文学

彼の声

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彼の声 2015.3.15 「個人と集団の関係」

2015/03/16

何が前提となっているとも思えないが、
人を支配しようとする動作に抗うのは自然の成り行きだろうか。
だが世界には国家や企業や宗教団体など、
人を大勢その支配下に置いている団体が数多くあり、
そのような団体によって
人間社会が成り立っていると言っても過言ではない。
人は他人と協力しなければ何もできないだろうし、
多くの人たちが協力し合えば、
自然とそこには団体が生じ、
団体が大きくなれば、
そこには階級や指揮命令系統が生まれ、
団体の代表者を頂点として官僚機構が生じる。
そういう動作が生じるのは仕方のないことだが、
それが個人の自由を奪うような力を及ぼしてくれば、
それに抵抗しなければならないわけで、
そのような抵抗としての動作が生じるのも仕方のないことだ。
結局は個人と団体との力関係の中で、
支配とそれに対する抵抗というせめぎ合いが生じるのが
社会の有り様と言えるだろうか。
団体によって生じる力を利用しつつ、
その恩恵に与かりながらも、
同時に団体から及ぼされる支配の力に屈してはならないのだから、
個人はその都度難しい対応が迫られているのかもしれず、
そこで力に屈して、
団体に対する忠誠や服従してしまう人が大勢出てくると、
自由がなくなって社会全体が息苦しくなり、
個人にとっては不快な世の中が到来するのかもしれないが、
集団内で権力を持つ人間にとっては理想的な社会になるだろうか。
そして権力欲があり自分も集団内での権力闘争に打ち勝って、
権力を持つ階級へと上り詰めようと欲する野心的な人間にとっては、
そのような社会は願ってもない理想的な社会環境だろうか。
結局そういう人間は集団の意向に従いながらも、
その集団内で命令を下す立場になりたいわけだ。
だがそういう立場になれるのは一握りの少人数にすぎず、
絶えずその地位を巡って
競争相手と権力闘争に明け暮れなければならない。
そしてそのような競争や闘争も、
やがて制度の停滞とともに社会の中で特権階級が出現して、
その階級の出身者しかそういう立場になれなくなるだろう。
一応は誰もがそのような競争に参加できる仕組みが、
いわゆる民主主義社会と呼ばれる社会には備わっていて、
建前上は法律によって
万人による平等な競争が保証されているわけだが、
法律だけではそれを保持することはできず、
例えば民主主義の根本をなす国会議員などは、
世襲議員や官僚上がりの議員だらけで、
特定の階層に属さない限りは、
なかなか特定の社会的な地位にはなれなくなってしまうわけだ。

そんなわけで個人の自由を確保するためには、
集団の結束を弱めるしかないわけだが、
個人が力を求めるには、
集団の結束を強めて、
その集団内での権力闘争に勝ち抜いて、
他人に命令を下せる立場を占めればいいわけだ。
要するに社会の中で個人の自由がなくなるほど、
集団内で特定の個人の力が強くなる。
その究極が政治的な独裁体制なのだろうが、
果たして万人がそうなることを望んでいるのだろうか。
もちろん望んでいないのだろうが、
一方で社会の中で好き勝手なことをしたい個人などいくらでもいて、
そうした権力欲を抱く人たちの利害が一致して、
それを目指して多くの人たちが結束すると、
やはり全体主義的で不快な世の中が到来するのだろう。
それはもはや個人の意志ではなく、
集団の構造的な意志となって、
集団内の個々人に意識されてしまうようなものなのではないか。
そうした集団内にいると、
自然とそうした集合的な意志に従うようになって、
その集団を守るための意志を動作させる
歯車のような存在となってしまうのかもしれない。
そうした集団を維持継続させるために個人が犠牲となり、
それに歯向かう輩は
暴力を用いても排除する仕組みが出来上がるわけだ。
そうした事態を避けるにはどうしたらいいのだろうか。
現状では避けられない。
避けることができないから、
主導権を巡って各種の集団同士で対立が起こり、
集団内でも権力闘争が起こっているわけだ。
そして多くの人たちが闘争に敗れて服従を強いられ、
闘争に勝ったごく一握りの者たちが支配者として君臨するわけか。
たぶんそうならないために、
人々は民主的な政治体制を欲してきたわけだが、
今のところ建前上は成立している民主的な政治体制の中でも、
人々は集団内で命令を下す立場を巡って権力闘争に明け暮れている。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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