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彼の声

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彼の声 2015.2.2 「社会のギルド化」

2015/02/02

何か出来事が起こればそれに対して反応したいわけだが、
反応してそれに対してなんらかの表明や主張をして、
それで何かやったことになるのだろうか。
たぶんそれ以上を望む必要はないのかもしれず、
実際それ以上がどんなことなのかなんて想像できない。
無駄なことをやっているわけではないと思いたいが、
そこで何か語っているわけだ。
その語っていることを
どうこう考えてみても仕方のないことだろうか。
考えたところで語れるわけがない。
それでも語ろうとしているわけだ。
何かを語ろうとして、
それについて考えようとして、
何も考えられないことに気づく。
その際個人の政治的立場など
何を意味するわけでもない状況なのだろう。
無名の個人ならネット上で政府のやり方を批判したり、
街頭でビラ配りでもして、
いくらでも反体制的な立場を取ることができる。
だがそれ以上はない。
たぶんそれでかまわないのだ。
何もジャーナリストとか活動家とかになろうとしなくても、
その程度で済ませられる時代なのだ。
実際に政治家は世襲制と官僚上がりで占められ、
完全に制度が運用面でそれらの人たちの有利になるように、
恣意的な仕組みが出来上がっている。
無名の一般人が政治家になれるわけではなく、
政治家を排出しているなんらかの組織や団体に入って、
そこで研鑽を積み、
その人が政治家になれば組織や団体にとって有益であるとして、
認められた上でないと、
おそらく選挙で勝てる見込みのある候補者として、
立候補すらできないのかもしれず、
政治家を目指す無名の一般市民がいきなり選挙に立候補して、
街頭演説や政見放送などで、
その主張が多くの他の市民の賛同や支持を得て、
そして当選して議員になるというのは、
要するにほとんどあり得ない虚構の物語でしかないのだろう。
そんな建前として提示されている制度と、
それが実際に運用されている実情ととでは、
現実と虚構ほどの大きな隔たりがあり、
制度が理想とされる建前通りに運用されるのを、
その制度を我田引水的に運用して、
利益を得ようとする人々や組織や団体などが、
自分たちの都合のいいようにねじ曲げて、
ギルドを形成して部外者の参入を阻んでいるのであり、
そうなってしまった過程がそのまま政治の歴史でもあるわけだ。
そしてそれは政治に限らず、
社会のあらゆる分野で行われていることで、
何かそれを利用して利益を得られる制度や仕組みが生じれば、
たちまちその周りにギルド的な組織や団体が形成され、
ギルド内で利益を独占しようとして、
ギルドに入らない者は排除され利益を得られないように、
制度自体が改変されてしまうわけだ。
だから結局部外者は、
外でいくらでも理想論を主張することはできるが、
それが世の中の制度や仕組みを変える原動力とはならず、
ただ負け犬の遠吠えのように、
それらの声は虚しくネット上や街頭などで響くばかりなのではないか。

そのような人間の集団的な営みは、
良心的な価値観に基づいて作り出された社会の制度や仕組みを、
ことごとく形骸化させてしまう作用があり、
効率的に功利を得ようとする行為が、
必然的に部外者を排除した上で、
特定の集団や階層による富や名誉や権力の独占という結果を招く。
これまでの人類の文明史において、
もしかしたらそれ以外の作用はあり得なかったし、
今後もあり得ないのではないか。
そしてそのような作用に対抗して、
人々ができることはといえば、
もはや形骸化してしまったそれらの制度や仕組みを、
元の理想状態に戻すことではなく、
実際にやろうとすればギルドに阻まれてしまうから、
戻すことなどできないのであり、
できるとすればそこにまた新たに
そのような作用に逆らうような改変を、
上乗せすることしかできないのであり、
しかもそれをすぐにはバレないように提示しなければならず、
一見功利的に感じられるが、
それと気づかれないうちに、
それらの利権ギルドを解体するように
作用する仕組みを考え出さなければならない。
もちろんそれは人が直接意識できるような、
はっきりした制度や仕組みでない方がいいのかもしれず、
ともかくうまく表現できないような作用を
社会に及ぼす必要がある。
論理的に単純化されてしまっては
バレバレになってしまうのであり、
また小難しくて相手にされないようなら、
人畜無害でしかないのだろうが、
魅力的でしかもなんだかわからないような、
底知れない何かが必要なのではないか。
もちろんそれが神秘思想の類いとなってしまうと、
オウム真理教のような宗教教団にしかならないわけで、
日本で国政選挙の投票率が著しく下がってきたり、
アメリカで大麻が合法化されたり、
その二つの出来事は一見なんの関係もないことでしかなく、
現実に無関係な二つの出来事でしかないわけだが、
例えば古代ギリシア・ローマの繁栄の後、
ヨーロッパが約千年もの長きにわたり、
中世と呼ばれる周辺地域から文化的に遅れた暗黒時代を経て、
ルネサンスと呼ばれる文明開花の時期に至ったことなども、
単なる偶然の巡り合わせと判断しても、
それほど間違ってはいないだろう。
わけのわからないことを述べているのを承知で、
こんなことを語っているわけだが、
一方で教条主義的に理想論ばかり主張しても
無駄であることも事実なのではないか。
またその逆の戦略的倒錯などいうのも、
それが見え見えとなってしまえば
ただの愚かな行為に堕するだけだ。
ともかく今の段階で最低限のレベルで言えることは、
ではどうすればいいのかという問いに、
はっきりした答えなどありはしないということだ。
その上で無矛盾的な論理の単純化には逆らわなければならず、
信用に足る答えがない以上は、
とりあえず政治的な妥協以外の建設的な提言に内包する、
矛盾や実現不可能性は意識しておかなければならないだろうし、
それは指摘しておくべきだと思う。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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