違っているだろうか。
それとも偽善ではない別の何かを探しているのか。
この世界の中に何があるというのか。
人間社会には人間がいるだけか。
そして商品がありそれを売って金を得なければならないわけか。
それだけなのだろうか。
では他に何を求めているのか。
金を得るための方法が書かれたハウツー本が欲しいのか。
そうではなく無駄な迂回なしに直接金が欲しいのではないか。
でも強盗をやって奪うのではまずい。
結局他人と違うことをやらないと成功できないのではなく、
他人と違うことをやっても、
その他人から相手にされなければ
成功できないということではないのか。
そういうところでハウツー本を宣伝している人は
嘘をついているのだろうか。
半分は本当であり、
残りの半分は嘘なのかもしれないが、
何をどうやっても結果論であり、
結果的に成功した人にとっては、
自分のやり方が正しかったから成功したと主張したいわけだが、
その通りのやり方を他人に勧めても、
それでその他人が成功するとは限らない。
それとは逆に大勢の人たちが同じようなことをやれば、
その中の数人は成功するのかもしれず、
プロスポーツの世界ではそれは普通で、
数多くの人たちが同じことをやって、
その競争の中で勝ち上がってきた者だけが成功して、
大金を獲得できるわけだ。

しかし意識は金を得る以外に何を考えているのだろうか。
それとは関係のない世界を空想している。
他人に物や情報を売る行為が不快なのだ。
他人に頭を下げたくないわけだ。
それは金を得るには避けては通れない試練だろうか。
そういった不快な行為を避け、
なおかつ金を得るにはどうしたらいいだろうか。
そこで思いついたのが、
金儲けのノウハウを書いた本をネットで売るという発想だろうか。
この本の通りにやれば苦労せずに不快な思いもせずに、
大金を稼ぐことができるというわけか。
しかも今なら定価が五千円のところを
二千九百八十円で買うことができ、
読んで不満なら三十日以内に本を送り返せば、
代金を全額返却するということらしい。
ここまで言われてそんな儲け話を信用することができるだろうか。
金に困って切羽詰まって平常心ではない人なら、
中には信じて本を購入する人も出てくるか。
普通のネットのサイトにそんな広告宣伝があるわけだから、
たぶん本の購入者も結構いるのではないか。
広告宣伝費を払ってなお儲かっているのかもしれない。
要するに金儲けのノウハウを売って金儲けをしているわけか。
それはまるで冗談のようなカラクリだろうか。
普通の企業コンサルタントも似たような商売なのだから、
あり得ないわけではないだろう。
でも企業より企業コンサルタントの方が多いなんてあり得ず、
コンサルタント同士の間にも競争があり、
一人で何十件もの顧客を抱えていないと商売にはならないはずで、
本を読んで多くの人たちが同じようなことをやれば、
結局競争となってしまうから、
当然そのほとんどは儲からなくなってしまうわけで、
要するにその本が広告宣伝費を払っても儲かるほど売れていれば、
当然数多くの人がその本を買って読んでいるわけで、
中にはその本の通りの金儲けを実践している人も数多くいるとすれば、
やはりそこには競争が生じていると考えるのが自然だろうし、
競争があればその中で勝ち抜いて大金にありつけるのは、
たぶんほんの一握りの人に過ぎず、
そうなると本の通りにやっても
必ずしも儲かるわけではないとなってしまうわけで、
結果的に本の内容が嘘であることが証明されてしまうのではないか。
そんなわけでこの本の通りにやれば儲かるというのは、
本が売れれば嘘になるという矛盾を抱えているのかもしれない。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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