文学

彼の声

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彼の声 2015.3.6 「差別の構造」

2015/03/08

たぶん個人の意見とは、
テレビや新聞や雑誌やネットや書物などメディアを通じて入ってくる、
有名人や芸能人や評論家や作家やジャーナリストなどの意見から、
影響を被って構成されるのだろう。
結局メディア上で発せされる意見の受け売りと考えてしまうと
身も蓋もないが、
メディア以外に個人の思考に影響を及ぼす要因があるだろうか。
例えば日々の生活の中で、
周りの人間や現実の体験などから、
その人独自の意見や考えが生まれてくるだろうか。
人々は現実の生活の中で何を体験しているのか。
曽野綾子が有色人種などの外国人に抱くアパルトヘイト的な感情も、
一般の日本人と大差はないような気がしてしまうのは、
やはり日々の生活の中での体験から生じる実感かもしれず、
建前としては誰もが曽野の差別的なコラムを読んで
憤慨するそぶりを見せるわけだが、
現実にその種の外国人と隣同士になったときにどうなるのか、
欧米などでの事例などから想像すると、
曽野的なメンタリティの持ち主が大量に出現するような予感はする。
そもそも外国人に
日本人がやりたくない仕事をさせるという発想からして、
すでに差別意識があるわけだから、
曽野のような態度で外国人を扱うことは目に見えているわけで、
対等な立場で外国人に接するのは無理なのではないか。

それでも外国人の出稼労働者などいくらでもいて、
中東の石油で潤っている王国など、
アジアからの出稼労働者が大量に雇われていたりするらしいから、
そういうところでは差別的な待遇など日常茶飯事だろうし、
それが当たり前の風土であったりするのかもしれない。
経済的な貧富の格差があり、
富める者が貧しい者を使用人や召し使いのように雇うなら、
当然両者の間には差別が生じるだろうし、
身分的な差別がなければ雇い主の威厳が保たれないのではないか。
ようは人種的な差別というより、
経済的な貧富の格差なのであって、
世の中にはやりたくない仕事というのがあり、
そのやりたくない仕事を貧しい者が金を稼ぐために、
仕方なくやるように仕向ける構造が社会の中にあり、
日本では人口が減って、
やりたくない仕事をやる者が将来不足するから、
それを外国人の出稼労働者とか移民にやらせようという話で、
欧米ではすでにそういう社会構造になっているらしいから、
日本でもそれを真似ようとしているわけだ。
建前上は法律的にも人は平等でなければならないだろうが、
そのやりたくない仕事に携わっている人たちが
外国からの移民であるならば、
実質的には差別されるだろうし、
もとからいた日本人より
ランクの低い人間と見られてしまう可能性は高そうだ。

だが現状でも日本には
世界中から様々な民族や宗派に属する人が来て住んでいるわけで、
独自のコミュニティを作り上げ、
一箇所に固まって住んでいたりする。
そしてたぶん一般の人たちにの間には
それほど差別意識は浸透していないだろうし、
それらの人たちは
それほどやりたくない仕事に従事しているふうもなさそうだ。
もちろん低賃金で劣悪な職場環境の中で働いている人たちも
少なからずいるだろうが、
それは日本人もそうであり、
逆に富裕層に属している人たちも結構いるだろうし、
在日韓国朝鮮人たちを誹謗中傷する一部の人たちを除けば、
特定の民族や宗派というだけで
差別の対象にはなっていないのではないか。
たぶん大前提として、
日本人のほとんどは欧米人でもキリスト教徒でもないので、
他のアジアやアフリカや中南米の人たちと、
それほど差異はないのかもしれず、
彼らの方でも欧米人の白人と日本人とでは
明らかに容姿や外見が違うので、
妙に身構えることもなく、
敵対的な感情も持っていないのではないか。
要するに日本人が思っているほど、
世界の中で日本人のランクはそれほど高くはなく、
欧米の白人ではないその他大勢の中の一民族にすぎない
と思われているのかもしれない。
だから別に曽野綾子のような名誉白人的な勘違いは無用であり、
くだらぬ自尊心など持つ必要もなく、
ほかの日本人たちと変わりなく、
それらの人たちに接すればいいのであって、
それほど大げさな差別意識を感じることもないのではないか。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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