文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

全て表示する >

彼の声 2015.3.4 「愛国教育のすすめ?」

2015/03/05

人は何に頼ろうとしているのだろうか。
カネがなければ、
自分が属する文化とか言語とか宗教とかに
アイデンティティを見出すのだろうか。
例えば自分が何者であるかと問うならば、
まずは日本人であると思うわけか。
そして日本人であるならば、
自分が生まれ育った場所である
日本国について考えなければならなくなる。
そう考えるのは当然の成り行きだろうか。
そして自分を今の今まで育んでくれた日本に
恩返ししなければならないと思い、
その国土を守るために
今こそ命を捧げる時が来たと悟ったりするわけか。
だがそう思わせる理由がどこにあるのだろう。
現実にはどこにも見当たらないから困っていて、
これではまずいと焦っていて、
誰もそう思わなければ日本が滅んでしまうから、
今こそ子供達に愛国心を植え付けなければならないと思うわけか。
人々は正義を求めていて、
正義のもとに集い団結したいのだろうか。
少なくともイスラム国へ世界各地から馳せ参じた戦士たちは、
建前上はそうなのだろう。
では日本を守るべく決起を呼びかけている戦士たちはどうなのか。
どこの誰が決起を呼びかけているというのか。
だいいち日本を何から守らなければならないのだろうか。
中国や韓国の軍隊や企業からか。
そして国土防衛のために日米同盟を強化し、
沖縄の辺野古地区に
アメリカ軍の滑走路を作らなければならないわけだ。
なるほどそう話を進めれば納得がいくだろうか。
論理的に支離滅裂で無茶苦茶かもしれないが、
これで国土防衛と
沖縄の辺野古地区に米軍の滑走路を造ることが繋がった。
そんな冗談のように語ると愉快な気分になりそうだ。
あまり茶化すのは気が進まないが、
この政治的な現状をどう捉えればいいのか苦慮した末に、
冗談に逃げるしか方法が思い浮かばず、
苦肉の策として馬鹿げたことを語る必然性を感じてしまうらしい。

しかし資本主義のグローバリゼーションとはなんなのか。
日米同盟を強化しつつも、
一方では日本を守るために
アメリカが進めるTPPには反対しなければならないらしい。
日米間で貿易関税が取り払われてしまえば、
日本の農業が壊滅的な打撃を受け、
他の産業分野でもアメリカの言いなりになるしかなく、
完全にアメリカの属国となってしまう。
そうならないためにはTPPには反対しなければならない、
というわけなのだが、
一方で中国や韓国の脅威から日本を守るためには、
日米同盟は強化しなければならない。
たぶんこれは冗談ではないのだろう。
愛国者の誰もが日本を守るために真剣に考えているわけだ。
そして真剣に考えれば考えるほど、
冗談のような結論に至るのではないか。
それが何かの冗談だと知りながら、
冗談である部分については目を瞑り、
あるいは顔を背け、
次の瞬間には何事もなかったかのように、
日米同盟の重要性を力説し、
またアメリカが推し進める経済のグローバリゼーションから、
日本の産業を守らなければならないと力説する。
果たして日本を守るとはどういうことなのか。

それらの何が冗談なのだろうか。
たぶんそれは日本を守ることが冗談なのだ。
日本とは守る必要ない概念なのではないか。
では日本を守らなければ他に何を守ったらいいのだろうか。
そうではなく、
実質的に愛国者たちは日本を守っていないのではないか。
では彼らは何を守っているのか。
彼らが日本を守ろうとしているのは事実だが、
そういう守り方では日本を守っていることにならないのかもしれず、
その辺が微妙にずれているところなのではないか。
実際に自衛隊や海上保安庁や警察などが守っているのは、
政府と呼ばれる官僚機構であり、
彼らは外国からの脅威とともに、
国民と呼ばれる日本の領土内に生まれた人たちからも、
日本政府という行政機関を守っているわけだ。
彼らが国民を守ることがあるとすれば、
国土と国民が日本政府の所有物であり
財産だから守っているのであり、
日本政府にとって国土と国民は、
それらを使って政府を維持継続させるための
資源のようなものであるわけで、
例えば沖縄で米軍滑走路の工事を妨害するような国民は、
政府にとって有用な資源ではないから守る対象ではなく、
たとえ自国民であっても、
政府にとって害をなすような国民は
排除の対象にもなりうるわけだ。
結局日本政府にとって守るべき有用な国民とは、
国を富ませるために稼ぎ、
国の意向に従い、
国に命を捧げるような国民なのだ。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。