文学

彼の声

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彼の声 2015.2.7 「ごまかしだらけの民主主義」

2015/02/07

簡単に答えなど見つかるわけがないが、
それに関して最近は意識が固定観念の虜となっているようだ。
毎日同じことを考え、
同じことを語ろうとしてしまう。
それではだめだと思うのはなぜだろう。
たぶんそういう成り行きに
意識的に逆らおうとしているのだろうが、
しかしなぜこうも同じことについて語らなければならないのか。
なぜ政治・経済的実践について
何か語らなければならないのだろうか。
地球の表面を覆っている諸国家群において、
何か政治・経済的に興味深い動作や現象が見られるのか。
何に気づいているわけでもなく、
そこに住んでいる彼らが
取り立てて目新たしい認識を共有しているとも思えないが、
それでも気づいたことを指摘しなければならないだろうか。
いったい何に気づいているのだろうか。
別にそれを語る理由があるわけではない。
それを語ることに正当性を求めるなら、
だいぶ当てが外れているようだ。
結局語るべきことなど何もないのではないか。
ただ一群の人たちが
政府の政策やその外交姿勢に反対しているわけだ。
それだけなら何も目新しいことはない。
それ以外には何もないのだろうか。
そんな固定観念に逆らって、
何かそれとは別のことを語ろうとすると、
すぐに他には何もないことに気づかされ、
それ以上は何も語れなくなり、
そこで行き詰ってしまうわけだ。
それの何が間違っているのだろうか。

政府は国内の企業が外国との企業との競争に負けないように、
盛んに経済的な振興策や優遇策を推進しようとしていて、
そうした企業優先政策によって
労働者が待遇や福祉がなおざりにされ、
それによって不利益を被っていると思われる人たちが、
政府に対する批判を繰り返しているわけで、
彼らの主張を象徴する言い分によれば、
このままでは上位1%の富裕層がますます豊かになる一方で、
残り99%の人々が貧しくなるということなのだが、
そういう言い分をどこまで真に受ければいいのか、
疑念を抱かざるを得ず、
その辺がどうもいまひとつ信じきれていないところだ。
一方で経済的な利潤追求の原理を推進する国家が、
どこまでそれに歯止めをかけられるのか、
それはかなり矛盾していることで、
もうそろそろその矛盾をごまかしきれなくなっているのではないか。
歯止めをかけているように見せかけることはできるのだろう。
だが例えば富裕層に対する税負担を重くすれば、
税負担の軽い国へと富裕層が移住してしまうだろうか。
また企業に対する税負担を重くすれば、
同じように税負担の軽い国へと
企業の拠点が移動してしまうだろうか。
結局そういう方策以外にはやり方がないとすれば、
世界同時に同じ税負担割合にするしかなく、
そうだとするなら、
世界が各国に分割されているのはいかにも不都合で、
たぶん世界が一つの行政機構に統一されない限りは、
そういうやり方がうまく機能することはないのだろうが、
それでは国家がなぜ存在する必要があるのか
という話になってしまうわけだ。
国家が自国民を経済的に豊かにしようとする行為が、
他の国にいる人たちを
経済的に搾取することで迷惑をかけているのかもしれず、
その辺も考慮に入れて考えなければならず、
どうもそういうところが
政府のやり方に賛成か反対かの議論の中では、
なおざりにされているのではないか。
そういう微妙な部分を考慮に入れないと、
賛成反対の両派の言い分自体が、
あまり説得力のない主張となりかねず、
彼らの必死さや熱心さとは裏腹に、
ますます政治的無関心が
世の中に広がってしまうような気がするのだが、
たぶんこんなことを述べても
彼らには馬耳東風だろう。

政府が産業振興をやって、
それによって企業が栄え発展して、
利潤を生み出している現状があるわけで、
それらの企業で働いている個人の収入も含め、
その生じた利益から税を徴収し、
その税金を活用することで
国家が栄える仕組みである限りにおいて、
しかも諸国家間において経済競争があるわけだから、
国家は金をより多く稼ぐ富裕層や企業を、
優遇しないわけにはいかないのであり、
そうした層に重税を課して叩くような真似はできない。
そんなことをすれば
国家が他国との経済競争に敗れて衰退してしまうだろう。
そんなわけで政府の方針や政策に賛成する側も反対する側も、
すべては御都合主義に凝り固まっていて、
自分たちの損得勘定とその場の思想の流行に合わせて、
総論賛成各論反対であったり、
逆に総論反対各論賛成であったりするわけで、
どちら側の主張にも
矛盾点やそれをごまかす御都合主義が潜んでいる。
だからこう述べてしまうと
馬耳東風を決め込むしかないわけだが、
ではどうすればいいのだろうか。
ならば世界を統一して
無駄な出費や経費のかかる国家間競争や戦争を
なくせばいいという話になるだろうが、
彼らに言わせれば、
そんなことなどできっこないということになるだろう。
だからこれまで通りに意図的にあるいは無意識的に、
矛盾や不都合な点を無視するか触れないでおきながら、
政府のやっていることに
賛成する側と反対する側の二手に分かれて、
侃侃諤諤の議論を果てしなくやるしかないわけで、
どちらの側も攻撃材料に事欠かないから、
その点を突いて
一方的な批判や非難を繰り返していればいいわけで、
そしてそんな予定調和のうんざりするような論争を、
果てしなく繰り広げているうちに、
それ以外の部外者に属する人たちから見放されて、
政治的な無関心層の増大につながり、
選挙での投票率の低下も甚だしくなって、
双方ともに危機感を募らせているのだろう。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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