文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2015.2.26 「自殺の動機」

2015/02/27

自己の外部に世界がある。
自己の内部にも世界があり、
世界の一部として自己がある。
だがそれがどうしたわけでもない。
自己とはなんだろう。
言葉に違いない。
自己とは自分自身であり言葉でもある。
だがそれがどうしたわけでもない。
たぶんどうしたわけでもないことを語っているのだろう。
これではどうしようもない。
何かもう少し中身のあることを語らなければならないと思うが、
話の中身とはなんだろう。
日々起こっている具体的な事件について語らなければならないのか。
だがそのねばならないという理由がどこにあるのか。
なんの理由も必然性もないのに語ることができるだろうか。
語ってみればそこから理由や必然性が導き出せるのではないか。

特に何を求めているわけではない。
事件とは何か。
そんな定義を示したいわけでもなく、
ニュースから興味深い事件を選んで、
それについて何か述べたいのでもないらしい。
事件の何に興味があるのだろうか。
ただどこかで何かが起こったということだろうか。
それが事件なのだろうか。
たぶんそうだ。
どうも思考の焦点が定まっていないようだ。
ニュースには興味が湧いてこないということだろうか。
例えばそこで誰かが死んだりするわけで、
その死に方に興味が湧いたりするわけだ。
競馬の騎手が首吊り自殺して、
それがニュースになっていた。
その時点では自殺の動機が不明で、
前日までは明るく元気にふるまっていたらしく、
関係者は突然の自殺に驚き衝撃を受けている。
それが興味深い出来事だろうか。

そこからわかることはなんだろう。
人は時として自殺するらしい。
たぶんそれが興味深い出来事なのだろう。
放っておいても自然に寿命が来て死ぬのに、
わざわざ自分で自分を殺す必要が生じてくる。
人には死を先取りしたい動機がある。
自分で自分を殺す殺人の動機があるわけだ。
それは困ったことだろうか。
少なくとも関係者は困っているわけか。
中には死んで欲しい人が死んで喜ぶ場合もありそうだが、
人が突然死なれると、
しかも自殺されると、
その知らせを聞いてまずは驚くだろう。
驚いた後に自死の動機をあれこれ考えてしまうかもしれず、
思い当たる節があればなるほどと思うだろうか。
そしてお節介な人は、
なぜ死ななければならなかったのか自問して、
死んだ原因を取り除くにはどうすべきだったか考えるわけか。
そこまで考えるのは関係者に限られそうだが、
他人の自殺はできれば防がなければならないと考えるのが、
社会人としては健全な発想かもしれない。
その反対に自殺を奨励する人は少ないのではないか。

人間関係は直接であれ、
間に組織や団体を介した間接であれ、
様々に入り組んでいて、
そこからいつどのような動機が生まれるかもわからず、
たまたま自殺したい動機も生まれてくることもあるのだろう。
それが深刻にそう思ってしまうのか、
あるいはちょっとした拍子に不意にそう思ってしまうのか、
その辺も当人が死んでしまった後からは
なんとも言えないところかもしれず、
まれに遺書でも残されていれば、
それを読めば納得することも、
またさらに謎が深まったり、
腑に落ちないこともあったりするのかもしれないが、
死ぬ動機や理由があるとして、
その動機や理由から何かを導き出そうとすれば、
やはりそれはその人の物語となってしまうのではないか。
なにやらその人が自殺に至るまでの人間関係や、
そこから生じた諍いなどを語りたくなってくるわけだ。
そういうところからありふれたドラマが生じ、
そういうドラマを求めるのも好奇心旺盛な人の人情だろうか。

日頃からメディアが注目している有名人でも自殺すれば、
大ニュースにでもなるのだろうが、
誰が自死しようと自殺は自殺で、
人間社会の人間関係によって
自殺という現象が発生することに変わりがないか。
そこから生きる理由が生じれば死ぬ理由も生まれてくる。
生きるのも死ぬのも苦しいなら、
人はそのときどちらを選ぶだろうか。
その時の周りの状況にも自分の気分にも影響されるのだろうが、
たぶんその時になってみないことにはわからないことであり、
前もって決めておくようなことでもないのではないか。
どのような状況に追い込まれたら自殺するかなんて、
わかることもあるしわからないこともあるだろうし、
わかったところで、
あるいはわからなかったところで、
別にそれを自分の状況に当てはめる気にはなれないだろうし、
自分の状況に当てはめて自殺したところで、
それも自殺でしかなく、
そこから何か合理的な教訓が導き出されたところで、
それがどうしたわけでもないか。
どうもそこから
何かわかったような結論を導き出す気にはなれないようだ。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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