文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2015.4.1 「人間の昆虫化」

2015/04/02

肝心なことは何もない。
何が重要でもないのかもしれない。
人は管理されて生きている。
組織の中ではそうだ。
その方が効率がいいからだろう。
組織は人の動作を利益に結びつけるために管理しているわけだ。
その一方で人は自らが自由であることに価値を見出す。
できれば組織の管理から逃れて勝手気ままに行動したい。
だがそれでは利益に結びつかないから、
嫌々管理されながら、
組織がもたらす恩恵に与かっている。
その二律背反を解決するにはどうしたらいいだろうか。
進歩的な知識人は組織を自由で上下関係のないシステムにしたい。
その考えは矛盾しているだろうか。
人々を目的のために動作させたければ、
それ以外の動作を制限しなければならない。
同じ目的のために組織内のみなの気持ちを一つにしなければ、
うまく組織が動いて行かないだろう。
人は組織の中で何を納得したいのか。
自由と引き換えに利益を手にしたいのだから、
妥協は不可欠だ。
そうやって自らを納得させたいのだろうか。
それでもまだ自覚が足りないのだろうか。
不条理だと思っておけばいいのではないか。
どう考えても納得しがたいのなら、
そのような動作は不条理なのではないか。
すべてが自由というのはありえないし、
生活のすべてを管理されているわけでもない。
仕事をしている間だけ管理されていることで妥協したいわけで、
そのために企業形態があるのだろう。
そのような形態に不満があるなら、
不満を言えばいいわけだ。
実際に不満ばかり言っている人も大勢いるだろう。
不満を言うことで組織と戦っているわけだ。
組織内にいながらも組織と戦っている。
戦うことで組織内において
自らの自由になる領域を増やそうとしている。
条件闘争というやつだ。
組織内でも組織外でも組織同士でも、
そのような争いごとの中で、
絶えずせめぎ合いが行われ、
主導権をめぐる駆け引きがあり、
そうやってなんとか自由になる領域を広げようとしているわけだ。

人間社会にはそのよう争いごとが不可欠だろうか。
人と人あるいは人と組織または組織と組織が隣りあわせれば、
必ず争いごとが起こり、
また争いごとをしずめるための話し合いも起こる。
なんとか互いの妥協点を探り出して、
争いごとにけりつけるための算段が用意され、
うまく事が進めば妥協が成立する可能性もあるわけだ。
そんなことが繰り返され、
これからも延々と争いごとが続いてゆくのではないか。
それが国家であったり企業であったりするわけで、
それらの諍いが終わることはなく、
終わらないからこそ、
組織による人間の管理はいつも破綻をきたすのだろうか。
管理が完成した時点で
抵抗する人間がいなくなってしまうとすれば、
それでは人間が人間でなくなり、
ロボットのような決められた動作しかしなくなってしまうから、
そんなのはありえないことだと思うなら、
やはり組織に対する人の抵抗は、
組織がある限り未来永劫続いてゆき、
決して終わることはなく、
抵抗が続く限り組織による人の管理が完成することはないわけで、
結局組織と組織を構成する人間との関係は、
永遠に二律背反の不条理な関係となるしかないのではないか。
そこで行われているのは、
争いごとであり力のせめぎ合いであり、
要するに常に戦争状態のわけだ。
そしてその戦争状態が終わり、
かつそこで組織が存続しているとすれば、
組織による人間の管理が完成したことになり、
そこで人類の終焉が訪れるわけだが、
つまり組織が目指している状態とは、
人が組織に敗北して、
その意味するところは、
人間が人間でなくなるようにすることであり、
要するにそれは人類の滅亡ということではないか。
結局人は効率的に利潤を得るために組織を作り、
人を組織に依存させようとするわけだが、
それを突き詰めて行けば、
組織が効率的に動作するように人の自由を奪い、
組織の目的に沿うように人を作り変えることになり、
そのように作り変えて行くと、
人が人でなくなってしまうことになり、
そして最終的には人類の滅亡に至るのではないか。
果たして今後そうなる可能性があるのだろうか。
それとも人は人でなくなっても人でしかないのだろうか。
どうしても究極の組織形態とは、
昆虫の蟻や蜂の群れを想像させるのだが、
人も蟻や蜂の群れのように
効率的な組織形態へと進化を遂げるべきなのか。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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